Image:PREMICO
| モータースポーツ史上、このアリタリアカラーはJPSやマルティニ、ガルフと並ぶ「アイコン」でもある |
残念ながらアリタリア航空の消滅により、このカラーをモータースポーツで見ることはもうできない
さて、セイコーはこれまでにも自動車との様々なコラボレーションを実現させており、過去にはホンダのF1マシンやNSX、日産GT-R、イタルデザイン等のコラボウォッチが発売されていますが、今回はなんと「ランチア・ストラトスの誕生50周年」を記念してアリタリアカラーの文字盤を持つ腕時計を発売することに。
そしてこの腕時計はランチア・ストラトスがデビューした1974年にちなみ「1,974本のみ限定にて」65,780円にて販売が開始されています。
Image:PREMICO
ランチア・ストラトスはこんなクルマ
このインスパイア元となったランチア・ストラトスは(ランボルギーニ・カウンタックのデザイナーとして知られる)マルチェロ・ガンディーニによってデザインされていますが、もっとも大きな特徴は「ラリー競技のレギュレーションにあわせて設計されていること」。
つまり、当時ランチアは「市販車を改造してラリーに参戦する」のではなく、ラリー競技で勝てるレーシングカーを設計し、参戦のためのホモロゲーションを取得するために市販車を製造するという「逆転の発想」を用いたわけですね。
Image:Lancia
かくしてランチア・ストラトスは当時のいかなる市販車とも異なるデザインそしてプロポーションを持ち、とんでもなくコンパクトな全長(3,710ミリ)、それに比較してワイドな全幅(1,750ミリ)というディメンションを持つに至り、ミドシップレイアウトと相まって非常に高い旋回性能を誇ることとなりますが、実際にラリーにおいても圧倒的な戦闘力を示しています。
ただ、惜しむらくは製造工場が火事に見舞われ、生産設備が焼失したことで「ごく少数の市販モデル(ストラダーレ)」しか市場に出回らなかったことで、しかしそれもランチア・ストラトスのドラマ性を高めることに役立っているのかもしれません。
ランチア・ストラトスを彩った「アリタリア」カラーとは
そしてこのランチア・ストラトスをいっそう有名にしたのがこの「アリタリア」カラー。
実際にこのカラーをまとい競技を走った期間はそう長くはなく、しかしほとんどの人が「ランチア・ストラトス=アリタリアカラー」を連想すると思います。
つまりはそれほどインパクトがあったのがこの「アリタリア」カラーではありますが、このカラーリングは当時のスポンサーであったアリタリア航空(その名称は”翼”を意味するアリ、そしてイタリアとを組み合わせている)が採用していたもので、航空機だと1969年のボーイング747から採用されており、「Alitalia」の頭文字である「A」が(機体下地のホワイトとともに)イタリアンカラーにて示されていることがひとつの視覚的な特徴です。
Image:PREMICO
今回の腕時計においてもその象徴的なグラフィックが見事に再現され、ひとめで「それ」とわかる仕様となっています。※残念ながらアリタリア航空は経営破綻によって消滅している
さらには6時位置のサブダイヤルの針には(ランチア・ストラトスが装着していた)ゴールドのホイールを連想させるカラーが用いられるなど、非常にマニアックな仕様を持っています。
Image:PREMICO
そのほか、文字盤には「LANCIA」「LANCIA STRATOS」のレター、イタリア国旗も再現され、ケースバックにも「LANCIA」、さらにはシリアルナンバーに加え「CAMPIONE DEL MONDO(世界チャンピオンの意味)」という文字も。
なお、この腕時計を美しくディスプレイできるクリアケース(アクリル製)に収められており(ギャランティカードも特別仕様)、非常にコレクション価値の高い一本だと言えそうですね。
Image:PREMICO
あわせて読みたい、ランチア関連投稿
-
生産わずか492台!ランチア・ストラトスHFが競売に登場、予想落札価格は最高で9200万円。それでも今のうちに手に入れておかないとどんどん価格が上がりそう
| これだけアイコン性、そして話題性の高いクルマをランチアが今まで放置し復刻しなかったことが不思議でならない | ただし新生ランチアではストラトスの復活を示唆しており、実現すれば初代ストラトスはさらに ...
続きを見る
-
ランチア・ストラトスは今年で50周年、公式祝賀イベントが開催される。いまでもランチアは「WRCでもっとも多くの勝利」を記録したメーカーである
| 公式にランチアがストラトスの復刻をアナウンスしたわけではないが、この流れだと復活は間違いないだろう | 自動車市場、ここまで明確な目的のために設計されたクルマも珍しい さて、ランチアが公式に「スト ...
続きを見る
-
「もっとも本物に近い」と称されるランチア・ストラトスのレプリカが競売に登場。車体構造はスペースフレーム、エンジンはアルファロメオから
| さすがにレプリカ文化が盛んなアメリカで作られたクルマだけのことはある | おそらく、このクルマの運転は「非常に楽しい」はずだ さて、近代カーコレクションを語る上で外せないのがランチア・ストラトス。 ...
続きを見る
参照:PREMICO