| GRブランドはここへ来てまさかの「限定ビジネスで価値を向上」させる手法を採用してきた |
世界的に見るとGRカローラはGRヤリスよりも人気が出そうだ
さて、トヨタは先日「GRカローラ」を発表したところですが、トヨタの北米法人にてマーケティング担当副社長を務めるマイク・トリップ氏によると「GRカローラの生産台数はかなり少ない」とのこと。
そして「少ない」理由につき、GRカローラを生産するトヨタの元町工場の生産能力に起因するものではなくマーケティング上の理由だといい、つまりは意図的に生産数(供給数)を絞り、欲しくても手に入らないクルマとする計画を持っているようです。
なお、GRヤリスについてはこういった「台数を絞る」意向は見せておらず、というのもこちらはホモロゲーション取得という意味合いがあり、むしろ数を売る必要があったためだと思われます。
-
「お客様を虜にするカローラを取り戻したい!」おもったよりも過激なGRカローラ正式発表!出力304馬力、まさかの「3本出しマフラー」採用も
| GRヤリスの手法を踏襲しつつ、性格の異なるクルマに仕上げてきた | やはり最近のトヨタは面白い さて、トヨタ Gazoo Racingが待望の「GRカローラ」を世界初公開。発表は米国カリフォルニア ...
続きを見る
なぜトヨタはGRカローラの販売台数を制限?
しかしながらGRカローラはいずれかのレースに出場するためのホモロゲーション取得のために販売するわけではないため、「何台売らなければならない」という目標が存在せず、よってトヨタは販売台数を自由に制限できるわけですね。
そして前出のマイク・トリップ副社長によると「排他性を維持するために細心の注意を払う」とのことで、つまりは作りすぎないことによって市場の飢餓感を高めるというスーパーカービジネスと似た手法を採用するということになりそうです。
参考までに、フェラーリの限定モデルは「499台」など「〜9台」という設定がなされることが多く、その理由はフェラーリ創業者であるエンツォ・フェラーリがいつも言っていた「我々は顧客が求めるよりも、常に1台少なく作るのだ」という理念をあらわしたもの。
つまりは「欲しい人すべての手に行き渡らないよう」にするのが肝要ということになり、トヨタはこれによってGRブランドの価値を高めようということなのでしょうね。
いったいGRカローラの供給台数はどれくらいに?
そこで気になるのがGRカローラの販売台数ですが、マイク・トリップ副社長によると、「年間6000〜8000台くらい」をイメージしているもよう。
そしてさらにGRカローラの価値を高めるべく限定モデルや特別仕様車の投入も行うとコメントしており、まずは大きなリアウイングやカーボンファイバー製パーツを装着した「サーキットエディション」がその第一弾となり、これは2023年モデル限定、そしておよそ1,250台くらいになるだろう、とのこと。
ただしこれらの数字については現時点で決定しているわけではなく、「1台でも少なく販売することが目標である」という通常のクルマとは全く逆のターゲットを示しており、価格や購入方法が発表されれば熾烈な争奪戦となるのは間違いなさそうです。
なお、これらの数字はあくまでも北米でのことなので日本ではまた違った数字や考え方がなされるかもしれませんが、GRMNヤリスの販売手法を見る限りでは、GRカローラについても何らかの制限を行ったり、”通常版”GRカローラは普通に販売したとしても、なんらかの特別仕様車については購入制限を設けることになるかもしれませんね(GRMNモデルを乱発すると価値が下がるので、カローラにはさすがにGRMNを設定しないとは思うが)。
それにしても、スポーツカー冬の時代にここまで人々が欲しがるクルマはなかなか作れず、しかしここはやはり「豊田章男社長恐るべし」といったところです。
-
トヨタがGRMNヤリスを500台限定にて発売開始!サーキット用とラリー用、そしてベースモデルの3タイプ。ボディ剛性強化に軽量化、価格は731〜837万円
| 組み立ては「匠」の技能を有する作業員によって行われる | トヨタはさらにモータースポーツに対する取り組みを強化するようだ さて、トヨタが「GRヤリスのフルチューン版」として予告を行っていた車両を「 ...
続きを見る
合わせて読みたい、GR関連投稿
-
トヨタがGRヤリスに「モリゾウセレクション」追加!フロントガラスにモリゾウ(豊田章男社長)のサイン入り、KINTOでしか乗れない特別モデル
| トヨタはどうしてもKINTOを盛り上げたいようだが | フロントウインドウには「MORIZO」サイン、室内にはルーキーレーシングのレター入り さて、盛り上げようとしても盛り上がらないKINTOです ...
続きを見る
-
【動画】360馬力にチューンされたGRヤリスが筑波を58.573秒で走りGT-R NISMOの59.361秒を0.78秒短縮!つくづくGRヤリスは恐ろしいクルマだな・・・
| GRヤリスの速さにも驚くが、ここまでパワーを出せることにも驚かされる | 技術の新歩がもたらすパフォーマンス向上には目をみはるものがある さて、トヨタは東京オートサロンにてGRMNヤリスを発表して ...
続きを見る
参照:Road and Track