Image:MIIT
| 現時点では価格はもちろん、デザイン面においても中国の新興メーカーが「日本の先」を行っている |
すでに欧州の自動車メーカーは「中国に学ぶ」例も登場している
さて、BYDがそのプレミアムブランド、ファン・チェン・バオ(方程豹)から発売される新型電動SUV、「タイタニウム 3」の情報が公開に。
これは今年はじめに「BAO 3」として予告されていたクルマで、その名を変えて既存モデルの「BAO 5」「BAO 8」と並ぶ形で市販がなされます(なぜBAOという名を使用しなかったのかはわからない)。
今回タイタニウム 3の情報をリリースしたのはおなじみ中国の工業情報技術省(MIIT)で、公開された画像によると、この小型SUVは、他のBYDの製品とは一線を画す、ラギッドで目を引く力強いデザインが特徴です。
-
BYDが「スター・ウォーズよりヒントを得た」という電動SUV、ファンチェンバオ Bao3を発表。この未来的なルックスでお値段450万円
| これだけ魅力的な中国製EVが多数登場している状況下だと、ますます中国車しか売れなくなりそうだ | ある意味中国人はいま幸せな環境にあるといえよう さて、BYDが展開する個性派EVブランド、ファンチ ...
続きを見る
中国のEVにおけるデザインも「差別化」の時代に突入か
なお、中国の自動車メーカーが作るEVはどれもよく似ていて、それは「中国企業は売れているものをこぞって真似するから」であり、その売れ筋は「ツルッとした丸っこいシルエット」「格納式ドアハンドル」「細長いLEDライトストリップ」「スケルトンテールランプ」「クーペ風4ドアセダン」といった要素にも集約されるのですが、さすがにここまで「どれもこれも同じように見える」状況になってしまうと市場が飽和し、かつ消費者のほうもこれに飽きる可能性が考えられます。
Image:MIIT
よっていくつかのEVメーカーは中国の商慣習に反し「独自性」を追求することで生き残りを図っていて、このファン・チェン・バオもそういった考え方を採用するブランドのひとつということになりそうですね。
新型ファン・チェン・バオ タイタニウム 3はなかなか魅力的なデザインを持っている
このタイタニウム3のフロント部分には、現在のホンダ・リッジラインを彷彿とさせるヘッドライトが配置され、通常のグリルがある部分は黒く塗りつぶされて「力強さ」をアピールし、ロントとリアのホイールアーチを大胆に膨らませ、ドアにまで伸びる形とすることで独自のキャラクターを与えています。
さらにはリアデザインもフロントに負けず劣らず個性的で、標準装備のLEDテールライトに加え、テールゲートには大きなストレージボックスが備わっており、このボックスは四角形を採用し、スペアタイヤを収納する代わりに充電ケーブルやその他のアイテムを収納することが可能です。
Image:MIIT
新型ファン・チェン・バオ タイタニウム 3には、BYDのリチウム鉄リン酸(LFP)ブレードバッテリーが搭載され、前輪に148馬力(110 kW)、後輪に268馬力(200 kW)を発生するエレクトリックモーターが配置され、加速性能については詳細は明らかにされていないものの、最高速度は時速200kmだとアナウンスされています。
このタイタニウム 3は全長は4,605mm、全幅は1,900mm、全高1,720 mm、ホイールベースは2,745mm、車両重量は2,170kgだとアナウンスされており、ホイールサイズは18インチおよび19インチ、タイヤサイズは235/60および245/50。
また、オプションで大きなストレージボックスを屋根に搭載し、ここにドローンを収納し運ぶことができる、とのこと。
あわせて読みたい、BYD関連投稿
-
BYDとファーウェイによる「スマートドライブ」を搭載した最初のクルマ「BAO 8」登場。大物同士の協業によって今後中国車はさらに競争力を強めることになりそうだ
Image:Fang Cheng Bao | 中国車はソフトウエア開発、そしてコネクティビティや自動運転においても日米欧のクルマを凌駕することに | 実際のところ、日米欧の自動車メーカーはソフトウエア ...
続きを見る
-
BYDが中国にてウインドウレスのスピードスター「Super 9」を発表。同社のプレミアムブランドFang Cheng Bao(ファン・チェン・バオ)より発売予定
| BYDは底しれぬ資金力をもってとんでもなく早い展開を行っている | 中国の自動車メーカーの特徴の一つがこの「ビジネスの展開の速さ」である さて、BYDは現在、Denza、Yangwang(仰望)と ...
続きを見る
-
中国の圧倒的王者、BYDですら最新モデル「BAO5」を18%値下げ。よほど中国内での競争が厳しいと見え、この状況は海外自動車メーカーにとってはさらに厳しそう
| この「フレキシブルな値下げ」の動きはテスラによって「定番化」されたと考えていい | そしておそらく、日米欧の自動車メーカーはこの動きに(テスラ以外は)ついてこれないだろう さて、BYDは「デンザ」 ...
続きを見る
参照:MIIT