
| フォードはある意味で非常に効率的な自動車メーカーであり、各モデルの個性も際立っている |
フォード豪州の販売は「わずか2モデルで90%」という極端な構成でもあった
さて、ランドクルーザーはトヨタの誇る人気モデルでもありますが、それだけに様々な標的とされることも少なくはなく、今回フォード・オーストラリアのマーケティングディレクター、アンブローズ・ヘンダーソン氏がトヨタ・ランドクルーザー250(現地では”プラド”)につき「妥協の産物である」と一刀両断。※2024年、フォード・レンジャーはオーストラリアで最も売れたクルマとなったものの、ブランド別の販売台数では依然としてトヨタがトップを維持している
そして同氏によれば、「フォード・エベレストこそが本物のタフなSUVである」とのこと。
-
-
なぜにプラド顔?豪州にてランドクルーザー250導入、しかし名称は「プラド」、さらに上位グレード「カカドゥ」にはバンパーを再設計してまで先代プラド風グリルが装着される
| まさかのプラド風グリルを装着してオーストラリアへとランドクルーザー250が上陸 | さらにはボディアンダーやフェンダーアーチがボディカラー同色へ塗装されて高級感が押し出されることに さて、トヨタの ...
続きを見る
最近のフォードは本当に「いいクルマ」を作るようになった
フォード・エベレストは、トヨタ・フォーチュナー、三菱パジェロスポーツ、いすゞMU-XといったトラックベースのSUVと直接競合するほか、トヨタ・ランドクルーザー・プラドともライバル関係にあるクルマ。
なお、現地での「ランドクルーザー・プラド」は7人乗り仕様で販売されており、北米はじめほかの市場向けの5人乗りランドクルーザーとは一部仕様が異なります。
そして今回の発言は現地カーメディアによるインタビューの中で出てきたもので、アンブローズ・ヘンダーソン氏がトヨタ・ランドクルーザー・プラドについて質問された際、その人気を認めつつも以下のようにコメントしたわけですね。
「ご指摘のモデル(ランドクルーザー・プラド)は非常に強力な競争相手であり、この分野で長い間、優れた製品を提供してきました。しかし、私たちの製品と比較していただければ、どこで戦略的な判断を行い、妥協を避けたのかが分かるはずです。一方で、競合車は顧客にとって重要な部分で妥協している場合があります。例えば、荷物をトランクに収められるかどうか、といった点です。」
アンブローズ・ヘンダーソン氏はさらに「フォードの顧客第一」の哲学を強調しています。
「私たちが常に最優先としているのは、お客様の要望に応え、妥協なくそれを実現することです。私たちは独自の路線を進み、提供する製品とその価値に自信を持っています。」
今回の批判の中で特に注目されたのが、7人乗りランドクルーザー・プラドのトランクスペースで、プラドの3列目シート後方の荷室容量は182リットル、しかしエベレストは259リットルを確保。
この差は、家族や荷物を多く運ぶユーザーにとって重要なポイントとなり、実際のところフォード・エベレストは2024年にオーストラリアで26,494台を販売し、トヨタ・ランドクルーザー・プラドの過去最高販売台数(2021年の21,000台)を上回っています。
-
-
トヨタ・ランドクルーザー250に「ディーラーで買える」大径タイヤ / 超オーバーフェンダー装着済みカスタム車、”ランクル AT37”が登場
Image:Arctic Trucks | ただし現在注文可能なのは北米、欧州、中東、アフリカのみ | タフなランクル250が「さらにタフ」に さて、北米ではランドクルーザー250が高い評価を受け人気 ...
続きを見る
さらにいうならば、フォード・レンジャーは62,593台を売り上げ、2024年のオーストラリア市場で最も売れたクルマとなっており、ここにフォードの哲学が証明されたということなのかもしれません。
ただ、ちょっと興味深いのは2024年におけるフォード・オーストラリアの総販売台数100,170台のうち、レンジャーとエベレストが実に89%を占めていること(この2モデルの成功により、フォードはオーストラリア市場で販売台数2位のブランドとなった)。
一方のトヨタの販売台数は241,296台に達し、フォードの2倍以上の売上を記録しつつ22年連続でオーストラリアの自動車市場トップの座を維持していますが、「たった二車種で」トヨタの40%程度の販売を達成したフォードを褒めるべきなのかもしれません。
さらにいえば、フォードは「セダンやコンパクトカーから撤退し」SUVやトラックに集中するという思い切りの良さを見せていて(まさに「選択と集中」を絵に書いたようなメーカーである)、対するトヨタは「より多くの顧客の要望をカバーする」というフルラインアップメーカー。
よって一概に「どちらがどう」とは判断できず、世界有数の自動車メーカー同士であってもここまで戦略が異なる、というところは面白いと思います。
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
ドバイの砂漠をランドクルーザーで走るサファリツアー(後編)。ちょっとこの体験はほかではできず、この景色もほかで拝むことができないな【動画】
| 次にドバイに来たときもまたサファリツアーに申し込んでみようと思う | 「非日常」をここまで感じられるツアーも珍しい さて、ドバイの砂漠をオフロード車で走る「サファリツアー」後編。ぼくが借り切ったの ...
続きを見る
-
-
トヨタ・ランドクルーザー250納車後のカスタムを考える。まず「80年代のトヨタ(TRD)風自作ストライプ」、これは絶対に外せない
| ボクはどこかで「80年台風カスタム」を行いたいと考えていたが、ランクル250こそがそれを実現するチャンスである | グラフィックの面積は大きいが、ランクルはパネルが分割されているので”貼りやすい” ...
続きを見る
-
-
「ランクルの歌」がリリースされたぞ・・・!トヨタ豪州法人が「どんな環境からでも必ず生きて帰ってこられる」ランドクルーザーを称える新曲を披露【動画】
| 実際、トヨタはランドクルーザーの設計において「絶対に生還する」ことを念頭に置いている | そしてランクルは「実際に悪路で使用してこそ」その優位性が発揮されるクルマである さて、ぼくはトヨタ・ランド ...
続きを見る
参照:Car Expert