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「FF/FR/4WDの違いは運転していてわかる」?まずわからないだろうなとボクが考えるその理由

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| 電子制御がそのクルマのネガティブ要素をカバーした結果、どの駆動方式でも挙動が同じに |

けっこう反響の大きい、WEBカートップの”クルマは「FFよりFRが楽しい」「4WDは安定する」などというけど一般人が公道を走っても違いは感じられる?”という記事。

結論から言うと「違いを感じることはわかりにくい」ということで、その理由としては「一般的なクルマはフロントにエンジンを積んでいる以上、クルマの動きにそう大きな差はない」。
もし違いがわかるとすれば「小回り」で、FRはタイヤの切れ角が大きいので小回りがきく、とも述べています。
そのほか、4WDはFF/FRに比較して「重い」ので、その重量差を感じる場面があるかもしれない、とも。

実際のところFF、FR、4WDの差はわかるのか

ぼくはこれまでFF、FR、FFベースの4WD、RR、MR、MRベースの4WDなど、およそ考えうる限りのレイアウト、そしてトランスミッションについてもMT、トルコンAT、シングルクラッチ、デュアルクラッチといったものを(自分のクルマとして)経験しています。

そういった経験から、FF、FR、4WDの差がわかるか?と聞かれると、やっぱりぼくの意見としても「そんなもんわからん」。※公道を合法に走る限り

とくに、「FFと4WD両方がラインアップされている」トヨタ・カローラやクラウン、ホンダ・ヴェゼル、マツダ3などは、FFと4WDを乗り比べてみても、その違いを感じ取るのは非常に困難。
駆動方式が異なっていたとしても、基本パッケージングそのものが同じなので挙動に変化がまず出ない、ということですね。

そしてこれらの「違い」をわかりにくくしている要因の一つは「電子制御」。
これによってそのクルマ本来の挙動が表に出てこず、安定志向にセッティングされているので、FFでもFRでも4WDでも同じような動きをする、と捉えています。

FFにはこういった特徴がある

そこで駆動方式別に考察してみたいと思いますが、FFとは「フロントエンジン・フロントドライブ」。
前にエンジンがあって、前のタイヤが車体を引っ張り、前のタイヤで曲がる、というもの。

昔のFFは「引っ張られる」感が強く、かつ加速時にジャダーが出たり(レイアウトの関係で、左右のドライブシャフトの長さが違う場合が多く、高回転時にはこの差が出る)、エンジンをブン回しながらカーブを曲がっているときにアクセルを抜くと「タックイン」なる、ノーズが内側を向くという現象がよく見られたものですが、最近のFFではこれが皆無。

加えて、コーナリング中に加速すると前輪の回転によって車が「引っ張られる」ので、コーナーの出口ではなく「ノーズの向いている方向に」車体が引っ張られる「どアンダー」が出る傾向があったわけですね。

ですが、現代ではマツダ車(の一部)だと、こういったクセを消すための「G-トルクベクタリング」が搭載されていて、そもそも「その車本来の」動きをしないという車種もあり、これもFFらしさが近代のクルマでは感じられない理由の一つです。

ちなみに、プジョーやシトロエンが持つ「アドバンスド・グリップコントロール」は、FFであっても(後輪を滑らせない、前輪のトルクを確実に推進力に変換することで)4WDのような安定性を実現するものですね。

FRにはこういった特徴がある

FFに比較すると、「あっ、この瞬間がFR車だね」というのがわかりやすいのがFR(それでも簡単にFRらしさが顔を出すものではない)。
現代だとトヨタ・クラウンやトヨタ86/スープラ、スバルBRZ、マツダ・ロードスター、レクサスの一部などが代表的なFRですが、FFに比較するとバリエーションや味付けの幅が広いのがFR。

FRは室内空間を最大限にするために採用される駆動方式なので、ミニバンやコンパクトカーといった、「走りを意識していない」クルマに多く、いずれも安定志向。

ただ、FRの場合はクラウンのような高級車から86のようなピュアスポーツまでが存在し、クラウンの場合は挙動をマイルドに、しかし86だと操作に対する反応をセンシティブに設定していて、同じメーカーのFRでも「全然」性質及び存在する目的が違います。

