| ライフスタイル系アイテムの収入はバカにならない |
ランボルギーニが、カーメディア「Motor und Sport」の選出するベストカー2020にウルスが選ばれたということ、フィレンツェのレザーグッズメーカー「プリンチペ(Principe)」とパートナーシップ契約を結んだ、と発表。
まずはウルスの方ですが、これは「ラージSUV/オフロード」というカテゴリにおいての快挙であり、数々の競合を打ち負かしての栄冠だそう。
ウルスはランボルギーニの販売を大きく押し上げた立役者でもありますが、実際に売れているということはそれだけの理由があり、今回の受賞については、その理由が客観的に示されたと考えて良いのかもしれません。
ランボルギーニは「ライフスタイル系アクセサリ」を拡充
そしてプリンチペとのパートナーシップですが、これはライフスタイル系アクセサリ拡充の一環。
ランボルギーニは現在オンライン、実店舗両方にて「ランボルギーニストア」を展開していて、ここではアパレルやバッグ、アクセサリーなど幅広い製品が販売中。
そのラインアップは年々拡大していて、さらにはコラボレーション先も多様化しています。
現在のところ、スニーカーではミズノ、スーツケースではテクノモンスター、レーシングエクイップメントであればOMPとの提携が知られるところですが、腕時計ではロジェ・デュブイとのダブルネームが展開され、つい先日はデンマークの子供服ブランド「KABOOKI」とのパートナーシップを発表し、今回はプリンチペとのコラボを発表。
こういった背景には「将来的にクルマが販売できなくなる」ことへの対応があるのだと思われ、今のうちにブランド価値を高め、その高められたブランド価値をもってライセンスビジネスや、クルマ以外の製品を販売する計画なのだと思われます。
実際のところフォルクスワーゲン傘下にある各ブランドは同様の方向性を見せていて、ポルシェも「クルマが売れなくなる」という危機感のもと別ビジネスの可能性を探っていることを明言していますね。
ブガッティはあえて時代に逆らって「行けるところまでガソリンエンジンで行く」ことを決め、将来的に何十年、何百年というタームで見たガソリン車の希少性をコアバリューにする模様。
ブガッティCEO「あと10年はW16エンジンを存続させる。そうしてブガッティはコレクターズアイテムとなり、芸術品に昇華するのだ」
ランボルギーニはもちろん「自然吸気V12/V10」というところが中心的価値であり、これを他のスーパーカーメーカーとの差別化要因としてブランド価値を高める意向を示しています。
ちなみにフェラーリは先日アルマーニとのコラボレーションを発表していますが、やはり利益構造の転換を意識していて、ひとまずは利益の10%をライフスタイル系の製品で占めるようにしたい、とも。※現時点で、フェラーリでは車両以外の売上は22%を占める
ランボルギーニ×プリンチペにはこんな製品がある
そして今回の「ランボルギーニ×プリンチペ」ですが、バックパック、トロリー(スーツケース)、バッグ、財布、ベルトなどを展開予定。
すでにいくつかはランボルギーニストアでも購入が可能です。
これらはランボルギーニの正規ディーラーでも購入ができるほか、一部百貨店や免税店、飛行機の機内販売でも購入ができるとのことで、ランボルギーニはどんどん販路を広げている、ということになりそう。
そしてこういった製品を「オーナーだけではなく非オーナーの人にも購入してもらう」ためにはもっと世間一般への知名度を浸透させブランドイメージを高めてゆく必要がありますが、そのためにもランボルギーニは「より魅力あるクルマづくり」が必要になるのだと思われ、しかしこれは「将来、クルマに頼らなくてもいいように今現在クルマを売る」という矛盾を秘めているのかもしれません(これはランボルギーニだけではなく、すべての自動車メーカーに対して言える)。
ちなみにオフィシャルフォトに登場するウラカンは特別な仕様を持っていて、マット仕上げのダークブルーにシルバーの前後アクセント入り。
カーコンフィギュレーターではこの仕様を選択することができないので、おそらくはアドペルソナムで「フルカスタム」した車両なのでしょうね(ガヤルドに設定された”ノクティス”っぽいカラーリング)。
VIA:Lamborghini