| 開催側はきっと「こんなハズじゃなかった・・・」と思っている |
さて、盛り上がっているような盛り上がっていないようなル・マン24時間レースの「ハイパーカークラス」。
すでにプジョーそしてトヨタ(ガズー・レーシング)がその参戦用車両を公開していますが、今回はバイコレス(ByKolles)がそのレーシングカーそして市販モデルを公開しています。
名称は「PMCプロジェクト」となり、ル・マン24時間レース含め、FIA世界耐久選手権においてプジョー、トヨタ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスとの熾烈な戦いを繰り広げることになりそうですね。
バイコレスPMCプロジェクトプロジェクトはこんな仕様を持っている
このバイコレスPMCプロジェクト(こちらは市販モデル)について、パワーソースは自然吸気V8エンジン+ハイブリッドだと伝えられており、その出力は合計で1000馬力。
公道走行が可能なスペックを持つとされるものの、実際にこれを公道で乗ることは難しそうでもありますね。
なお、重量は1,000kg(つまりパワーウエイトレシオは”1”)しかないとのことなので、そのパフォーマンスとしては「世界トップレベル」となるのは間違いないと見られます。
一方のレーシングバージョンはこちら
そしてこちらがバイコレスPMCプロジェクトの「レーシングカー版」。
プジョー、トヨタ、そして公道走行バージョンとは異なってハイブリッドシステムを持たず、これが吉と出るか凶と出るのかは本戦を待つしかなさそう(ハイブリッドシステムは、レギュレーション上”必須”ではない)。
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ただし、レーシングバージョンのバイコレスPMCプロジェクトの重量は950kgなので、トヨタGR010ハイブリッドの1,040kgに比較すると大きなアドバンテージがあると考えていいのかもしれません。
ちなみにレギュレーションによって最高出力は650馬力に制限されています。
ル・マン24時間レース「ハイパーカークラス=LMH」は今ひとつ盛り上がりに欠ける
なお、鳴り物入りで新設されたル・マン・ハイパーカークラス(LMH)ですが、どうも盛り上がりに欠けていて、というのも参加するメンバーが少なすぎるため。
開催側としては、ケーニグセグやパガーニ、ブガッティといったハイパーカー、フェラーリやランボルギーニといったメジャーメーカーの参入を期待していたのだと思われるものの「空振り」に終わっており、蓋を開けるとこれまでの「プロトタイプ」と代わり映えしないということになりそうです。
現在参加を表敬しているのはプジョー、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス(SCG)、トヨタ。
ポルシェは2023年からLMDh規定に則り参戦を表明していますね。
アストンマーティンは参加を表明するも財政難からこれを取り下げ、参戦を検討していたランボルギーニも(参戦を検討していたステファノ・ドメニカリCEOが辞任したので)これを見送りそう。
ちなみにバイコレスはこれらの中では唯一のプライベーター(ドイツのレーシングチームであって自動車メーカーではない。SCGは一応自動車メーカー)であり、自動車メーカーに勝る活躍が期待され、しかしこれまでの戦績からするに、まずレースを盛り上げてくれる存在にはならないだろう、とも考えています。
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