| 予想外のGT-Rが出てきた |
日産が「GT-R誕生50周年」を記念し、イタルデザインとのコラボレーションによって誕生した「GT-R50 by Italdesign(ベースはR35 GT-Rの2018年モデル)」を発表。
日産はこれまで(オーテック経由で)ザガートとのコラボはあったものの、イタルデザインとのコラボは「初」だそう。
なおイタルデザインは現在ランボルギーニが株式を保有しており、フォルクスワーゲン傘下にあるデザインカンパニー。
ランボルギーニの前デザイナー、フィリッポ・ペリーニ氏がデザイン面での指揮を執っています。
日産によると「このモデルは次期型のGT-Rではありません。日産の技術力と日本のデザイン、そしてイタリアのコーチビルディングを結集して、両社の50周年を刺激的にクリエイティブな形で祝福したものなのです」としており、スタンドアローンのコンセプトモデルだと捉えることができます。
日産からのプレスリリースはこちら
実車は欧州で公開予定
今回公開されたのはあくまでも「デジタル」ですが、実車も公開される予定だとされますが、なんとも衝撃的なデザイン。
目をひくのはゴールドのパーツですが、「ゴールド」「ブロンズ」は最近高級車/ハイパフォーマンスカーでも多用されるモチーフで、ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテのホイールやエンジンヘッドカバー、ポルシェ911GT2 RSのホイール、そしてBMW コンセプトM8 グランクーペのアクセントカラーにも。
このGT-R50 by Italdesignのテーマは「リミットレス」つまり制約なし。
日産グローバルデザインを担当する専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサ氏によると「今まで何度も考えた、制約のないGT-Rが今、実現できるのです」とのこと。
なお、なぜイタルデザインなのかということについては、GT-Rと同じくイタルデザインも「50周年」を今年迎えたことが契機の一つであったようですね。
なお、イタルデザインはデザインカンパニーではあるものの、自動車の開発や製造能力を有しており、アウディQ2のエンジニアリングも担当。
「自動車メーカー」としての活動を開始することも発表しており、自社のクルマとしても「ゼロウノ(ゼロウーノ)」「ゼロウーノ・ドゥエルタ」を発表しています。
今回イタルデザインはGT-R50 by Italdesignの開発、設計、製造を担当し、内外装デザインはロンドン(日産デザインヨーロッパとアメリカ(日産デザインアメリカ)が担当。
1台2億円、限定5台のイタルデザイン「ゼロウノ」はすでに完売。次モデルはロードスター
50周年を迎えるイタルデザイン(ジウジアーロ)。その歴史と代表的な作品を見てみよう(1)
50周年を迎えるイタルデザイン(ジウジアーロ)。その歴史と代表的な作品を見てみよう(2)
GT-R50 by Italdesignの外装デザインはこうなっている
GT-R50 by Italdesignについて、日産によるとそのフロントにおける特徴は「ほぼ車両の幅いっぱいに広がる個性的なゴールドのインナーパネル」「ボンネット上のパワーバルジ」「シャープなLEDヘッドライト」。
なおボディカラーは「リキッドキネティックグレイ」、アクセントカラーは「エナジェティックシグマゴールド」、とのこと。
サイドだとベースよりも54ミリ低いフーフライン、R35 GT-Rにもあるフロントフェンダーのエアアウトレット「サムライブレード(そんな名前があるとは知らなかった)」に配置されたゴールドのパーツがデザイン状のアピールポイント。
ホイールサイズは前後とも21インチを採用しています。
リヤだと「フレアフェンダー」「R35 GT-Rよりも長く深いリアウインドウ」が目立つところ。
もちろん丸型4灯テールランプも継続され、これは「フロート構造」。
GT-R50 by Italdesignのインテリアはこうなっている
GT-R50 by Italdesignの内装は、ベースとなるR35 GT-Rのテイストを受け継ぎつつ、ドア内張りにはグロス/マット仕上げ二種類のカーボンファイバー、シートにはブラックのアルカンターラを採用。
メーターや、レーシングカーをイメージしたスイッチにも「エナジェティックシグマゴールド」を用いています。
ステアリングホイール、シートバックはカーボンファイバー製ですね。
面白いのはシート表皮にランボルギーニ特有の「Yアロー」が見えるところで、ここはさすがイタルデザイン、といったところです。
↓こちらはランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテのシート
GT-R50 by Italdesignのパフォーマンスはこうなっている
エンジンはR35 GT-Rと同じく3.8リッターV6(V6 VR38DETT)ですが、出力は大きく向上し720馬力へ。
エンジンそのものは「手組み」となり、GT-R NISMO GT3用のターボチャージャー、インタークーラーを装着。
そのほか「耐久性の高いクランクシャフト・ピストン・コネクティングロット・ベアリング、高流量ピストンオイルジェットと大容量燃料噴射装置を採用し、カムシャフト、イグニションシステム、吸排気システムも改良した」とアナウンスされており、「強化デュアルクラッチシーケンシャル6速リアトランスアクセルと、より強化されたデファレンシャルとドライブシャフト」を持つ、とのこと。
サスペンションについては「Bilstein DampTronic」採用の新設計、ブレーキシステムはフロント6ピストン、リヤ4ピストンを持つブレンボ製。
タイヤはミシュラン・パイロットスーパースポーツ(フロント255/35 R21、リヤ285/30 R21)を採用
GT-R50 by Italdesignのスペックはこうなっている
ボディサイズ:全長4784ミリ(4690)、全幅1992ミリ(1895)、全高1316ミリ(1370)※カッコ内はNISSAN GT-R NISMOの数字
エンジン:ニスモ製3.8リッターVR38DETT
出力:720馬力@7200rpm
ドライブトレイン:フロントエンジン/リアトランスアクスル4WD
トランスミッション」強化デュアルクラッチ6速シーケンシャルギヤボックス
サスペンション:Bilstein(ビルシュタイン) DampTronic
ブレーキ:ブレンボ製2ピースフローティングディスク(F:39.ミリ/R:380ミリ)/フロント6ピストン、リヤ4ピストン
ホイール:フロント21*10J リヤ21*10.5J
タイヤ:ミシュラン・パイロットスポーツ
タイヤサイズ:フロント225/35R21、リヤ285/30R21