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33歳でブガッティを支配下に置いた男、メイト・リマック。その生い立ち、これまでの歩みを見てみよう

2021/07/09

メイト・リマック

| メイト・リマックが「リマック・アウトモビリ」を設立したのは21歳、そして12年後には事実上ブガッティを手中に収める |

ここまで急速に成長した自動車メーカーも珍しい

さて、先日ブガッティとの合弁会社設立が報じられたリマック。

2009年にクロアチアにて創業された若い会社であり、現在のところ販売した市販車はわずか9台のみ。

それが今やブガッティ、そしてブガッティをコントロールするポルシェを従え、リマックCEOであるメイト・リマック氏は新会社「ブガッティ・リマック」のCEOを務めるまでに。

現代の自動車業界にはケーニグセグやパガーニ、テスラといった「神話」が存在しますが、ここにまた新たなる神話が誕生したと捉えても良さそうです。

ここで、そんなメイト・リマック氏の生い立ち、歩んできた道のりを見てみましょう。

mate-rimac

1988年、ボスニア・ヘルツェゴビナで生まれる

メイト・リマック氏は1988年にボスニア・ヘルツェゴビナのリブノで生を受け、3歳のときに家族とともにドイツに移住。

その後クロアチアに戻ってクロアチアで学業を終え、ザグレブのVERN大学に入学することになりますが、メイト・リマックは18歳になるよりも前に、ドイツ、韓国、クロアチアでイノベーションと技術開発に関するいくつかの国際的なコンテストで優勝しています。

彼の最初の発明特許の1つは、マウスとキーボードの代わりになるデジタルグローブ「iGlove」で、これはタッチスクリーンが登場するずっと前なのだそう。

2006年には「初」のEVを製作

若き日のメイト・リマックは発明そして自動車に心奪われたそうですが、2006年(18歳のとき)に1984年製BMW 323i(E30)を購入し、ローカルレースへと参戦開始。

ただしすぐにエンジンが壊れてしまったため、メイト・リマックはは600馬力のエレクトリックモーターを使って最初の競技用EVである「リマックe-M3」を試作しますが、これが彼にとっての最初のEVということになります。

なお、初めて作ったEVだけに、当初は思うような成績を残すことはできなかったものの、2010年にはガソリン車に勝るパフォーマンスを発揮するようになり、2011年にはFIAそしてギネス認定の記録を連発することとなっています。

rimac-e-m3

リマックe-M3のFIA記録

  • 1/8マイル加速 7.549秒
  • 1/4マイル加速 11.808秒
  • 1/2km加速:13.714秒
  • 1km加速:23.260秒
  • 1マイル加速 35.347秒

初の市販車、コンセプト・ワンの発売

この後にメイト・リマックはデザイナーのアドリアーノ・ムドリとともに電動スーパーカーを発売すべく動き出しますが、アラブ首長国連邦の王室からの資金提供によって「リマック・コンセプト・ワン」を実現させることに成功。

2011年のフランクフルト・モーターショーでデビューし、1,224馬力を誇るハイパーカーとして発売しています。

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なお、このリマック・コンセプト・ワンは公道バージョンが8台、競技用が1台製作されたのみではあるものの、この時点ですでに企業価値が300億円を突破しており、「9台しかクルマを販売していない自動車メーカー」としては破格の評価を受けることに。※現在では1兆円を超える企業価値を誇ると言われる

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そしてポルシェ、ヒュンダイ等が出資を行い、その他の自動車メーカーもリマックに対して技術開発を委託したり、技術を提供してもらうという環境ができあがり、自動車業界に不可欠な存在となったのもこの頃ですね。

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そしてついにリマックは「2台め」のハイパーカーとなる「ネヴェーラ(150台限定)」を発売し、その後に今回の「ブガッティとの合弁会社設立」が発表されています。

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リマックの目的は「各自動車メーカーの主要サプライヤーになる」こと

なお、リマックの目的は電動スーパーカーやハイパーカーの生産・販売ではなく、「すべての主要メーカー、特に新しい高性能EVの開発を目指すメーカーにとって、電気自動車および電動化システムの主要なサプライヤーになること」。

これは今回の「ブガッティ・リマック」設立時のステートメントからも理解できることですが、あくまでも「コンポーネントや技術の提供」を目指しており、しかし自社のコンポーネント、技術の優秀さを示すために作ったのが「電動ハイパーカー」ということなのでしょうね。

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実際のところ、現時点では下記の自動車メーカーとパートナーシップ契約を結んでおり、今後はさらにその数を増やすことになりそうです。

リマックと提携関係にある自動車メーカー

  • メルセデスAMG
  • アストンマーティン
  • キュプラ
  • フェラーリ
  • ヒュンダイ
  • ジャガー
  • ケーニグセグ
  • マグナ・シュタイア
  • メルセデス
  • ピニンファリーナ
  • ポルシェ
  • ルノー

参考までに、リマックの株式については37%がメイト・リマック、ポルシェが24%、ヒュンダイが12%、その他の投資家が27%を所有していますが、今後会社は「リマックグループ」「リマックテクノロジー」という2つの会社に分割されることになり、リマックテクノロジーはリマックグループが100%出資する子会社扱いになる、と報じられています。

参照:Motor1

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