| ただしコロナウイルス前に比較すると7%下落、しかしフォードは43%も下落 |
さて、米フォーブスによると、「フェラーリの株価は、コロナウイルスの影響下においても目覚ましい反発力を見せている」。
記録的な下げ幅を見せた3月23日以降、フェラーリの株価は21%以上も上昇しており、フォードやGMよりもずっと大きな値上がりを見せている、と報じています。
なお、年初来の数値だとフォードは43%、GMは36%下げているものの、フェラーリの株価はわずか7%下げたのみにとどまり、この理由としては、JPモルガンのアナリストの言を引き合いに出して「フェラーリの財政基盤は強固であり、ラグジュアリーカーメーカーとしての郵政があるため」だと説明しています。
ちなみにトヨタの株価は年初来で12%、ホンダは20%下げており、この数字を見ても、や「その会社の基盤の強さ」が大きく影響しているようにも見えますね。
先日、フェラーリの営業利益率は23.2%、トヨタは8.5%、ホンダは4.4%、GMは4%、フォードは0.4%だと紹介しましたが、年初来株価の維持率はまさにこの順番のとおりとなっていて、株式投資において「いかにその会社の利益率を重視すべきか」ということも思い知らされます。
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フェラーリの需要は供給を上回る
さらに同アナリストによると、「フェラーリの需要は供給を上回っており、せっかく注文したフェラーリをキャンセルしようなどと考える顧客はいない」、つまり今回のコロナショックによるキャンセルが発生していないことについても言及(日本も同様であることは既報の通り)。
っこのあたりはまさに「顧客が求めるよりも、常に一台少なく作る」というフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリの信念が貫かれているがためなのかも。
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しかもフェラーリは受注の際に顧客からの「保証金」を申し受けていることにも触れ、注文の入っていないクルマを大量に生産し続けて在庫を抱えることになるであろう量産車メーカーとは根本的に構造が異なること、生産したクルマはすべて納車先が決まっているために「必ず(フェラーリが)現金化できること」を改めて強調し、その上でフェラーリ株は”買い”だとも。
現在株式市場は見通しが立たず、コロナショックを切り抜けたとしても、その先に待ち受ける「コロナ後」については誰もが予想できない世界でもあります。
もしかすると産業構造が大きく変わったり、コロナ前の常識が通じなくなったりすることもあるかと思いますが、それが自動車業界にどういった影響を及ぼすのかは不透明。
ただ、モルガン・スタンレーはそういった「不透明な将来」においても、フェラーリは安定したリターンをもたらすとコメントしており、さらには投資銀行であるバンカIMIも「困難な状況においても、強い需要に支えられ、フェラーリは今後も高い収益性を維持し、182ドル付近まで上昇する」と見積もっており、いずれもフェラーリの高い成長性を保証しているようですね。
なお、ウォールストリートのアナリストが下す評価だと、フェラーリの「買い」は16、「待ち」は5、「売り」はたったの2しかないとされ、懸念があるとすれば、欧州や米国の都市機能や生産が一時的に停止している影響にて、4月から5月にかけてサプライチェーン問題に遭遇し、生産および納車台数に影響が出る可能性がある、というものにとどまるようです。
つまりはそれ以外の懸念はなく、まさにフェラーリはコロナショック下においてもその影響力を失っていない、ということですね。
VIA:Forbs