| シャオミの参戦によって影響を受けるのはテスラのみではなく、中国の新興EVメーカーも同様である |
これでまたいっそう中国におけるEV競争が激化する
さて、中国シャオミ(Xiaomi)がついに待望のEV第一弾、「SU7」を発売。
これまで公開されていなかった開始価格が215,900元(現在の為替レートにて約452万円)だと発表され、これは現地でのテスラ・モデル3の価格である245,900元を大きく下回る設定です。
そしてこの価格がよほど高いインパクトを放ったのか、発売開始4分で1万台、その7分後には2万台、受注開始から27分後にはなんと5万台の受注にまでオーダーブックが膨れ上がることに。
シャオミSU7はこんなクルマ
今回シャオミは北京にて豪華な発表イベントを開催し(中国ではこういった大規模イベントを開催し新車発表を行うことが少なくない)、「スタンダード」「プロ」「マックス」の3グレードを発表。
司会を務めたのはもちろんシャオミCEOの雷軍氏で、開発に協力した中国のEVメーカー3社(Nio、Xpeng、Li Auto)のCEOと創設者も壇上に登るなど、まさに「歴史的」な規模にて開催されたようですね。※WeChat経由でのライブストリームでは200万人以上の視聴者を集めている
Just a few hours away from the #XiaomiEVLaunch. Join me for the livestream at 19:00, GMT+8. pic.twitter.com/6Fnc2SqC15
— Lei Jun (@leijun) March 28, 2024
シャオミSU7のボディサイズは全長4,997ミリ、全幅1,963ミリ、全高1,445ミリ、ホイールベース3,000ミリに設定され、これはテスラ・モデル3の4,720ミリ/1,848ミリ/1,442ミリ/2,875ミリよりも大きく(中国では大きさも重要な要素の一つである)、しかし価格が安価というのは非常に大きな優位性だとも考えられます。
Which color would you pick? #XiaomiSU7 pic.twitter.com/3E5aUnrmxS
— Xiaomi (@Xiaomi) March 28, 2024
ざっと各グレードの特徴を述べてみると以下の通り。
◉シャオミ SU7 スタンダード(Standard)
- 航続距離:700km(CLTC)
- バッテリー:73.6 kWh (BYD製LFP ブレード バッテリー)
- 400V アーキテクチャ
- 15分で350km分を充電可能
- RWD、220 kW (295hp) /400 Nm、シングルモーター
- ADAS:Xiaomi パイロット プロ
- 価格:215,900元
◉シャオミ SU7 プロ(Pro)
- 航続距離:830km(CLTC)
- バッテリー:94.3 kWh (CATL製LFP神興バッテリー )
- 400V アーキテクチャ
- 15分で350km分を充電可能
- RWD、220 kW (295hp) /400 Nm、シングルモーター
- ADAS:Xiaomi パイロット プロ
- 価格:245,900元
◉シャオミ SU7 マックス(MAX)
- 航続距離:800km(CLTC)
- バッテリー:101kWh (CATL製NMCバッテリー)
- 800V アーキテクチャ
- 15分で350km分を充電可能
- RWD、495 kW (663hp) /838 Nm、デュアルモーター
- ADAS:Xiaomi パイロット マックス
- 価格:299,900元
#XiaomiSU7 Max lets you drive back onto the road with an incredible 510 kilometers of range in just 15 minutes of charging.
— Xiaomi (@Xiaomi) March 28, 2024
Even the standard SU7 isn't far behind, offering a 350-kilometer range boost in the same timeframe. #XiaomiEVLaunch #DrivingForward pic.twitter.com/9XkDfBKazH
なお、シャオミSU7はサイズや価格のみではなく、出力や航続距離においてもテスラ・モデル3に対するアドバンテージを構築しており、さらには中国の競合(BYD シール、BYD Han、Deepal SL03、Xpeng P7i、Nio ET5など)と比較しても非常に高いコストパフォーマンスを持っていて、まさに現地では「台風の目」と目されているもよう。
この価格設定にて利益が出るのかどうか、そして採算ベースがどれくらいの台数なのかは不明ではあるものの、まずまずのスタートを切ったと考えてよく、雷軍CEOの掲げる「年間1,000万台を製造し、世界トップ5自動車メーカーのひとつになる」という野望への第一歩を踏み出したということになりますね。
Safety is an essential part of #XiaomiSU7. This car features our steel-aluminum alloy armored cage for unmatched protection.
— Xiaomi (@Xiaomi) March 28, 2024
Every SU7 is equipped with 16 active safety configurations, giving you complete peace of mind on the road. #XiaomiEVLaunch #DrivingForward pic.twitter.com/WbxAcldiIc
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参照:Xiaomi