| 今度は中国メーカーが有力デザイナーをヘッドハンティング開始? |
今年の6月にロールスロイスで7年間デザイナーを務め、そのうち6年はチーフデザイナーの地位にあったジャイルズ・テイラー氏が電撃辞任。
その際、理由については明らかにされず、「別のビジネスを追求」とだけ語られていましたが、なんと今回、中国の紅旗(HongQi)のグローバル副社長そしてデザイン主任に就任する、と発表されています。
紅旗を擁するFAWは中国最古の自動車メーカー
「紅旗」は中国FAW(中国第一汽車集団)の一つのブランドで、中国最古の自動車メーカーかつ「国有」自動車メーカーのひとつ。※FAWのウエブサイトはこちら
FAWはトヨタとも提携しており、クラウンベースの「H7」のほか、習近平主席がパレードにて使用した「L5」など、高級車や中国の要人向けの車をつくることでも知られます。
つまり前ロールスロイスのチーフデザイナーが、中国国有自動車メーカーのうち、最高級ブランドのチーフデザイナーに就任したということになりますね。
ジャイルズ・テイラー氏はここで中国という「国家ぐるみ」のバックアップを受けながらミュンヘンにアドバンスド・デザイン・センターの設立に力を貸すことになり、ここでハイエンドデザインチームを率いることになる、とのこと(自動運転車も対象)。
同氏はロールスロイスにてドーンやファントム、カリナンのデザインを行なっており、その実力は折り紙つき。
その実力をいかん無く発揮して紅旗を中国最高のみならず是界最高のクルマに仕上げるのがジャイルズ・テイラー氏の役割だと思われますが、豊富な資金を活用して「何を成し遂げるのか」は要注目、だと思います。
紅旗「L5」はこんなクルマ
なお、こちらは紅旗のフラッグシップ、「L5」。
その名の通り、フロントには「紅い旗」モチーフのデザインが見られます。
ヨンドゥみたいですね。
ウインカーも「旗」。
ホイールは「大中華」を感じさせるデザイン。
インテリアはこんな感じ。
今後は中国自動車メーカーに注意が必要
なお、これまでデザイナーの引き抜きというと韓国企業が有名で、キアの「ペーター・シュライヤー氏(初代アウディTTのデザインに参加)、ヒュンダイによるミーシャ・セリパノフ氏(ブガッティ・シロンをデザイン)、ルク・ドンカーヴォルケ氏(ランボルギーニ・ムルシエラゴやガヤルドをデザイン)、そのほかベントレーのデザインチームやBMWのデザイナー引き抜きが良く知られるところ。
しかしながら、今後は韓国企業だけではなく中国企業が有名デザイナーに対して興味を示す可能性が非常に高く、ヘッドハンターが水面下で暗躍するのかもしれません。