| コルベットの長い歴史の中で、開発を主導する立場にある人物はわずか5人しか存在しない |
そしてこの肖像がプリントされるのは2025年モデルのみである
さて、シボレーはつい先日1,064馬力を発生するコルベットZR1を発表したところですが、今回はコルベットZR1に隠されたちょっとしたイースターエッグを公開。
そのイースターエッグとは(上の画像の通り)コルベットのチーフエンジニア、タッジ・ジュエクター氏の肖像がZR1 のスプリットリアウィンドウの1つ、そしてフロントウインドウ、およびフロントトンネルの補強パネルに表示されているというもので、これはなかなかにユニークな「遊び」だと思います。
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アメリカの自動車メーカーはけっこうこういった「遊び」が好きである
このタッジ・ジュエクター氏は、ZR1 だけでなくC8の開発過程で非常に重要な役割を果たしたため、その功績に敬意を表してベースモデルのスティングレイ、LT6搭載のZ06、初のハイブリッドそして4WD化されたE-Rayを含むすべての2025年モデルのコルベットに彼の肖像が表示されるのだそう。
なお、同氏はGMに47年間勤めた後、今週の水曜日、つまり7月31日に退職すると報じられていますが、いかなる金額の退職金よりも嬉しいはからいかもしれません。
参考までに、コルベットには様々なイースターエッグが仕込まれていて、Z06だけでも50 以上のイースター エッグが含まれ、ZR1 には独自のイースターエッグがさらに追加されています。
これには、LT6 および LT7 エンジン開発プログラム「ジェミニ」への言及として散りばめられたロケットモチーフが含まれ、この「ジェミニ」の名前は、GMがかつてNASA共同にて行った航空学の研究にインスパイアされたものであるようですね(ティーザー動画に登場したこともある)。
そのほか、C8コルベット開発時のカモフラージュには、コルベットのミドシップ化を早い段階から検討していたGMのエンジニア、ゾーラ・アーカス=ダントフ氏をモチーフとした図柄が用いられていますが、タッジ・ジュエクター氏はこのゾーラ・アーカス=ダントフ氏が同社を退職した2年後の1977年にGMに入社した人物。
上述の通りゾーラ・アーカス・ダントフ氏は、ミッドエンジンのコルベットの実現を常に夢見ていたものの、ついぞ実現を見ることなく1996年4月に他界しており、こののちにプロジェクトを引き継いだのはデイブ・ヒル氏、そして1993年にはタッジ・ジュエクター氏がアシスタントチーフエンジニアとしてそこに加わり、C5およびC6コルベットの改良に携わっています。
そして2006年になるとタッジ・ジュエクター氏は「わずか5人目のコルベットのチーフ エンジニア」という大役に任命され、C7の開発を主導することでコルベットの名を新たなパフォーマンスの高みへと導いたわけですね。
そして同じく同氏の指揮のもと、ついに2020年、史上初のミッドエンジン搭載となるC8世代のコルベットが登場し、その後、初の電動コルベット「E-Ray」も誕生。
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そして現在、C8世代はZR1の発表によって頂点に達しようとしていますが、さらにこの後には「Zora」と名付けられたZR1のハイブリッドバージョンが(来年に)登場すると言われ、これをもってC8世代のコルベットは完結を見る予定だとされています。
もうひとつ参考までに、ジープのウインドウにもその祖先である「ウィリス」のイラストがプリントされており、やはりアメリカ人はこういったイースターエッグが大好きであるようですね(自動車に限らず、ゲームなど様々な業界で見られる)。
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