| トヨタは総合モビリティブランド、そしてレクサスはライフスタイルブランドへとシフト |
レクサスは先日、ブランド初のラグジュアリーヨット「LY650」を発表していますが、同時に「ライフスタイルブランド」への移行も発表しています。
もしかすると今後「自動車が売れなくなる(個人で所有せずにシェアされる)時代」が来る可能性を考慮し、自動車以外の道を模索しているのかもしれません。
なお、こういった「息の長い展開」ができるのは、トヨタの社長が代々「一族出身」であり、これからもそれが続くであろうことが関係している、と考えています。
というのも、スバルやホンダ、日産の社長は「雇われ社長」なので、すぐに結果を出さねば更迭されてしまう=目先のことしか考える余裕がない(自分の任期の先は考えない)という事情があり、これがロングタームで戦略を展開できない一つの理由かもしれません。
反面、トヨタの場合は、よほどのことがないと社長の座を追われることはなく、そして次も「一族」にその座を渡すことになるので、一族の反映を考えた「長期的視野に立った」行動ができ、すぐに結果が出ない事業の展開でも許容されるのだろう、と思うわけですね。
トヨタ/レクサスは「陸」「海」「空」を目指す
そんなレクサス/トヨタですが、今回高級ヨット「LY650」を発表した場にて、「次は空」という計画を語った模様。
レクサスが「ライフスタイルブランド」へ移行するのと同様、トヨタは自動車だけにとどまらない「モビリティブランド」への移行を考えており、「陸だけではなく、海、空をカバーする計画を持っており、ヨットを発表した今、次は空を目指す」という意図のようですが、これはすなわちトヨタブランド、レクサスブランドから「航空機」を発売する、ということになりますね。
レクサスが高級ヨット「LY650」発売。”ラグジュアリーライフスタイルブランドを目指す”と発表し、今後はクルマ意外も積極展開の意向
なお、現在のところその内容や「いつ」何が発売されるのかは不明ではあるものの、トヨタは以前に「空飛ぶクルマ」のテストを開始しており(飛ぶ前に墜落していますが)、空飛ぶクルマがその計画に含まれるのは間違い無さそう。
ホンダはジェット機の発売に55年を要している
その他考えうるのは「ホンダジェット」のようなパーソナルジェット機。
ただしホンダがこの計画をスタートさせたのは1962年であり、そしてようやく市販化にこぎつけたのは55年後の2017年。
ホンダがジェット機を発売するのにこれだけの時間を要したということを考えると、さすがのトヨタといえど一朝一夕にこれを実現するのは難しい、と思われます。
トヨタの盟友、スバルは航空宇宙産業を持っている
ちなみにトヨタと提携関係にあるSUBARUは、もともと「中島飛行機」なる航空機製造会社からスタートしており、かつては軍用機も生産。
ただし戦争に負けた後GHQから航空機の研究や生産を禁止されたために自動車産業へと転換したという過去を持ちますが(このときに富士産業へと組織変更)、さらにその後1953年にほか4社と合併して富士重工が誕生しています。
そしてこの頃からGHQによって禁じられていた航空機生産が可能となり、再度航空機の研究・製造を再開。
現在では自衛隊向けの航空機や無人機、警察や消防向けのヘリコプター、ボーイングやエアバス機の機体の一部を開発・生産しています。※SUBARUによる航空宇宙産業についての解説はこちら
よって、トヨタはもしかするとスバルと共同で航空機を開発する可能性があるんじゃないか、とも考えているわけですね。
もしこれが実現すれば、映画「MIB:インターナショナル」に登場した”QZ 618ギャラクティック・エンフォーサー・ジェット”、「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」で活躍した”スカイジェット”が現実となる日がくるのかもしれません。