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ブガッティの中古相場が急上昇!ヴェイロン、EB110の値上がりが激しくEB110は7.3倍に。その理由、そしてブガッティの戦略的思考を考える

投稿日:2019/08/15 更新日:

| そこには綿密な戦略があった |

ブガッティの中古車が異常な値上がりを見せている、との報道。
たとえば、ブガッティが現在のフォルクスワーゲン傘下となる以前の体制にて発売された「EB110GT」は、2011年の相場であった約3400万円から、最近だと2億5000万へと上昇している、とのこと。
もちろん「ヴェイロン」の価格も上昇しており、近年の自動車業界においては「他に例のない」動きを見せているようですね。

これについては様々な理由が論じられていますが、主に「2つ」の原因があるというのが主な見方となっており、ここでそれらを見てみましょう。

ブガッティの「新車価格」上昇が中古相場を押し上げる

まず1つ目は、ブガッティの新車価格が上昇した、ということ。
現在の体制下において、ブガッティは2005年に「ヴェイロン」、2016年に「シロン」を発売しています。

ヴェイロンは「量産車ではじめて1000馬力を超える」「世界最速」を標榜して華々しく登場していますが、その価格もずば抜けており、なんと1億5000万円という価格設定。

ブガッティは10年かけて予定生産台数の「450台」を販売し、その後2016年には予定生産台数500台、そして1500馬力のシロンを発売。
そしてシロンにて驚かされるのはそのパフォーマンスよりもその価格で、約3億円という、シロンの倍となるプライスタグを掲げていたわけですね。

よって、この新車価格につられてヴェイロンの中古相場も上昇したということになりますが、ここで働いたのは、「ブガッティを新車で手に入れようとすると、3億円も必要」という心理状態。

じゃあ新車ではなく中古でブガッティを割安で手に入れようということになりますが、同じように考える人がけっこういて、「450台のうち、いくばくかしか存在しない」中古のヴェイロンに需要が集中し、中古相場を押し上げたのだという構造が再現されたわけですね。

そして、現在の「ブガッティ・オトモビル」社とは異なる、別会社の「ブガッティ・アウトモビリ」社の発売したEB110の価格までもがなぜ上昇しているのかということですが、これは「ヴェイロンとシロン、つまり現代のブガッティが、EB110を下敷きにしていたから」。

ミドシップ、クワッドターボ、4WDというパッケージングはEB110が初めて採用したもので、そして会社はことなれどヴェイロン、シロンはこれをベースにしており(流用パーツは無い)、よってEB110も現代のブガッティと強い関連性がある、という印象を市場が持ったということになりそうです(それを抜きにしても、EB110は素晴らしいクルマだと断言できる)。

なお、フロントグリルの馬蹄形デザインもEB110にて登場し、その後ヴェイロンとシロンとに継続された資産のひとつ。
つまりEB110がどれほどエンジニアリング的、デザイン的に優れていたかもわかります。

余談までに、このEB110を発売までこぎつけたのはイタリアの実業家、ロマーノ・アルティオーリ氏。
同氏はブガッティの商標権を購入してみごとEB110を蘇らせたということになりますが、強い自動車愛を持つ人物で、EB110のデザインについて、「馬蹄型グリル」を用いることを強く主張。

この馬蹄形グリルは、今とは異なる形で創業当時のブガッティに採用されており、ロマーノ・アルティオーリ氏はこの馬蹄形を「再現すべき」と主張し、しかしデザイナーのマルチェロ・ガンディーニ氏は「再現すべきではない」と主張。
両者の対立は収まらず、結局はマルチェロ・ガンディーニ氏がデザイナーを降り、馬蹄型グリルが再現されることとなっていますが、歴史が「馬蹄形グリルは正解であった」と証明しているのかもしれません。※ロマーノ・アルティオーリ氏はロータスを買取り、エリーゼを発売しているが、その際にも「E」で始まる車名という、ロータスの伝統を守っている

ブガッティの極端な「高価格戦略」がブガッティのブランド価値を上げた

そしてブガッティは「シロン」のほかにも「シロンスポーツ(3億5000万円)」「シロンスポーツ110Ans Edition(5億円)」を発売し、その新車価格をどんどん「上」に。

さらには6億2000万年と言われる「ディーヴォ」も発売していますね。

そしてトドメは自動車史上最高額の20億円とされるワンオフモデル、ラ・ヴォワチュール・ノワール」の発売。
これによってブガッティは「世界で最も高価なクルマを作るメーカー」という印象が出来上がり、かつ「ブガッティの新車価格はどんどん上がる=中古相場もどんどん上がる」という認識も植え付けられることになり、EB110、ヴェイロン、もちろんシロンの中古相場が軒並み上昇したのだ、ということになりそうですね。

フェラーリも同じ手法を採用している

そしてブガッティと同じ手法を先に採用していたのがフェラーリ(ランボルギーニも)。
たとえばフェラーリのV8モデルの価格について、360モデナ(1999)の新車価格は1810万円で、現行フェラーリV8モデルであるF8トリブートの価格は3245万円。

つまりは20年で1.8倍になっているわけですが、そうなると新車のフェラーリを購入するのが難しいから中古フェラーリをという話になり、それによって中古フェラーリの相場も上昇することに。

ただ、ブガッティ、フェラーリとも「いたずらに新車の値を上げている」わけではなく、その価格に見合う商品価値を提供するのはもちろん、「新車販売台数を制限することで」手に入りにくくしており、それによる中古市場への誘導も行っているわけですね。

つまり市場に飢餓感を形成しているということが共通項だと言えますが、これは人々が「欲しい」と考える製品を作っていることが前提(誰も欲しがらないモノで、この戦略は通用しない)。

フェラーリはかつて「フェラーリのエントリーモデルとは、中古フェラーリである」という発言を行っており、まさにそのとおりだと言って良さそう。
とにかく新車販売と中古市場とは密接に関係しており、「売りっぱなし」ではブランド価値を上げることができず、中古相場が上がらなければ新車価格も引き上げることができない(新車価格だけ上げて中古が安いと、皆が中古を買う。さらに安くでしか売れないクルマを高いお金を出して買わない)ということになりますね。

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