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ケーニグセグ、将来的に「手の届くスポーツカー」発売の可能性を示唆。気になる価格やパフォーマンス、その実現性とは

ケーニグセグ

| ケーニグセグ「シティカー構想」から広がる新たな可能性 |

ケーニグセグはあらゆる可能性を「否定しない」

今年初め、スウェーデンにてデザインを学ぶ学生が「ケーニグセグ・ヴァリエラ(Variera)」なるシティカー・コンセプトを発表し、その際にはケーニグセグ創業者、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏本人もプレゼンに参加したことが大きな話題を呼んでいます。

現実的に同社が小型都市型モデルを作る可能性は低いと見られていたものの、しかし直近にてカーメディア、CarBuzzの取材に答えたクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は以下のような興味深い発言を残しています。

「我々がシティカーを作るべきか? それは疑問です。ただし、もっとシンプルで手の届くスポーツカーを生産するアイデアは検討しています」

ポルシェ911と同じ価格帯の「ケーニグセグ」誕生?

つまり、シティカーそのものを手掛けることはなく、しかし一般人にも手が届く価格帯のクルマを生産することには興味を示しているということになりますが、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏自身も「もっとも記憶に残るスポーツカー」としてマツダ・ロードスター(NA)を挙げていて(実際に自身が創業前に乗っており、その時の個体を探し当ててつい最近になって”再購入”している)、けして同氏にとってはハイパーカー(あるいはメガカー)のみが興味の対象ではないもよう。

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さらには少し前に資本の注入を受けた際には「(少量生産ハイパーカーメーカーという立場を脱し)スーパーカーを量産する」というコメントを発しているので、「量産」に対しても強い要望があるのだと思われます(この資本注入について、その後どうなったのかはわからない)。

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もしケーニグセグの技術をポルシェ911や718ケイマンと同価格帯で提供できるとなれば、それは確実に魅力的な存在となるはずで、しかし現在「年間数十台のみの生産にとどまり、1台数億円で販売する」ケーニグセグの業態とは全く異なる転換が必要となるのもまた事実。

実際のところ、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏も以下の点について言及しており、「より安価なスポーツカー」は夢物語ではないものの、実現までには大きな壁があるといえそうです。

  • 年産数十台 → 数百台規模へ拡大するのは「全く異なる挑戦」
  • 工場拡張や生産効率化は進めているが「一気に100倍に拡大」は不可能
  • よって「一歩ずつ進めなければならない」

ジュニア・ケーニグセグに最適なエンジン

では、もし現実化するならどのようなパワートレインが候補になるのか?

有力なのはケーニグセグ独自のTFG(Tiny Friendly Giant)3気筒エンジンで、これにダークマター(Dark Matter)電動モーターを組み合わせれば、900馬力級のハイブリッドスポーツという線も見えてきます。

  • TFGは排気量2.0リッターで最大600馬力を発揮
  • 2ストロークとして作動可能で、直列6気筒のようなサウンドも実現
  • 軽量スポーツカー(1,300kg前後)に最適
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Image:Koenigsegg

これもしこういった構成が可能となれば、それはマクラーレン・アルトゥーラやポルシェ911ターボSに匹敵するパフォーマンスを持つ“ジュニア・ケーニグセグ”となることは間違いなく、全く新たな可能性を同社にもたらすこととなるのかもしれません。

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クリスチャン・フォン・ケーニグセグ自身が愛する「手の届く名車」

上述の通り、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏自身も日常的に初代マツダ・ロードスターを愛用していますが、興味深いのは彼の開発チームの半数もまた、歴代ロードスターを所有しているという事実。

さらにクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はGRヤリスを2台所有していた経験もあり、「小さくても走りの濃いスポーツカー」の価値を熟知しているものと考えてよく、この背景が「将来的な“手の届くケーニグセグ”の構想」につながっているのかもしれません。

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まとめ

現時点でケーニグセグが「安価なスポーツカー」を発売する具体的な計画は存在せず、しかしクリスチャン・フォン・ケーニグセグがその可能性を口にしたことは、ファンにとって大きな期待材料です。

  • 現在はハイパーカー専門メーカー
  • しかしMX-5やGRヤリスから得たインスピレーションも期待できる
  • 将来的にポルシェ911や718ケイマンと競合するモデル登場の余地あり

「ジュニア・ケーニグセグ」が誕生するその日まで、ファンとして夢を見続ける価値は十分にありそうですね。

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参照:Carbuzz

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