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アストンマーティンが既存モデルのV8を新開発のV6ハイブリッドへ入れ替えると明言。DBX、DB11、ヴァンテージが対象となり、旧エンジン搭載モデルは中古市場で価値下落も

2020/04/27

アストンマーティン

| アストンマーティンはいつも大胆な選択を行う |

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アストンマーティンは現在、「ツインターボV6エンジン+ハイブリッド」を開発中と伝えられますが、その完成後には(現在使用している)メルセデスAMG製のV8ツインターボエンジンを捨て、このV6ハイブリッドに置き換えるとの報道。

これにはいくつかの理由があるようですが、大きなものとしては「小排気量のコンパクトなエンジンへ」メルセデスAMGが移行しようとしていること。

端的に言うとメルセデスAMGは今後V8をやめて直4エンジン(+ハイブリッド)に置き換える可能性があり、となるとV8エンジンの供給がストップして4気筒に切り替えられる恐れがあって、しかしアストンマーティンとしては「自社のクルマに4気筒エンジンなぞ積みたくない」という考え方を持っているようですね。

なお、随分前に、各社揃ってダウンサイジングターボへと動き始めた頃、アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏は「誰が4気筒エンジンを積んだアストンマーティンに乗ろうと思うだろうか」ともコメントしているので、とにかくアストンマーティンは「小型エンジンを嫌う」傾向があるとも言えるのかもしれず、そのために自社でエンジンを開発することに決めたのだと思われます。

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やはり他社製エンジンを使用するには色々なしがらみが?

そのほか考えられる理由としては、やはりメルセデスAMGからなんらかの制限をかけられているであろうということ。

つまりメルセデスAMG側が、アストンマーティンに対してエンジンそのものの改造を禁じたり、メルセデスAMGを超える出力を持たせることをしないということで、これはアストンマーティンにとってかなりなストレスかも。

実際に新開発の「V6ハイブリッド」は現在のメルセデスAMG製V8ツインターボの出力を超えると語っているため、やはりメルセデスAMG製エンジンには不満があるのかもしれません。

なお、そのエンジン(エキゾースト)サウンドについては「気に入らない」とキッパル断じていますね(よってサウンドチューニングを施しているが、この程度の自由度は許されているようだ)。

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そしてアストンマーティンはレッドブルとのパートナーシップ関係にあり、これまでは直接F1に参戦していなかったものの、今回ローレンス・ストロール氏の出資を受け入れたことで、レーシングポイント経由にてF1参戦を果たすことに。

さらにアストンマーティンは「レッドブルとの関係性も継続」と語っていて、つまりメルセデスAMGは、F1上でのライバル2チームと関係性を持っているということになり、これはメルセデスAMGとしても面白くないかもしれません。

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どうなるメルセデスAMGとの関係性?

そこで気になるのがメルセデスAMGとアストンマーティンとの関係性。

エンジン供給停止を機にバッサリ関係性が切れることも考えられるのですが(両者ともそうしたいのだとは思う)、ただ、アストンマーティンが現在採用している車両制御系や電装系はメルセデスAMGから技術提供を受けたもの。

明確にこれがアナウンスされているわけではないものの、実際に両者に乗ってみるとスイッチの配置やその役割については明らかな共通性があることがわかり、現在のアストンマーティン各車には「かなり隅々まで」メルセデスAMGの血が流れている、と考えて良さそう。

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これまでにV8エンジン搭載モデルを購入した人は?

そして今回の報道では、現在V8ツインターボエンジンを採用しているモデル、つまりDBX、DB11、ヴァンテージにはこの「新型V6ハイブリッド」が採用されるとしていますが、そうなるとちょっと問題となりそうなのが「すでにメルセデスAMG製V8ツインターボエンジン搭載車に乗っている人」。

V6ハイブリッドのほうがパワフルで環境性能が高いとなればV8ツインターボエンジンの存在意義はなく、かつアストンマーティンが「切り捨てた」エンジンを積むクルマということで中古市場での価値が下がることも考えられます。

こういった状況はユーザーにとって頭の痛い問題でもあり、これを機に「アストン離れ」を起こすユーザーも出てくるかもしれず、V6ハイブリッドへのシフトは様々な問題を含んでいるのかもしれません。

VIA: Autocar

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