
| ケーニグセグのオーナーは「限られている」だけに告発はそのコミュニティから完全にはじき出されることを意味する |
ケーニグセグ・レゲーラのオーナーがSNSでケーニグセグ批判を展開
ケーニグセグがレゲーラの信頼性問題をめぐってSNS上で大きな騒動に巻き込まれており、ことの発端はザ・ハミルトン・コレクション(The Hamilton Collection )がInstagramへと投稿した内容です。※ハミルトン・コレクションは総額50億近いクルマを保有する著名コレクター
そこではケーニグセグCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグの画像を(暴君だと示すためか)サノスへと加工したうえで以下のように述べ、ケーニグセグ・レゲーラの信頼性へと疑問を投げかけることに。
「もう“サノス・フォン・ケーニグセグ”に沈黙させられるつもりはない。オーナーから寄せられる不満の量は、あなたの想像を超える」
CEOが異例の反応 ─「事実とは違う」
ケーニグセグは生産台数が非常に限られ、かつそれぞれのオーナーがほとんど情報を発信しないために「実際の車両を取り巻く環境」は謎に包まれた状態です。
そんな中、今回の「告発」ともいえる投稿は大きな波紋を投げかけ、これに対してケーニグセグCEOのクリスチャン氏はすぐに反論する動画を公開し、特に次の点について誤解を正しています。
サービスに「1か月入庫っしぱなし」は事実ではない
・レゲーラは「1か月間ずっとサービス入りしている」という主張
→ 実際には“3日前”にディーラーへ到着したばかり(記録上)
ジェスコの支払いが未完了
同じオーナーが注文している新しいジェスコの支払いが未完了のままだという点
→ 車両自体は完成しており、輸送準備も整っていると説明
オーナー側が再反論、泥沼化の様相へ
その後ハミルトン・コレクション側はさらにフォロー動画を投稿し、両者のやり取りは、SNSを中心に大きな注目を集めているというのが現在の状況ですが、ハミルトン・コレクションとしてはこの投稿で「得るもの」はほとんどないと思われ、さらには車両の所有や売却には今後不利が生じる可能性が高く、いったいなぜこういった投稿を行ったのは不明です(事実、よほど耐え難い不満があったのかもしれない)。
ケーニグセグCEOが認める点 ─「極限マシンゆえの複雑さ」
その一方、クリスチャンCEOは「ハイパーカーが持つ特性」として次の点を認めており、ハミルトン・コレクションを全否定しているわけではないようですね。
初期ロット車は問題が起きる可能性がある
・極めて複雑なメカニズム
・早期生産車にはトラブルの可能性
→ ただし、定期的なアップデートで確実に改善している
中古車購入が問題を複雑に
さらに重要な点として、
・オーナーのレゲーラは(ケーニグセグからの直接購入ではなく)中古車ディーラー経由
・3年間整備履歴がなく、重要なアップデートが未適用だった
という事実についても指摘しており、これはハイパフォーマンスカーにおいて信頼性に大きく影響するポイントであり、今回の問題をより複雑にしています。
まとめ ─ ハイパーカー時代における「新しい炎上」
今回の件は、
・SNSによるハイパーカーオーナーの告発
・メーカーCEOの直接反論
という珍しい事態でもあり、ブランドイメージにも影響を与えつつあるというもの。
一方で、ハイパーカーの極端な性能と複雑性、中古車市場での整備状況の不透明さなど、様々な問題も浮き彫りになっており(新車で購入していれば問題とならなかったのかもしれない)、ケーニグセグとハミルトン・コレクションとのやり取りは今後も注目を集めそうではありますが、現時点では「どちらの主張もそれなりに正しい」のかもしれませんね。
そして大規模所同社メーカーだとこういった問題を「スルー」できるのかもしれませんが、ケーニグセグのような少量生産者メーカーの場合だと「そうもゆかず」、今回の問題は様々な問題をはらんでいるようにも思います。
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