| 通常のM4コンペティションでも足回りが「硬すぎ」だったが、このM4 CSLではさらに硬そうだ |
市販モデルのM4よりもレーシングカーのM4 GT3に近い性格を持つ
さて、今年で創立50周年を迎えるBMWM社。
よって様々なニューモデルそして特別モデルが登場することになりますが、おそらくはその中で最大の目玉である「M4 CSL」がついに正式発表されることに。
この新型BMW M4 CSLの特徴は「最高レベルのパワーとインテリジェントな軽量設計、2シーター構成、モデル固有のシャシー・アップグレード」が施されたサーキット走行を主眼においたモデルです。
M4のレーシングバージョンであるM4 GT3のDNAを引き継ぐといい、ウワサされたとおりにニュルブルクリンクではBMW史上最速の7分20秒207を記録し、0−100km/h加速は3.7秒、0−200km/h加速は10.7秒。※ニュルブルクリンク総合だと26位くらい
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CSL=「コンペティション、スポーツ、ライトウェイト」
このCSLは「コンペティション、スポーツ、ライトウェイト」を意味しており、そのルーツは1973年にヨーロッパ・ツーリングカー選手権で初優勝を果たした「3.0CSL」。
その後には2003年のM3 CSL、2016年にはM4 GTSがその遺伝子を引き継ぐことになり、そして今回はM4 CSLが正当な後継者として登場することに。
一般公開はコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ(2022年5月20日~22日)にて行われ、その後2022年7月からBMWグループの所有するディンゴルフィン工場にてわずか1,000台のみが生産される、とのこと。
MA4CSLの車体重量は1,625kgに抑えられ、パワーウエイトレシオは2.95kg/ps(4.01kg/kW)。
M社の特別製カーボン製フルバケットシートの装着によって、BMW M4 コンペティションの標準シートと比較して約24kgの軽量化が行われるほか、リアシートとシートベルトを取り外し、パーティションを組み込んでラゲッジルームに変更を加えることで、21kgの軽量化を実現。
さらに、超軽量なMカーボン・セラミック・ブレーキ、専用の軽量ホイール、スプリング、ストラットの追加などのシャシーの変更によってもさらに約21kgの軽量化が図られているほか、防音材の削減や超軽量遮音材の採用で約15kg、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品の採用で約11kgの軽量化がもたらされています。
BMW M4 CSLのボンネットとトランクリッド、そしてルーフはCFRP製、さらにチタン製リアサイレンサーの採用によってエグゾーストシステム全体の重量が4kg以上削られ、細かいところだとキドニーグリル、リアライト、フロアマット、エアコンなど細部の変更によってさらに4kgの軽量化が図られることに。
BMW M4 CSLの外装は特別仕様
BMW M4 CSLのボディは、専用のフローズン・ブルックリングレー・メタリック(マット仕上げ)で標準塗装されており、エクスポーズド・カーボン・ファイバー、そしてレッドのアクセントともに独自の外観を演出しています(このほか、ボディカラーにはアルピンホワイトまたはサファイアブラックメタリックを選択可能)。
なお、公開されたオフィシャルフォトを見る限り、BMWはレッドを「CSL」のイメージカラーとして活用するのかもしれませんね。
そしてこのレッドのアクセントはキドニーグリルフレーム、ボンネット上のストライプのエッジ、ルーフ、フロントリップ、サイドスポイラーにも用いられています(エンブレムはBMW Mの50周年記念仕様)。
なお、テールランプは(OLEDではなく)”レーザーライト”はBMWとしてはじめて採用される技術だといい、鮮やかに発光することで「暗闇の中で遠くからでも認識できる」とのこと。
BMW M4 CSLのエンジン出力は550馬力
もちろんM4 CSLのエンジンも特別仕様であり、レースバージョンのM4 GT3に搭載される直列6気筒をベースにし「安定性や耐久性を犠牲にすることなく大幅なパワーアップ」を達成しています。
なお、このパワーアップは2基のモノスクロール・ターボチャージャーの最大ブースト圧を1.7 barから2.1 barに高めたことと、エンジンマネージメントにM4 CSL特有の微調整を施したことで、その結果2,750~5,950 rpmにて650Nmのピークトルクを発生し、最高出力は6,250rpm時に405kW/550psというスペックを誇ります。
この3.0リッター・ターボエンジンはレース用に設計され、高回転と最高出力に重点を置いており、クランクケースはスリーブレスのクローズドデッキ構造を採用することで高剛性を実現し、クランクシャフトには軽量な鍛造製、シリンダーヘッドコアは3Dプリントにて作られたM専用品だとアナウンスされています。
なお、エンジンルーム内には頑強な補強用のブレースが取り付けられ、これでもかというほど剛性を高めているようですね。
冷却系と給油系もサーキット走行に主眼を置いて設計されており、ツインテールパイプ・エキゾーストシステムは電動フラップを備え、レーシングカーに触発された「感情に訴える」エキゾーストノートを轟かせるとのこと。
搭載されるトランスミッションはドライブロジック付き8速Mステップトロニック・トランスミッション、駆動輪は後輪のみ。
エンジンそしてトランスミッションはM4CSL専用のマウントを介して搭載されており、「ブレ」を抑えることでパワーをもれなく路面に伝えることに貢献しています。
M4 CSLは専用にチューニングされたアクスル特性、ホイールキャンバー設定、ダンパー/スプリング、アンチロールバーを持ち、ステアリング精度、コーナリング時の横方向制御力、スプリングとダンピングの応答性、ホイールアライメントを最適化しているといい、サスペンションはBMW M4コンペティションと比較して8ミリ低められ、電子制御式ダンパーを備える、とのこと。
BMW M4 CSLのインテリアはこうなっている
M4 CSLには上述の通り専用の軽量シート装着、リアシートの除去といった対応がなされていますが、大量のカーボンファイバー製パーツが投入されています。
アームレストまでもが軽量化対象となり・・・。
リアシートは完全に撤去され、ヘルメット2個を収めるための窪み、それを抑えるためのネットも装着されます。
現在このM4 CSLの価格については発表がなされていませんが、すでに限定台数の1,000台は完売しているといわれ、新車価格にて入手することはすでに不可能だと考えられます。
BMW M4 CSLがニュルブルクリンクにて「BMW最速」タイムを更新する動画 / プロモーション動画はこちら
参照:BMW