| まさか本当に発売できるとは思ってもなかった |
1898年に電気自動車メーカーとして創業されたイスパノ・スイザ(Hispano Suiza)。
しばしのブランクを経て、新型車「カルメン」とともに復活を果たしていますが、今回はそのカルメンに5台のみ限定の「ブローニュ」を設定し、バルセロナにて実車を公開しています。※本来は3月のジュネーブ・モーターショーにて公開するはずだったが、コロナウイルスの影響でそれが流れた
なお、このカルメン・ブローニュは通常のカルメンに比較してより軽量、そしてよりラグジュアリーかつスポーティーな作りを持っており、製造するのに12ヶ月を要する、とのこと。※下の画像は通常版のカルメン。かつて生産していたH6Cデュボネ・クセニアへのオマージュ
イスパノ・スイザはこんな会社
イスパノ・スイザは上述の通り、創業1898年という歴史ある自動車メーカーで、もともとは電気自動車の製造を目的に設立され、この際の社名は「ラ・クアドラ(創業者の名前がエミリオ・デ・ラ・クアドラ)」。
その後1902年にイスパノ・スイザ(このときの正式名称は「ファブリカ・イスパノ・スイザ・デ・オートモービル」)へと社名を変更していますが、このイスパノ・スイザという社名は、創業メンバーがスペイン人とスイス人であったことから「スペインの、スイスの」を意味するHispano Suizaを採用しています(かなり珍しい命名だと思う)。
ファブリカ・イスパノ・スイザ・デ・オートモービルは高級車(電気自動車ではない)の生産、航空機用エンジン、兵器の製造にて大きく成長し、1942年にはブガッティすら買収したほど。
ただしその後航空機は「ジェット機へ」と移ってゆくものの、イスパノ・スイザはジェットエンジンに対応できなかったために業績が悪化してサフラングループへと吸収されています。
現在自動車を展開しているイスパノ・スイザについては、おそらく(サフラングループ傘下の)イスパノ・スイザとは異なる資本を持つのだと考えていますが、実際はどうなのか不明です(資本関係が明かされていない)。※現在のイスパノ・スイザを率いるのは創業者のひ孫であるミゲル・スクエ・マテュー氏
イスパノ・スイザ・カルメン・ブローニュはこんなクルマ
そしてこちらがイスパノ・スイザ・カルメン・ブローニュ。
これは1920年代にイスパノ・スイザが製造し、当時のレース(ジョルジュ・ヴォワイヨ・カップ)にて同社に勝利をもたらした「H6クーペ(奥にあるクルマ)」へのオマージュなのだそう。※ブローニュは、このレースが開催されたフランスの都市の名であり、車名は「スペイン語+フランス語」
なお、このH6クーペのラジエターキャップにはコウノトリ。
イスパノ・スイザのエンブレムも翼を広げた図柄となっていますが、これは第一次大戦中に、イスパノ・スイザのエンジンを積んだ航空隊の紋章をモチーフにしたと言われています。
そしてカルメン・ブローニュのテールランプの中にもコウノトリ!
イスパノ・スイザ・カルメンはピュアエレクトリックカー
なお、このイスパノ・スイザ・カルメンは前後アクスルに一つづつモーターを持つピュアエレクトリックカーで、「標準モデル」のカルメンは1019PSを発生。
ただしこのカルメン・ブローニュはさらに出力が向上して1114PSを発生し、最高速度は290km/h、0-100km/h加速はなんと2.6秒。
エレクトリックシステムはQEVテクノロジーズから供給を受けている、とアナウンスされています。
カルメンそのものは19台の限定生産ですが、そのうちの5台がこの「カルメン・ブローニュ」。
ボディにはカーボンファイバーが多用され、クラシカルなベースモデルからアグレッシブな雰囲気へと変化していますね(ホイール含め、ボディの形状・デザインもちょっと違う)。
プロトタイプにはブロンズのアクセントが付与されており、しかし実際に納車される個体は「フルカスタム」になるといい、これはもともとイスパノ・スイザが貴族向けにオーダーメイドにてクルマをカスタムして収めていた歴史をなぞったものだとアナウンスされています。
イスパノ・スイザ・カルメン・ブローニュのインテリアはこうなっている
こちらはカルメン・ブローニュのインテリア。
クラシックさとテクノロジーが同居しており、ある意味ではゴシック調という雰囲気も。
外観自体がサイバーパンク、スチームパンク的なイメージを醸し出していますが、内装もその例に漏れないようです。
イスパノ・スイザ・カルメンの動画はこちら
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