| ここへ来て、紅旗のデザインは急激に高いオリジナリティを持つに至ったようだ |
さて、中国でもっとも高級とされる自動車ブランド「紅旗(Hong qi=ホンチー)」。
日本にも導入が決定したと報道されていますが、今回の上海モーターショーにおいては「次世代」をあらわすコンセプトカーが複数台展示されているようですね。
まず、ここで紹介したいのは「紅旗 L-Condept」。
「紅旗 L-Condept」はこんなクルマ
この紅旗Lコンセプトは「フルサイズのセダン」だと報じられており、ボンネット上のマスコット、そしてレッドのライン、フラッグシップを示す「L」というモデル名から見て、フラッグシップもしくはそれに近い位置のクルマ」だと考えられます(赤いラインはいずれのモデルにも見られるが、マスコットはこれまで”L5”など最上位モデルにしか装着されていない)。
威厳を感じさせるフロントグリル、広がりを感じさせるヘッドライトのハウジング内部、バンパー上の光り輝くLEDデイタイムランニングランプ(?)など見どころが満載で、それらがいかにも中国らしいと感じさせるクルマでもありますね。
ルーフラインはクーペ風、そしてリアウインドウ上にはメッシュ状の構造物が見られ、テールランプは「鳥の羽根」のようなデザインを持っています。
紅旗は毛沢東の命によって設立されたブランドであり、中国第一号となる乗用車を製造したことでも有名です。
それだけに随所へと「中国らしさ」を散りばめたのが紅旗のデザインの特徴ではありますが(H9のリヤセクションは天安門をイメージしたと言われる)、今回のLコンセプトに用いられるディティールもやはり「中国モチーフ」なのかもしれません。
こういった「フロントは大きくイカツく、リアはスリムなクーペ風」というのが中国で支持されるスタイルであるようですね。
なお、紅旗は前ロールスロイスのチーフデザイナー、ジャイルズ・テイラー氏を獲得しており、そのデザインをより「格調高いものへと」押し上げようとしていますが、このLコンセプトに関わったのかどうか、そして関与したのであればどの程度のレベルのなのかは不明です。
-
ロールスロイスのチーフデザイナーが中国最高級ブランド「紅旗」へ移籍。豊富な資金を背景に世界を狙う
| 今度は中国メーカーが有力デザイナーをヘッドハンティング開始? | 今年の6月にロールスロイスで7年間デザイナーを務め、そのうち6年はチーフデザイナーの地位にあったジャイルズ・テイラー氏が電撃辞任。 ...
続きを見る
紅旗 Lコンセプトのシートは「3座」
そして外観以上のインパクトを持つのが紅旗 Lコンセプトのインテリア。
大きな特徴は2つあり、ひとつは「3人乗り」、もうひとつは「ステアリングホイールがない」ということ。
まず「3人乗り」という点ですが、レイアウトとしては(運転はしないけど)運転席に加え、その後ろにひとつ、そして助手席側にもうひとつ。
つまり助手席側のシートは、室内空間の右半分を「一人で贅沢に」使用できるということになりますね。
そして運転席側にはステアリングホイールがなく、このクルマが「完全自動運転」を前提にしているということがわかります。
ダッシュボードはウッド、その下には液晶ディスプレイがあり、巨大なセンターコンソールにはSF映画に出てきそうな装飾も見られますね(何かのリアクターのようにも見える)。
なお、後部ドアは観音開き。
これは乗降性を重視したものだと思われ、実際にドアを開くと、そこには「広々とした空間」が出現します。
中国で好まれるホワイトのシートにゴールドアクセントが付与されており、やはり中国で好まれそうなバーガンディもしくはパープルのような色味を持つレザー内装が与えられることに。
そして何といっても目を引くのが「シャンデリア」。
よほどのフラットライドを実現しない限りは(走行中に)シャンデリアの立てる音が耳障りに聞こえてきそうですが、こうやってシャンデリアを装着しているところを見ると、(走行中にシャンデリアが揺れないという)自信のほどがあるのかもしれませんね。
なお、この紅旗Lコンセプトは2023年に発売を目指していると言われますが、その時点ではまだ自動運転を実現できているとは思えず、よって「普通のステアリングホイールを持った状態で」登場するのかもしれません。
合わせて読みたい、紅旗関連投稿
-
【動画】日本導入目前、中国版メルセデス・ベンツSクラス「紅旗H9」のレビュー公開!欧州高級車の寄せ集めと言われるデザイン、そして気になる乗り心地の実際は?
| 紅旗から直接クルマを借りている手前、ヘタなことは言えないのだと思うが、なかなかにいいクルマであるように見える | さて、何かと話題の中国「紅旗」。話題となっている理由は日本へと正式に輸入が開始され ...
続きを見る
-
中国・紅旗公式サイトが日本語対応!「L5」購入には資格審査あり、納車の際には式典が開催され、オーダー礼服まで作ってくれるようだ
| 紅旗の第一号試作車はマツダの市販車第一号よりも早く登場していた | さて、はじめて中国車(紅旗H9)が日本へと正規導入されるということで大きく盛り上がっている中国・紅旗。この紅旗(ホンチー)は中国 ...
続きを見る
-
その価格8600万円!ロールスロイスのデザイナーを獲得した「紅旗」が発売する、中国でもっとも高級なクルマ”L5”を見てみよう
| おそらくは中国の技術の粋を集められたクルマ | メルセデス・ベンツが(ロサンゼルスをその場に選ばず)マイバッハGLS 600 4MATICを発表した広州モーターショー。つまりそれだけメルセデス・ベ ...
続きを見る