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ランボルギーニCEO「年間販売台数を1万台に制限する」。そのほか2025年に全車種ハイブリッド化、ル・マンのハイパーカークラス参戦についても言及

2019/07/12

| スーパーカーメーカーは成長しなくてはならないが、いたずらに販売台数を増やすこともできない |

ランボルギーニは2019年に8,000台以上の販売を見込むことになりますが、ステファノ・ドメニカリCEOによると、「今後、販売台数を10,000台までに絞ることで希少性を保つようにする」とのこと。

これは、先日ランボルギーニ本社に増設されたウルスのペイントブースお披露目の場で語られたもので、「我々は永遠に成長しなくてはならない。現在の成長を確固たるものとし、希少性も同時に保たねばならない」。

スーパーカーを売れるだけ作っていると「希少性が下がる」

スーパーカーは「売れるだけ作る」のではいずれ中古車が市場に溢れかえり、相場(価値)を下げてしまうという可能性を排除しなければならず、かつてエンツォ・フェラーリが主張したように「顧客が求めるよりも1台だけ少なく作る」ことが重要(同じ理由でフェラーリの限定モデルはX99台、といった感じで丸い数字から1台だけ惹かれている)。

現在ランボルギーニは成長段階にあり、まずは台数を伸ばすことで一定のシェアを拡大する必要があって、でないとマクラーレンやアストンマーティンに「一瞬で置いてゆかれる」ため。

そして台数を売る手っ取り早い方法は「中国に売る」ことですが、中国に売ると今度は事故などによってブランドイメージが毀損されることになり、ここは「痛し痒し」。

ただ、現在は中国以外の市場でも成長傾向にあるため、ランボルギーニは中国に「できるだけ売らない」ようにしている(中国に売らなくても成長できる)とも報じられます。

ウルスはランボルギーニの救世主

ランボルギーニは営利企業なので、「販売台数を伸ばさないといけないが、あまり売りすぎると希少性を損ない、かつ売る相手も選ばなければならない」というジレンマに数年前から陥っており、そこで出てきたのが「ウルス」。

ウルスは「SUV」なので、この台数を増やそうともウラカンやアヴェンタドールの希少性を損なうこと無く「全体での」販売台数を増やすことができ、また中国に売ったとしても、スーパーカーのようにバカをする連中も少ないと思われます。

よってウルスは「中国対策」という側面もあり、そのウルスの発売と販売増加によって、中国への販売台数は大きく伸びて日本を上回ることに。

アストンマーティンも、そのブランド初のSUV、DBXについて「中国からの要望がなければ作っていない」とも述べており、いずれのスーパーカーメーカーも「スーパーカーは中国以外へ、SUVは中国へ」という考え方を持っているようですね。

ランボルギーニの場合は、ウルスが60%程度の販売比率になりますが、このウルスも「売れるだけ作る」わけではなく、ある程度の制限をかける、というのが今回の趣旨。

なお、年間10,000台という上限を考えると、そのまま販売比率を当てはめた場合、ウルスは6,000台、そしてウラカンとアヴェンタドールとで4,000台を分ける、ということになりそうです。

そのほか、同イベントにてステファノ・ドメニカリCEO語ったところによると、「すぐにピュアエレクトリックスポーツを作る気はない」。
これは、「我々の顧客がピュアエレクトリックスポーツに興味がないからだ」としており、かわりに2025年には全モデルをハイブリッド化する、とも語っています(つまりウラカン後継、アヴェンタドール後継はハイブリッド)。

ランボルギーニはすぐには「ピュアEVをつくらない」

なお、ランボルギーニ属するフォルクスワーゲングループは「とにかくエレクトリック」という方向性。
ポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンはピュアエレクトリックモデルを順次発表していますが、そのなかで「ピュアエレクトリックを(すぐにて)作ろうとしない」ランボルギーニはグループ中枢にとってあまり歓迎すべき動向とは思えず、よって「グループの考え方に反する」という認識を持たれている可能性も(だからVWはランボルギーニを売却するのでは、というウワサが出てくる)。

そのほかランボルギーニは、アストンマーティンとケーニグセグが参加を表明している「ハイパーカークラス」への参戦も検討しているといい、これが実現するとランボルギーニのイメージも大きく変わりそう。

ランボルギーニはもともと社是として「モータースポーツ活動を行わない」というものがありましたが、ワンメイクレースの開催、そしてGT3クラス向けカスタマーカー提供などを通じ、徐々にモータースポーツへの関与を強化しています。

現在ランボルギーニでCEOを務めるステファノ・ドメニカリ氏は「もとスクーデリア・フェラーリのボス」ということもあり、よけいにモータースポーツへと傾注するのかもしれませんね。

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