| もちろん、このクルマでドライブスルーに行く猛者がいるとは思えないが |
さて、世界各地にて納車がはじまっているマクラーレン・スピードテール。
マクラーレンは「アルティメットシリーズ」としてハイパーカーラインアップを持ちますが、「テクノロジーのショーケース」としてのP1、「サーキット走行特化型」のセナ、「クルマとドライバーとの濃密なコンタクト」を目指したエルヴァなど各々が固有の性格を持っており、そんな中で「スピードテール」は最高速特化型GTというポジショニングです。
最高速を手にするためには多くを犠牲に
そしてスピードテールの最高速は403km/hという、市販車としては異次元レベルにまで達しており、しかしそのために犠牲にしたものも多数。
まずは高速安定性を実現するためにテールを延長し、よってボディ全長は5.2メートルにも達します。
この全長はフルサイズのSUVやサルーンにも匹敵するもので、扱いにはけっこう苦労する場面も出てきそう(日常的にこれを乗る人はいないと思われるので問題はなさそう)。
そのほか、アメリカでの法規には適合しない(しかし抜け道もある)サイドカメラを装着しているのもマクラーレンだとこのスピードテールのみ。
さらにはコンパクトなキャビンを実現するためにバブル形状を採用し、よってサイドウインドウのカーブが大きく、サイドウインドウを下ろしたときにドア内部へと格納するのが困難という理由から「格納できる面積分だけを」小窓として分けているのも特徴で、その小窓を開けたのがこの状態。
この小窓のサイズは「ドア内部に格納できる分だけ」というほかにも、フレームが視界を邪魔しないようにという配慮によって決められているのだと思われ、しかしこの小窓が全部下がったとしてもウインドウ開閉スペースは「ちょっとだけ」。
しかもスピードテールはセンターシートを採用するため、これだけの開閉スペースだと窓から手を大きく出すことも難しく、またそのスペースもなく、この小窓経由でドライブスルーでの商品はおろか、チケットやお金の授受も「まず無理」かもしれません(やはりこのクルマでドライブスルーに行ったり、普通の駐車場に入れる人はいないはずなので、問題はないと思われる)。
ほかにも同様の構造を持つクルマがいくつか存在
なお、同様の理由によって「小窓」でしかサイドウインドウが開閉しないクルマはいくつか存在し、まずはマクラーレン・セナ(これはウインドウというより、ドア側の形状に起因する問題だと思われる)。
そしてスバル・アルシオーネも同様です(ただしこちらは十分な開閉部分の高さがあるようだ)。
トヨタ・セラも同じく。
ランボルギーニ・カウンタックもウインドウが昇降するのは下半分の小さな窓のみ。
これはウインドウが曲面なためではなく、ドアに対するサイドウインドウの「角度」が寝すぎているため。
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参照:Autogespot