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ヒュンダイが「ヒョンデ」として日本再参入!販売はオンラインのみ、試乗はカーシェアリングにて!最初に販売されるEV「アイオニック5」とは何者なのか

2022/02/09

ヒュンダイが「ヒョンデ」として日本再参入!販売はオンラインのみ、試乗はカーシェアリングにて!最初に販売されるEV「アイオニック5」とは何者なのか

| 新生ヒョンデは販売方法やメンテナンス、サービス、そして価格についても強くテスラを意識。ただしリセールが読めない以上「買い」とはいえない |

ヒョンデのブランド力で「オンライン販売のみ」はちょっと厳しいとボクは思う

さて、韓国ヒュンダイが「ヒョンデ」と名を変え(韓国語での発音に近い表記を世界的に採用)、2009年の撤退以来、日本に再上陸を果たしています。

このウワサは1年ほど前から出ていて、ヒョンデのサイトがリニューアルされたり、これまではしばらく「ゼロ」だったヒョンデの国内登録車が月に数台のペースで登録されていたり(テスト用や広報用だと思われる)という予兆が見られており、そして今回ついに正式発表がなされることになったわけですね。

なお、当初導入されるのは水素自動車のNEXO(ネッソ)、そしてピュアエレクトリックカーのIONIQ5(アイオニック・ファイブ)。

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新生ヒョンデのメインとなるのはアイオニック5、販売はオンラインのみ

おそらく水素自動車のネッソは販売がほぼゼロで推移するものと思われ、なぜこれを日本で売ろうと考えたのかは全く不明(トヨタが水素自動車を展開していることから、インフラの拡充を期待したのかも。もしくはアイオニックとあわせ、クリーンなブランドであるということをアピールしたいのかもしれない)。

ヒュンダイ(ヒョンデ)ネッソ
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よって実際の主戦力はアイオニック5になると思われますが、あたらしいヒョンデの販売方法は「ディーラーやショールームを持たず、オンラインのみで販売する」というもの。

ヒョンデ自身も当初は(アイオニック5含め)台数が出るとは考えておらず、イニシャルコストを最小限に抑えたいのかもしれません。

ただ、これだと「実車を見ずに購入」ということになり、トヨタやホンダのようによく知っていたり、少ないながらもショールームを構え、かつ一定の評価があるテスラとは異なって「販売不振で日本を撤退したヒョンデのクルマをネットで買うのか・・・」という不安があるのもまた事実。

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よってヒョンデでは横浜にカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、試乗や購入相談、納車セレモニー、アフターサービス等を受け持つほか、原宿には試乗車を配備したスポット(ヒョンデハウス原宿)を設けています。

加えて、ヒョンデにて全国的に試乗車を配備することが難しく、今後エニカとの提携にて試乗車を配備するとしており、これはホンダが「HONDA GOEvery Goにて試乗車を用意する」のとよく似ているのかもしれません。

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ちなみに現在エニカにて試乗可能なのは関東のみに限られていますが、追って全国に拡大することになりそうですね。

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なお、ヒョンデは韓国の会社だけに、「ゴリ押し」もあるんじゃないかと考えており、様々なユーチューバー、ブロガーに対してレビューの依頼があったり、ステルスマーケティングがなされるものと推測しています。

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「テスラ」で検索するとヒョンデが一番上に表示されるぞ!

ヒョンデを買ったあとの年テナンスはどうするの?

そして「ショールームを持たず、ネット販売のみ」となると気になるのがアフターサービス。

これについては、横浜にサービス拠点があるほか、協力整備拠点を増やすといい(現在は愛知にひとつのみ)、加えてオンラインでの故障診断を実施し、必要な場合はサービススタッフ(テクニシャン)を出張させて整備を行う、としています。

もし預かりが必要な場合は車両のピックアップと納車を無償で行うようですね(保証期間は5年/10万キロ、アイオニック5のバッテリーについては8年16万キロの保証がついている)。

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ヒョンデ「IONIQ 5」とは?

そしてここでアイオニック5について触れてみたいと思いますが、これはすでに欧州他地域で販売が開始されており、大きな評判を呼んでいるクルマ。

そのルックスはレトロともフューチャーとも捉えることができ、デザインのルーツは2019年に発表された「45EVコンセプト(下の画像)」。

この45コンセプトは、当時から数えてヒョンデが「45年前(1974年)に発表した」ヒュンダイ・ポニー・コンセプトへのオマージュとなっており、「45」を視覚的にあらわすため、45度の傾斜を持つラインが多用されています。

