| ポルシェはガソリンエンジン、そしてそれを愛する人のためには何だってやってくれるようだ |
さて、ポルシェが「ガソリンではない、内燃機関向けの代替燃料」を開発中との報道。
これは化学的に合成した燃料であり、バイオフューエルとはまた異なる組成を持つようですが、ガソリンと同じように扱うことができ、しかしその燃料を注入したクルマの排ガスは非常にクリーン(規制をクリアできる)だとされています。
既存のクルマ、インフラには手を加える必要がない
加えてこれは既存のクルマやインフラに手を加える必要がなく、つまりクルマ側の加工が不要で、かつクルマを傷める可能性がなく、輸送についてもガソリン用のトレーラーを使用することができ、ガソリンスタンドも現在の設備をそのまま使用できる、とのこと。
なお、(これは環境対策が目的ではありませんが)以前にアルコール系の代替燃料が登場した際にはエンジンや燃料ライン等を腐食させる可能性があり、自動車メーカーも「代替燃料を使用しないように」という異例の通達を出したほどですが、ポルシェの開発している代替燃料はそういった危険性もない、ということになりそうです。
ポルシェの製造したクルマの70%は今も路上を走っている
そしてポルシェの特徴として、「今でも製造したクルマの7割が現役」というものがあり、ポルシェとしては、これらのクルマが将来的に「走行すら禁じられてしまう」ことに懸念を感じ、その対策としてこの燃料を開発している、という側面もあるのかも。
さらにポルシェは過去のモデルを快適に乗れるよう、現代の技術を使用して「昔風に」見えるようデザインされたカーナビゲーションやインフォテイメントシステムを開発したり、クラシックモデルの外観を損なわないように「昔風ルックスを持つ」タイヤも販売。
つまりポルシェは過去に販売したクルマ、そしてそれに乗るオーナーさんの楽しみをも保証しようと考えているのだと捉えることも可能です。
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しかしなぜポルシェが燃料?
そういった側面があるにせよ、ポルシェが燃料を開発するというのはいささかスケールが大きすぎるような気もしますが、この理由のひとつとして、GT3系はじめとする「内燃機関を持つスポーツカー」を存続させたいという意図があるのかもしれません。
このままだとポルシェのガソリンエンジン搭載スポーツカーはすべからくエレクトリック化されることになり、しかしポルシェもそれは本望ではないはず。
よって、内燃機関を存続させるためにこういった「代替燃料」を自らの手で作り出そうということなのだと推測しています。
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さらに、ポルシェは将来的に「クルマが売れなくなる時代」の到来を予想しており、そういった未来に向けていくつかの手を打っている模様。
そしておそらくはこの「代替燃料」もそのひとつで、ポルシェはこを広く販売することによって利益をあげようとしているんじゃないか、とも考えられます。
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ただ、現在のところそのネックは「価格」。
今のところリッターあたり10ドル(1050円!)だとしており、しかしポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏によれば「リッター2ドルまでは下げることが可能」。
しかしながらこの代替燃料の普及には10年ほどかかるという見通しも示しており、まだまだ時間がかかりそうではあるものの、「ガソリンエンジン搭載車走行禁止」が導入される頃には間に合いそうではありますね。
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参照: Hagerty