| 従来からの高い人気に加え、チップ不足という不幸な要因が重なったようだ |
この問題には各社とも悩まされており、それぞれ独自の対応を行っているもよう
さて、メルセデス・ベンツはチップ不足、そして尋常ならざる人気のためにGクラスの受注をストップしたと報じられていますが、今回はEクラスにつき「需要に対応できないため」本国ドイツにて2月12日からセダンの受注を停止しているといい(他のバリエーションは受注を継続)、今後これが他の地域にまで拡大するおそれがあるのでは、と見られています。
なお、Gクラスについては2022年1月17日に本国で受注が停止され、納車の目処は2024年第4四半期、あるいは2025年の第1四半期にまでのびる、という情報もあるもよう。
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現行Eクラスは2017年に発売されているが
現行型(5代目)Eクラスについては2017年から販売されており、2020年にフェイスリフトを受けており、その際に大きくデザインが変わり「最新の」デザイン言語に改められています。
加えてインフォテイメントシステムも大幅にアップデートしており、つまりは内外装とも大きく魅力が向上した、ということになりますね。
よってその人気が「非常に高い」ということも理解はできるものの、やはり「受注停止」というのはある意味非常事態なのかもしれません。
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「なぜ需要に対応できないのか」は明かされていない
なお、今回の受注停止について「需要に対応できない」ということは語られているものの、なぜ需要に対応できないのかは謎のまま。
ただ、メルセデス・ベンツはかなり早い段階にてチップ不足にて生産が遅れるということを公言したメーカーであり、そのため「工場の生産能力が上限に達した」のではなく「チップが不足して生産ができない」と考えるのが妥当かと思われます。※もちろん、コロナウイルスのパンデミックに起因するサプライチェーンの問題もありそう
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それでもいつかはチップ不足が改善されることにはなり、しかしいま受注を停止すると他社にその分の売上を持ってゆかれる可能性もあり、であれば「納車が先になることを伝え、受注を取り続ければいいんじゃないか」とも考えたりしますが、一部では受注を一旦打ち切ることについて(Gクラス、Eクラスとも)仕様が変わることが理由なんじゃないかという意見があるもよう。
どういうことかというと、「より少ないチップで生産ができるよう」装備が見直されてから受注が再開されるのではということで、ほかメーカーの例を出すと「タッチパネルがタッチではない普通の液晶になったり」「シートヒーターがなくなったり」「電動ステアリングコラムがなくなったり」「パワーシートがなくなったり」しているように、Gクラス/Eクラスとも、従来与えられていた装備が大きく見直され、簡略化された仕様で再度販売が開始されるのかもしれません。
よって、一旦受注を打ち切ったのはその変更のための「準備」を行っていると考えてよく、3月~5月には「装備が見直された」Gクラス/Eクラスの受注が再開されるのでは、とウワサされているわけですね。
ちなみにですが、一般に欧州車は8月以降の生産から「翌年度モデル」となり仕様が変わることが多いのですが、今回のメルセデス・ベンツの場合は「そこまで待てず」すぐにでもチップが少なくても済む仕様に変更せねばならないほど切羽詰まっているということになりそう。
ただ、ほかメーカーだと、マセラティのように「チップ不足にて」新型車であるグレカーレを発売できない(予定よりも大幅に発売時期が遅れてようやく発売)という例もあり、メルセデス・ベンツの場合はまだいいほうだったのかもしれません。
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参照:Automobilwoche