| アルファロメオは新CEOを迎え大きくブランドイメージを変革する |
これからのアルファロメオは今まで以上に「歴史」を押し出すことになりそうだ
さて、アルファロメオは(親会社であるステランティスの発足によって)組織体制が変更されジャン・フィリップ・インパラート氏が新CEOへと就任していますが、同氏は次々と新しい方針を打ち出しており、たとえば「ドライバーズカーに集中」「値引きをせず利益を確保」「中古車の残存価値を高める」など。
もちろんそれらを実行するに際しては事細かな戦略が策定され、今回はさらに「新しいディーラーデザイン(CI)」を発表することに。
まずこのデザインを採用するのはミラノのフラッグシップストアではあるものの、今後はほかディーラーも同様の形式を採用してゆくようですね。
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新しいアルファロメノディーラーデザインはこうなっている
そこで新しいアルファロメオのディーラーデザインについて、ひとことでいうと「トーンを抑えて高級感を演出」。
反面、様々な素材を使用することでアルファロメオのプレミアム性と現代性を表現しているといい、銅板のような大きなプレートや、新しいアルファロメオのデイタイムランニングランプの発光グラフィックを示したパネルも(実際に光っている)。
さらにはアルファロメオのレーシングテクノロジーにちなんだ装飾も随所に施され、F1マシンの大型ポスターも掲出されています。
壁面の「Alfa Romeo」フォントには旧書体が用いられ、まさに新旧アルファロメオの歴史が交錯している、といった感じですね。
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新しいアルファロメオディーラーは「体験」を重視
さらには過去の歴史を振り返るコーヒーテーブルブックも展示され、過去に焦点を当てる動きが強化されているようにも思います(これまでのアルファロメオでは、そこまで過去の歴史を強調していなかった)。
最近のアルファロメオしか知らなければ、「イタリアのコンパクトカーを中心とした大衆車ブランド」としかアルファロメオを認識することができないかと思いますが、「実はF1はじめモータースポーツにて豊かな歴史を持つブランド」であることを押し出し、これからの新しいブランディングにつなげるのだと思われます。
さらにディーラー内はテーマごとに分けられ、車両の展示スペースのほかにはカフェ、そしてグッズ販売コーナーも。
ちなみに「Join the Tribe」と呼ばれるデジタルポータルサイトもオープンしており、ブランドが計画している将来のモデルを見ることができる、とのこと。
そしてこちらは車両カスタマイズのサンプル展示。
ボディカラーやシートなど、様々な仕様を確認できるようですね。
こちらは新しいアルファロメオディーラーの外観。
アルファロメオのグローバルマーケティング&コミュニケーション担当上級副社長を務めるフランチェスコ・カルカラ氏によれば「新しいブランドアイデンティティを採用した世界初のアルファロメオ旗艦店がここミラノでオープンしたことは、私たちにとって重要な瞬間でもあります。私たちはこの新しいディーラーデザインによって、私達のルーツに忠実であり続けること、世界にインスピレーションを与える機会を設けることを嬉しく思います」とコメント。
さらに「アルファロメオは、お客様がブランドと接するあらゆる場所で、没入感、さらには直感的な体験を提供したいと考えています。これはディーラーから始まり、お客様はプレミアムな購入体験の中心にいながら、ブランドのエコシステム全体を探索することができるようになるのです」とも述べており、”体験型ディーラースペース”へと汎化してゆくように思います。
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