| 価格は不明なるも、「億」は間違いなさそう |
イタリアのカロッツェリア、ザガートが「イソ・リヴォルタGTZ」を発表。
これは1963年に登場した「イソ・リヴォルタA3(Iso Rivolta A)」へのオマージュとなりますが、イソ・リヴォルタA3はちょっとややこしい経歴を持っています。
もともとのイソ・リヴォルタA3を企画したのはイタリアの自動車メーカーである「イソ社」で、この創業者であるレンツォ・リヴォルタの「高い性能を持つGTカーを作りたい」という要望、(元フェラーリのチーフエンジニアだった)ジオット・ビッザリーニの「レーシングカーを作りたい」という要望とがマッチして誕生することになったと言われます。
イソ・リヴォルタA3は「イタリアとアメリカとのハイブリッド」
ただ、どういったわけか「イソ・リヴォルタA3」としてスタートしたプロジェクトは後に「ビッザリーニ5300GT」として1964年にビッザリーニ名義にて発売されることになり、その後1968年まで生産されることに(生産台数は100台程度とされる)。※イソ社の資金が足りなくなり、プロジェクトがビッザリーニへ移管されたという話も。さらに興味深いのはエンジンにシボレーの5.4リッタースモールブロックを採用したことで、出力は365~400馬力を発生したとも言われる
全長は4,460ミリ、全幅1,760ミリ、全高1,120ミリというサイズを持ち、当時としてはけっこう大きな車で、その理由としてはやはり当初の「GTカーとして使える快適性」が考慮されたからなのかもしれません。
そして今回発表されたイソ・リヴォルタGTZは当時のイソ・リヴォルタA3のオマージュだけあって共通する意匠も多く、丸形ヘッドライトやその間にある二分割横長グリル、ボンネット上に設けられた2つのエアアウトレットなど「まんまイソ・リヴォルタA3」。
さらにはフロントフェンダーサイドのエアアウトレット、Cピラーとその上にあるダクト、盛り上がったリアフェンダーにテールエンド(段差や丸形テールランプなど)にも関連性が見られます。
なお、ルーフはザガート特有の「ダブルバブル」ではなく、しかしこれはオリジナルのイソ・リヴォルタA3への「敬意」のあらわれなのかもしれません。
そしてイソ・リヴォルタA3への敬意といえば「エンジン」で、当時イソ・リヴォルタA3が「イタリア製の車体にアメリカ製エンジン」を積んだクルマだったのと同様、イソ・リヴォルタGTZに積まれるのもまたアメリカ製エンジン。
具体的にはシボレー・コルベットZ06に積まれる6.2リッターV8スーパーチャージャーで、ザガートではこれを6.8リッターにまでボアアップしているとのことで、今回出力は明かされていないものの、もともとのコルベットZ06が659馬力を発生するだけに「800馬力」はカタそうです。
なお、このザガート・イソリヴォルタGTZは19台のみの限定販売となり、すでに10台は販売済み。
最初のデリバリーは10月になされる、とのこと。
参照:Zagato