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【衝撃】中国の掃除機メーカー「Dreame(ドリーミー)」がブガッティに挑戦する“世界最速ハイパーカー”計画を発表。ボクが考えるその真意とは?

【衝撃】中国の掃除機メーカー「Dreame(ドリーミー)」がブガッティに挑戦する“世界最速ハイパーカー”計画を発表。ボクが考えるその真意とは?

| 欧州でも「ダイソンが電気自動車に参入」「アップルが電気自動車に参入」しようとした例がある |

もはや自動車メーカーの敵は「自身の業界以外から」

中国の家電メーカー、Dreame Technology(ドリーミー・テクノロジー)が自動車業界に参入し「世界最速の電動ハイパーカー」を開発する計画を発表。

ブガッティやケーニグセグといった超一流ブランドに真っ向から挑むという驚きの挑戦ですが、ドリーミーはこれまで掃除機や空気清浄機、ヘアドライヤー、芝刈りロボットなどを手掛けてきた企業であり、いわば“家電のプロ”が、突如としてハイパーカー市場に乗り込むわけですね。

掃除機メーカーがハイパーカー市場に参入?

なお、「掃除機メーカーが自動車業界に参入」というと、ちょっと前であれば大きな驚きをもって迎えられたと思うものの、現代ではシャオミやファーウェイといったスマートフォンメーカーがすでに参入を果たし、シャオミは商業的に成功を収めたばかりか「ニュルブルクリンク最速」の称号まで獲得済み。

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現在は「中国の自動車メーカーが世界に進出している」として話題となっているものの、中国内においても従来の「自動車メーカー」がこういった(異業種から参入してきた)新興勢力に押されており、「敵は異業種から」「異業種からの参入こそがもっとも警戒すべき」といった状況が出来上がっているようにも思えます。

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こういった状況、とくに家電メーカーからの自動車業界への参入については様々な理由が考えられるものの、大きなものとしては「電気自動車は参入障壁が(内燃機関搭載のそれに比べ)比較的低い」というものが挙げられ、そして既存自動車メーカーが最も苦労している「バッテリー制御」に関しては家電メーカーのほうがむしろ明るく、さらには「スマート家電」が普及している中国においては、「自動車メーカーよりも家電メーカーのほうが親しみがある」「そもそもクルマ(EV)そのものが家電として捉えられている」という側面もあり、現地の人々にとっては「家電メーカーがクルマを作る」ことについては全く違和感がないのかもしれません(シャオミが成功した理由もここにあり、中国でシャオミ製品がない家庭は存在しないとまで言われ、シャオミに対する信頼と忠誠心が厚い人々が多いからだと分析されている)。

なぜドリーミーは市場規模が小さい「ハイパーカー」を発売するのか

ただ、ドリーミーにおいて注目されているのは、まず「普及価格帯のEVを投入して基盤を築く」のではなく、「いきなりハイパーカーを投入する」という極端な戦略に出たためで、これはある意味でNIOのストラテジーをなぞるものとも考えられます。

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ドリーミーはダイソンの二の舞を避けられるか?

同じく掃除機メーカーのDyson(ダイソン)は過去にEVプロジェクトを立ち上げたものの、「商業的に成立しない」として撤退済み。

ドリーミーはその轍を踏むまいと、中国の強力なEVサプライチェーンを活用し、すでに自動車部門「Dreame Auto」を設立して約1,000人の専門スタッフを抱えていると報じられています。

また、同社は6,000件以上の特許を保有しており、その一部は電気自動車関連技術だと言われていますが、こうした下地が計画に現実味を持たせているようですね。

さらに言うならば、ドリーミーは非常に戦略的な企業であり、早い時期からグローバル展開を行っていて、多くの中国企業が「中国を重視」する中、SNSにおいてもX、ピンタレスト、Facebook、インスタグラム、YouTube等の「世界標準」を積極展開。

さらには各地に応じたプロモーションを行い、店舗も積極的に開設(しかも一等地や高級ショッピングモールが多い)し、様々な用途や需要を拾い上げることに対して「貪欲」といった印象も。

そう考えるならば、今回の「ハイパーカー」につき、これ単体で利益を出そうというプロジェクトではなく、「話題作り」「客寄せパンダ」の可能性が高く、かつて「家電メーカーであったランボルギーニが、家電の宣伝のために」スーパーカービジネスに参入しようと考えた経緯に近いものがあるのかもしれません(ランボルギーニ創業者、フェルッチオ・ランボルギーニは、「スーパーカーと美女を並べ」家電を宣伝すると効果的だと考えたという記述が残っている)。

世界最速を目指す電動ハイパーカー

とにこかくにも、こドリーミーの電動ハイパーカーは2027年にデビュー予定。

公式ティーザーにはブガッティを思わせるシルエットが描かれていますが、実際の市販モデルがどのような姿になるのかは不明です。

そしてが目指す「世界最速」という目標は簡単ではあなく、現在の記録保持者は以下の通り。

  • SSC トゥアタラ:474.8km/h(2022年、公認世界最速)
  • ブガッティ・シロン・スーパー・スポーツ300+:490.48km/h(2019年、参考記録)
  • BYD YangWang U9 Track Edition:472.41km/h(2025年、量産EV世界最速)

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つまりドリーミーが勝負を挑むのは世界の名だたるハイパーカーブランドに加え、急成長する中国勢まで含まれており、しかしそれでも「最速」を狙うということは、その称号をもってブランド価値を押し上げようという「プロモーション的側面」がやはり強いのだろうと考えています。

さらには現在、ブガッティ、ケーニグセグ、ヘネシーらが500km/h超えを目標にプロジェクトを進行させており、もしDreameが計画を実現できれば、一躍“掃除機メーカーからハイパーカーの王者”へと変貌する可能性も。

果たしてドリーミーは、本当にブガッティやケーニグセグに並ぶ存在になれるのか、2027年のデビューが待ち遠しいところでもありますね。

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参照:Dreame

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