フィアット「500e」が売れずにまたまた生産停止期間を延長。しかしフィアットは500eを切り捨てずに改良のため1億ユーロを投入、さらにはハイブリッド化して再発売する計画も

Image：Fiat

｜　ガソリン版の「500」との価格差が大きく、ボディサイズまであわせて考えると、500eの価格は正当化が難しい　｜

これがアメリカやドイツの自動車メーカーであれば、バッサリ「販売終了」となっているところである

さて、フィアットは500eの生産停止を数回にわたり延長していますが、今回またまた「延長を行う」との報道。

フィアットは500eの販売が低迷している中で、いくつかの特別仕様車を投入してアメリカ市場などを中心に販売回復を試みていますが、効果は上がっておらず、フィアット500eとマセラティ グラントゥーリズモ、グランカブリオの生産を担当するイタリアのミラフィオリ工場において、2024年12月18日から2025年1月5日までの生産停止予定であったところ、これがさらに2週間延長されることが発表されています。

もともと、この工場では2024年12月18日から1月5日までを”クリスマスと新年の休暇期間”として操業停止予定であったものの、今回の延長によって、従業員にとっては「（予想外の）長い休暇」となるわけですね。

フィアット500eはとにかく売れていない

フィアット500eは、特にアメリカ市場での反響が非常に低く、販売台数は今年500台未満にとどまっていて、この販売不振を受け、フィアットは500eの特別仕様車として「500e ジョルジオ・アルマーニ」や「500e ‘Inspired By Los Angeles’」、「500e ‘Inspired By Beauty’」、さらに「500e ‘Inspired By Music’」などを投入したものの「いずれも不発」。

Charging your Fiat electric vehicle is quick and easy: high-power stations can charge up to 80% of your battery in just 30 minutes! ✅ pic.twitter.com/pJnetxQKmi

— Fiat (@fiat) September 6, 2024

多くの企業ならばこのような販売不振を受けて不採算モデル切り捨てるところですが、ステランティスは異なるアプローチを取っていて、500eの性能を向上させ航続距離の改善を目指すべく、新しい高性能バッテリーの開発に1億ユーロの追加投資を決定しています。

さらにフィアットは500eをリバースエンジニアリングし、ハイブリッドドライブトレインを搭載するモデルを2025年末または2026年初頭に発売する予定だとされ、「なんとしても500eを切り捨てない」という判断を下しているようですね。

なお、500eが売れていない大きな理由は「小さいのに高い」ということに集約されていると考えられ、600万円にも達する金額を支払ってこのクルマを購入する人はそうそういないのかもしれません（ガソリン版の500はその半額で購入できる）。

なお、今回の生産停止がマセラティに与える影響も無視できず、当然ながらグラントゥーリズモおよびグランカブリオにも影響を与えることとなり、これらも「生産を停止したとしても問題はない」くらい売れていないと考えていいのかも。

ステランティスは現在、2025年1月の生産計画を見直していると報じられていますが、現時点では具体的な発表はなく、今後の動向に注目したいところでもありますね。

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