| 時代はもう”高級SUV” |
さて、ここ数日各自動車メーカーが「2019年の北米における販売状況」を公開していますが、なんとアウディでは、そのスーパースポーツ「R8」の2019年における登録台数が2018年の927台から38%も減少して574台に落ち込んだ、とのこと。
なお、アウディR8はフェイスリフトによって大幅パワーアップしたうえにそのルックスがアグレッシブになり、しかし販売が落ち込んだということは「フェイスリフトは失敗だった」ということなのかもしれません。
ちなみにアウディR8は「もっとも検索されたクルマ」ナンバーワン、そして「もっともインスタグラムに投稿されたクルマ」ではランキング2位。
これだけ世間の関心が高いのに「売れていない」というのはちょっと不思議な現象でもありますね。
世界で最も検索されたスーパーカーは「アウディR8」!以下「ブガッティ・シロン」、ランボルギーニ・アヴェンタドール、ヴェイロン、ウラカンの順。日本でもやはりR8の検索ワードが最多
インスタグラムでもっとも投稿されているスーパーカーは?1位はランボルギーニ・アヴァンタドールなるもフェラーリはベスト15に最多の4台を送り込む
なお、「人気があるのに売れていない」のは日産GT-Rも同様で、こちらも2019年の販売は2018年に比較して「-38.1%」。
こんなはずじゃなかった!日産の2019年は惨憺たる結果に終わり、なんとGT-Rが「もっとも販売を落とした」モデルに。フェアレディZも-31%を記録し、このままでは後継モデルが望めない状況
スポーツカーはもうオワコン
そしてアウディR8、日産GT-Rだけではなく、ほかにもスポーツカーだと日産フェアレディZは-31%、スバルBRZは-39.1%、ポルシェ718ボクスター/ケイマンは-26%。
ポルシェの主役はもはやカイエン!2019年の北米では36%の構成比。一方718ケイマン/ボクスターは26%も販売が下がり影響力を失う
とくにポルシェ・ボクスター/ケイマンは新グレードの追加など様々な手を打っているにもかかわらずこの数字なので、もはや「スポーツカーは何をやってもダメ」なのかも。
逆の視点だと、「なにもしなくても変わらない」ので、日産のように放置しておくのもひとつの手なのかもしれません。
スバルの2019年北米販売は2.9%増。とくにアセントが129%増を記録し、もはや成長は”SUV頼み”。一方でBRZは39.1%のマイナスに
こういった状況を見るに、アウディが「次期R8はない」というのもうなずけるものの、反面「現行モデルのみで終了」と宣言されたTTは販売3%と微増(こちらもフェイスリフトを行っているが、それでも現状維持レベル)。
ただし総数としては1,324台なのでけして多いとは言えないレベルでもありますね。
アウディ各モデルの販売状況はこうなっている
ここでざっとアウディ各モデルの販売と前年比を見てみたいと思いますが、圧倒的にSUVが強いというわけでもなく(それでも最多販売モデルはQ5)、けっこうバラバラ。
なお、全体としては0.4%の成長を記録しています。
A3・・・10,418台 前年比 -41% A4・・・26,435台 前年比 -24% A5・・・23,023台 前年比 -11% A6・・・17,807台 前年比 69% A7・・・4,955台 前年比 29% A8・・・2,963台 前年比 85% e-tron・・・5,369台 Q3・・・14,822台 前年比 -12% Q5・・・67,516台 前年比 -4% Q8・・・14,256台 前年比 603% R8・・・574台 前年比 -38% TT・・・1,324台 前年比 3% |
これを見るとA4やA5、A6もけっこう売れているということもわかり、Q3やQ5といったSUVはマイナス成長。
おそらくSUV市場全体としては成長しているのだと思われますが、市場自体がレッドオーシャンとなってしまい、「一台あたりの」シェアが減ってしまったのかもしれません。
そしてQ8は前年比603%という驚異の成長を見せていて、これはおそらく「昨年は通年で納車できていなかったため(ニューモデルなので)」。
にしても14,256台という「A3よりも多い」台数を販売しており、高級SUVの需要はここまで高かったのかと驚かされます。
VIA:Audi