デュアルクラッチは段飛びシフトができない
ケーニグセグがアゲーラRSの後継モデル「Jesko(ジェスコ)」を公開。
その出力はなんと1600馬力で、アゲーラRSの1360馬力はもちろん、レゲーラの1500馬力すらも大きく超えています。
なお、「Jasko」はケーニグセグ創立者、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏の父親、ジェスコ・フォン・ケーニグセグに由来する、とのこと(ウワサされていた”ラグナロク”ではなかった)。
見た感じは「レゲーラとアゲーラの中間」といった感じで、ケーニグセグらしさを持ちながらもさらにアグレッシブに進化した、という印象です。
相変わらず「技術の見本市」
ケーニグセグ・ジェスコに使用されるエンジンはアゲーラにも使用されていた5リッターV8となり、標準ガソリンだと出力は1280馬力、E85ガソリンを使用すれば1600馬力へ。
ピークトルクは1500Nmで、ブガッティ・シロンの1600Nmには勝てないものの、2,700回転~6,170回転という幅広い回転域で1000Nmを超えるトルクを発生するといい、レブリミットは8,500回転(排気量を考えるとけっこう高回転)。
アゲーラRSからのパワー向上は180度フラットプレーン・クランクシャフト、新型インテーク、より大きなターボチャージャーによって達成されていますが、現在特許申請中の「エアインジェクション」もこれに貢献しているようですね(ターボにエアを注入し、ターボラグを解消する)。
ケーニグセグは「カムレスエンジン」「ダイレクトドライブ」等数々の独自機構を開発しているものの、さらに今回新しい技術を開発してきたということになり、クリスチャン・フォン・ケニグセグは「現代のブレゲ(たった一人で業界の技術を一気に進歩させた)」のようだ、とも思います。
ケーニグセグ・ジェスコには新開発の「光速」トランスミッションが装備
なお、ジェスコに採用されるのはダイレクトドライブではなく「9段ギアボックス」。
これもケーニグセグの開発によるもので「ライトスピード(光速)トランスミッション」と命名され、デュアルクラッチに似た「マルチクラッチ」を持つとのこと。
この構造はさておいて、大きな特徴は「段飛びシフト」ができることで、これはたとえば4速→7速、その逆も可能だとされ、この「段飛びシフト」は現在のデュアルクラッチにはできない芸当(トルコン式ATだと可能)。
そしてこのライトスピード・トランスミッション=LSTの操作は「2ポジションパドル」で行い、短いパドルを操作すると通常の1段づつの変速、そして長い方を引くと「加速に最も適したギア」をトランスミッションが自動選択するという仕組みだそう。
⠀さらにジェスコには「トリプレックス(Triplex)」ダンパーシステムも与えられ、これはエアロパーツの負荷に応じて車高を変化させることができるようですね(高速走行時にエアロパーツへの負荷がかかれば車高ダウン)。※レゲーラにはリアのみ、しかしジェスコは前後にこれを持つ
なおダウンフォースは最大「1000キロ」で、これはメルセデスAMG ONEの700キロ、マクラーレン・セナの800キロを超え、ブラバムBT62の1200キロ、アストンマーティン・ヴァルキリーの1400キロに迫る勢い。
さらに最近のスーパーカー/ハイパーカーには必須と言える「後輪ステアリング」も装備しており、一気に「ハイテクマシン」へと変貌を遂げたように思います。
なお、ケーニグセグ・ジェスコの最高速や車体重量、価格や納車時期は不明。
ただし時速275キロの時点でブーストは「40%」とのことで、標榜する「時速482キロ」も不可能ではないのかもしれません。
インテリアも全般的にアゲーラRSから大きく進化し、レゲーラに近いデザインも見られるようです(それは外装も同じ)。
ちなみにGフォースはちょっとレトロな感じのメーターにて表示が可能。