| ヒョンデは2104年にこのスーパーカープロジェクトをスタートさせ、数々のプロトタイプを披露してきたが |
どうやら「あまりに高額になってしまう」ミドシップスポーツの価格に恐れをなしたようだ
さて、現在快進撃が続いている韓国ヒョンデ。
一般の市販車、そしてその高級ブランド「ジェネシス」、さらにはハイパフォーマンスブランドの「N」、加えてエレクトリックブランド「アイオニック」など全方位に渡りその存在感を強めているといった状況です。
そして数年前から流れていたウワサが「ヒョンデがミドシップエンジン搭載のスーパースポーツを発売する」というもの。※結局その計画は実現していない
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ヒョンデの営業利益が前年比150%以上となり通年では初の1兆円超えとなるもよう。なおジェネシスはファッション誌「ヴォーグ」とのコラボを発表し快進撃が続きそう
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ヒョンデはずいぶん前からミドシップカーの開発を行っていた
なお、ヒョンデが最初にミドシップコンセプトを発表したのは2014年の「RM14」で、このRMとはレーシングミドシップの略で、RM15、RM16、さらにはRN30へと続きます。
そしてこれらの開発、ならびにヒョンデのスーパーカー計画を推進していたのはBMWにてM部門のボスを務め、その後ヒョンデに移ったアルバート・ビアーマン氏。
今回同氏が「なぜヒョンデのスーパーカー計画が消えてしまったのか」を語っているのですが、同氏はBMWでもスーパーカー計画に携わっており、しかしBMWでは上層部がスーパーカー計画を承認せず、代わりに発売されたのがプラグインハイブリッドカーのi8だったわけですね。
そして同氏はヒョンデへと移って(当然、ヒョンデはハイパーカーの開発を意図して同氏を引き抜いている)ヒョンデのハイパフォーマンスカー部門「N」を率いることになり、ここでもスーパーカー計画を推進することに。
そしてそのスーパーカーは、カーボン製バスタブシャシーに加えてハイブリッドパワートレインを持つ予定だったとされ、ヒョンデがリマックと提携したのはこのハイブリッドスーパーカーを開発することが主目的だったのだと思われます(ここには言及されていない)。
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なぜヒョンデのハイパフォーマンスカー計画は潰えてしまったのか
ちなみにこのヒョンデのスーパーカーは「会長車」と呼ばれていたらしいのですが、水素燃料電池も搭載できるように開発されていたといい(ヒョンデはトヨタ、BMWとともに水素を推進していた数少ない自動車メーカーだった)、しかしこの計画は中止され、かわりに市販されたのはフォルクスワーゲン・ゴルフGTIの競合となるコンパクトハッチ「i30 N」や「i20 N」。
カーボンシャシーを持つミドシップスーパーカーがなぜかいつのまにかコンパクトホットハッチへとすり替わってしまったわけですが、その理由は「予想市販価格15万ドルという金額にヒョンデの上層部が恐れをなしたため」だと見られています。
果たしてヒョンデはコナN、i20 N、ヴェロスターNといった「求めやすい」、市販車ベースのNモデルを発売することになりますが、アルバート・ビアーマン氏は「結果的にはそれで良かったのだろう」とも。
そして今、ヒョンデはエレクトリックモデルであるアイオニック5にも「N」モデルを追加しようとしていて、Nブランドの拡大展開をしようという段階ですが、アルバート・ビアーマン氏はBMWでもヒョンデでもスーパースポーツを作ることができず、そしてBMW Mが(M Sportなど)Mの名を使用したモデルを乱発しすぎていることに反感を抱いていたとされ、、しかし今ヒョンデでもBMWと同じようなことを行わざるをえなくなっているとう、ある意味では悲劇の人なのかもしれません(現在はN部門の代表を退き、ヒョンデにおけるハイパフォーマンスカーのアドバイザーを担当している)。
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参照:Top Gear