ランボルギーニ・ウラカンLP610-4のインプレッション、リアフード編。
形状や開閉方法、構造についてもガヤルドとは大きな相違がある部分です。
構造について、ガヤルドでは「リアスポイラー内臓で、車体の最後部までカバーしていた」のに対し、ウラカンでは「リアスポイラー非内蔵で、車体最後部まで達していない」という差異があります。
これはけっこう大きな差異であり、リアスポイラーについてウラカンでは「スポイラーなしでも十分なダウンフォースが得られる」ことから採用が見送られています。
重要なのはリアフードの長さで、ガヤルドの場合はリアウイングを取り付けようと考えた場合、「リアフードが長いので」車体後部にウイングを取り付ける場所が残っておらず、リアフード上にしか取り付ける場所がありませんでした。
かつ、リアフードはキャッチ一個で留められており、強大なダウンフォースを発揮する(GTウイングのような)ウイングの場合はリアフードのみでは力を支えきれず、車体側にウイングのステーを取り付ける必要があり、そうなると今度は「リアウイングをはずさないとリアフードを開けることが出来ない」という非常に困った事態になるのですね。
ガヤルドの場合、開くのは赤線で囲んである部分。
可動式リアスポイラーまで丸ごと開きます。
おそらくこれはガヤルド開発時にモータースポーツ参戦や、ここまでガヤルドが売れてチューニングの対象になるとはランボルギーニが考えていなかったためと推測できます。
反面ウラカンの場合は開発時からスーパートロフェオやGT3などレース用車両の開発も考慮されており、そのためにリアウイングを取り付けた際にリアフードの取り外しを容易にするなどメンテナンス性も考えたのだろう、と推測します。
もしくは今後出てくるであろうスーパーレッジェーラなどハイパフォーマンスバージョンにおいては、リアウイングを車体後端に(アヴェンタドールSVのように)取り付け、リアフードを(取り外し式ではなくヒンジで)開閉できるようにすることを想定したのかもしれません。
※実際にNOVITEC TORADO/VORSTEINERはその方法でリアウイングを取り付けていて、リアフードも開閉可能
そのためにウラカンはガヤルドと同じく、リアフードのキャッチは一つなのですが、リアフードの後ろにちょっとだけスペースを残して開く(同じく開くの赤線で囲んである部分)こととなり、このスペースがあることでリアフード面積が小さくなるため、リアウイングを装着した状態でもリアフードを取り外すのが容易(ウイングの取り付け位置や角度によっては開閉すら可能)になっている、とも考えられます。
こちらはウラカンLP620-2スーパートロフェオ。
やはりウイングのダウンフォースが強力なのでリアフードではなく車体側にステーが固定されていますね。
参考までにガヤルドのリアフードはワイヤーでの開閉式だったので、エンジンオフ、電源オフでもレバーで開閉できたのですが、ウラカンからは電気式になっており、ACC電源オンでないと開閉スイッチを押しても動作しない(開かない)仕様に。
ぼくはガレージにウラカンを入れた後、冷却のためにリアフードをしばらく開放しておくのですが、エンジンを切る前にリアフードのキャッチをリリースしておく必要があるわけですね(電源まで落としてしまうとリアフードを開くことが出来ない)。
なおリアフードを閉じる際ですが、これはっけこうな力をもってフードを押さえながら勢い良く閉める必要があり、比較的大きな音が出ます(キャッチの力が強い模様。キャッチをリリースした場合にも、車体が揺れるほどの大きな衝撃がある)。
ガヤルドはリアフードが長いのでガレージ内でフードを開けるとフードの端が天井に接触していましたが(そのためにいつもウエスをフードと天井との間に挟んでいた)、ウラカンはフードが短いので天井に当たることはありません。