なお、こちらがそのオマージュもとであるヒュンダイ・ポニー・クーペ・コンセプト。

デザインはジョルジエット・ジウジアーロによるもので、ジウジアーロいわく、1981年にデロリアンDMC-12をデザインする際のインスピレーション元となった、とも。

ヒョンデ45コンセプト
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そして現在のアイオニック5に話を戻すと、これは完全なるEVで全長4635ミリ、全幅1890ミリ、全高1645ミリという(画像から判断するよりも)けっこう大きなクルマで、最小回転半径は5.99メートルとけっこうバカにならない数字です。

ちなみにヒョンデのデザインを統括するのは、ランボルギーニやベントレーでチーフデザイナーを務め、ムルシエラゴやガヤルドを生み出したルク・ドンカーヴォルケ氏。

ヒョンデそのものがデザインのプライオリティを非常に高い位置に掲げており、デザインを武器として戦うという意思表明がこのアイオニック5だと考えていいのかもしれません。

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実際のところ、ブロックのような、そしてドット絵のような「(ヘッドライトやテールランプに採用される)パラメトリックピクセル」は非常にインパクトがあり、ほかメーカーでは採用していないもの。

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ドアハンドルには「ポップアップ」を採用しており、ここからも「デザインのためにコストを投じている」ことがわかります。

もちろんEVに求められる高いレベルのエアロダイナミクスを実現することにも貢献し、ライバルに対する様々なアドバンテージになりうるポイントですね。

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ちなみにタイヤはミュシュランとの共同開発となる専用品。

標準だとホイールサイズは19インチ、オプションで20インチを用意しています。

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インテリアのコンセプトは「快適な居住空間」。

生活との境界をなくすことを念頭に置いたといい、自宅や自室の延長というポジションを考慮しているのでしょうね。

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なお、ほかのライバルのいくつかとは異なり、プラットフォームにはEV専用のE-GMPを採用したため、EVでしか実現できないフラットフロア、そして広々とした室内空間を持っています。

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コンソールは14センチのスライドが可能なほか、オットマン(レッグレスト)つきのフロントシート(かなり珍しい)、1列目のみならず2列めにも電動スライドシート、ルーフ全面をガラス化した”ビジョンルーフ”を備えます。

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そのほかの特徴としては「エコフレンドリーな内装素材を使用」「キャンプ時などに強力な電源供給減になる」「家庭への電源供給が可能」「スマートフォンを使用した車体制御や充電」のほか、リモートスマートパーキング、ARヘッドアップディスプレイ、ブラインドスポットビューモニター、サラウンドビューモニター、ビルトインドラレコ、前方衝突防止補助やレーンキーピングアシスト含む高度なドライバー・アシストを持ち、およそ「ないものが見当たらない」ほどの充実した装備を誇ります。

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ヒョンデ・アイオニック5のEVとしてスペックは?

日本に導入されるIONIQ 5のグレードは以下のとおりで、もちろん充電は日本の規格であるCHAdeMOに対応。

駆動方式出力航続可能距離(WLTC)バッテリー容量価格
IONIQ 5RR170馬力498km58kWh497万円
IONIQ 5 VoyageRR217馬力618km72.6kWh519万円
IONIQ 5 LoungeRR217馬力618km72.6kWh549万円
IONIQ 5 Lounge AWD4WD305馬力577km72.6kWh589万円

参考までに、同クラスのEVの性能や価格はこんな感じですが、コストパフォーマンスについては強くテスラ・モデル3を意識しているということがわかりますね(逆に、リーフを除く日本の自動車メーカーのEVが割高ということもわかる)。

車名航続可能距離バッテリー容量航続可能距離価格
日産リーフ322km(WLTC)40kWh324万円
日産リーフe+458km(WLTC)62kWh441万円
ホンダe283km(WLTC)35.5kWh451万円
VW ID.3330km45kWh邦貨換算340万円
BMW i3360km42.4kWh543万円
ミニクーパーS E183km32.6kWh邦貨換算335万円
マツダMX-30256km(WLTC)35.5kWh451万円
テスラ・モデル3448km(WLTP)54kWh429万円
テスラ・モデル3 ロングレンジ689km(国土交通省)79.5kWh564万円
レクサスUX300e400km(NEDC)54.3kWh580万円

正直なぼくの印象だと、そのデザインについては強く惹かれますし、訴求力があり、装備やコストパフォーマンスにも優れると考えているものの、ヒョンデというブランドイメージ(テスラとは比較にならない)、そして整備拠点の少なさ、未知のリセールバリュー、さらに一定期間経過後には相当に中古市場での価格が下がるであろうこと(未知数なところもあるが、世界中のヒュンダイのセカンダリーマーケットの基準から推測)から、「買うべきではないクルマ」だと判断しています(ただ、こういった認識を覆してくれる可能性もあり、公平を期すためにも試乗を行ってみたいと思う)。

IONIQブランドのプロモーション動画はこちら

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参照:Hyundai

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