中国の圧倒的王者、BYDですら最新モデル「BAO5」を18％値下げ。よほど中国内での競争が厳しいと見え、この状況は海外自動車メーカーにとってはさらに厳しそう

｜　この「フレキシブルな値下げ」の動きはテスラによって「定番化」されたと考えていい　｜

そしておそらく、日米欧の自動車メーカーはこの動きに（テスラ以外は）ついてこれないだろう

さて、BYDは「デンザ」「ファン・チェン・バオ」「ヤンワン」といったサブブランドを展開していますが、その中でもっとも個性的なのが「ファン・チェン・バオ」。

これは中国語では「方程豹」と表記され、実際にイメージカラーには豹を用いていますが、現在のところ発売されているのはSUVのBAO5とBAO3、しかし後にはバタフライドアを持つスピードスター、BAO9が発表される予定となっています。

BYDはさっそくBAO5の価格を引き下げ

そして今回中国にて話題となっているのが「BAO5の大幅値下げ」。

以前の価格は289,800元だったものの新しい価格は239,800からとなっており、17.25％の値下げということに。

このBAO5は、高級オフロードセグメントを再定義する革新的なプラグインハイブリッドSUVという位置づけで、1月の月間販売台数は5,000台ではあったものの4月には約2,000台に減少しています（昨年8月の発売以来、25,000台以上が販売されている）。

BAO5に積まれるパワートレーンはデュアルエレクトリックモーターと組み合わせた1.5Lターボエンジン、そして合計出力は505kW、最大トルクは760Nm、0-100km/h加速はわずか4.8秒。

BAO5の全長は4890mm、全幅1970mm、全高1920mm、ホイールベースは2800mm、アプローチアングルは35度、デパーチャー アングルは32度、最大地上高は310mm（比較的大きく、オフロード性能も高い）。

インテリアでは最先端のテクノロジーと実用的なデザインが融合され、3つの大型スクリーン、12.3インチの計器パネルが2つ、そして15.6インチのセントラスコントロールスクリーンが1つ備わっているほか、加えて他のBYDモデルとは異なってBAO5には多数の物理ボタンも搭載されています（おそらくはオフロードモデルということを意識してのことだと思われる）。

31.8kWhサイズのLFPブレードバッテリーは100kWのDC急速充電をサポートし、わずか16分で30%から80%の充電が可能となるほか、6kWの外部放電やV2V（車-車間）充電などの機能により、CLTC規格で合計1,200kmの走行距離を実現するという高い利便性も。

つまりこのBAO5は非常に高いパフォーマンスそしてPHEVとしての利便性を誇るということになりますが、にもかかわらず発売から半年ちょっとで値下げせねばならないというのは「それほど中国での競争が厳しい」ということを意味し、中国内そして中国の自動車メーカー、さらにはトップメーカーのBYDですらこの状況となると、日米欧の自動車メーカーにとってはなおのこと「中国市場で勝てる可能性」が低いということなのかもしれません。

合わせて読みたい、BYD関連投稿