よって、86は意図的にブレークする(させる)ようなセッティングを持っていて、「アクセルを踏まないと曲がらない」「アクセルを踏みすぎるとテールがスライドする」という、FFにはない特性を持っていて、国産車だともっともFRらしさが感じられるクルマ。※とくに上り坂でのカーブはFFとはまったく異なる挙動を示す

一方でマツダ・ロードスターはかなり安定志向な味付けがなされたクルマであり、姿勢がブレークするだけのパワーも持ち合わせておらず、よって(通常の走行では)FRらしさが感じられず、このクルマがFFだと言われても信じてしまうほど。

クラウンやレクサスは非常に安定性が高く、こういった高級車は、アンダーステアが出ると内輪にブレーキをかけてクルマを内向きにする制御を行う場合が多く(そのあたりトヨタやレクサスは細かいことは公開していない)、よってこれも本来のFRらしさがほぼ感じられないクルマたち。

レクサスだとISやGSはFR(4WDもある)、ESはFFですが、これらを乗り比べても「操作に対して同じ反応をするように」しつけられているため、正直差は感じられないという印象を持っています。

ちなみにGRスープラも非常に安定志向であり、普通に走っている範囲では「4WD」と言われてもわからないレベル。

4WDはこういった特性を持つ

かつて4WDは「曲がらない」という特徴があり、それは前輪と後輪との回転差を制御するシステムがなかったり、コーナリング中にアクセルを踏むとFF的に「引っ張られる」性格もあったため。
ただ、トラクションに優れるという理由で4WDを採用するメーカーが多かったわけですが、近年の4WDは(ポルシェ959や、日産R32 GT-Rに端を発する)前後可変トルクシステムを持ち、FFとFRの良いとこ取りができるように。
さらに4WDならではのトラクションも加わることになって、まさに現代では無敵の駆動方式。

トヨタはRAV4から新しい4WDシステムを導入していますが、これはジャガー・ランドローバー、メルセデス・ベンツ、BMW、VW、ポルシェやランボルギーニ同様に「左右」間でのトルク配分も自由にできるように進化し、つまり「4輪が状況に応じて適切なトラクションを稼ぐ」ということになります。※ホンダのSH-AWDも同じシステム

BMWやメルセデスAMGの場合だと、ドライブモードの設定によって「後輪が滑らない」「後輪が滑る」といった変更もできるようになり、もうここまで来ると駆動方式を問うこと自体がナンセンスのようにも。

現代のクルマにおいて重要なのは、駆動方式ではなく、操作にどう反応するか

まとめると、そもそも現代のクルマは、FFだろうがFRだろうが4WDだろうが、必要な駆動輪に必要トルクを配分するようになっていて、滑りそうになればそのタイヤが滑らないように個別にブレーキをかけて姿勢を安定させるという制御を持っています。

その結果、駆動方式はどうあれ「踏めば滑らず、同じように加速する」「ハンドルを切ってアクセルを踏めば、同じように曲がる」ようになっていて、もう本来の姿なんぞわからなくなっている、ということですね。

ただ、こういった制御のおかげでぼくらは安心して速くクルマを走らせることができていて、これがなければとうてい「何百馬力の」クルマを公道で走らせることはできないのもまた事実。

そして「FRが楽しい」ということについてですが、何をもってその人が楽しいと感じるかどうかという問題であり、テールスライドを楽しいと感じる人もいれば、インベタでグイグイ引っ張られる超速オンザレールを楽しいと思う人もいるはず。
よって、運転が好きな人、高い運転技術を持つ人が必ずしもFRを好むわけではない、とも考えています。

ちなみにぼくがもっとも好きな駆動方式は4WDで、その次がFF、そしてFR。
エンジン搭載位置だとミドシップ一択です。

 

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