| 続々発表されるGT4クラスのレーシングカー。モータースポーツは日増しにアツくなるようだ |
やはり大排気量エンジンの時代はもう終わりなのか
さて、マクラーレンがアルトゥーラGT4を発表。
これは言うまでもなくGT4クラスに参戦可能なスペックを持つレーシングカーで、これまでの「570S GT4」にかわるもの。
ただ、V8エンジンを積んでいた570S GT4に対し、アルトゥーラはV6エンジン、そしてレギュレーションによって「ハイブリッドなし」となっています。
今回公開された車両はマクラーレンらしいオレンジをベースにブルーとグレーのグラフィックが入り、もちろん市販車とは異なるエアロパッケージが採用され、このエアロパッケージはスプリッター、カナード(エアロフリック)、ダクト付きフロントフード、リアウイングにて構成されています。
アルトゥーラGT4は570S GT4に比較して100kg以上も軽量化
なお、このアルトゥーラGT4の大きな武器は「軽量化」。
もともとアルトゥーラはハイブリッドカーとして設計されており、ハイブリッドシステムに必要なエレクトリックモーターやバッテリーの重量を相殺するために軽量性が追求されたクルマではありますが、アルトゥーラGT4ではそこからハイブリッドシステムを取り除いたことで、結果的に570S GTに比較して100kg以上も軽量化されています(ロードバージョンのアルトゥーラに比較しても130kg軽い)。※市販車のドライウエイトだと570Sが1313kg、アルトゥーラが1395kg
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アルトゥーラの車体構造の核となるのはMCLA(マクラーレン・カーボン・ライトウエイト・アーキテクチャ)ですが、アルトゥーラでは570Sよりもコンパクトなエンジンを搭載し、かつハイブリッドシステムを排除したことにより、重量低減もちろん応答性の向上、重心の低下といったメリットが得られ、かつバッテリーが占めていたスペースを燃料タンクや補助駆動システム用として活用するなど、バランスや効率といった点でも優位性があるようですね。
そのほかの特徴としては、ボッシュ・モータースポーツ社製のV6ツインターボECUとモータースポーツ用モジュラーワイヤリングハーネスの導入、570S GT4よりもショート化されたギアレシオを持つ特注7速ギアボックスと機械式リミテッド・スリップ・デフが挙げられています。
ちなみに公道走行版のアルトゥーラに採用されるのは8速デュアルクラッチですが、こちらは「リバース(後退/バック)をエレクトリックモーターの逆回転で行う」ためにバックギアを持たないという特殊なもので、これが競技用の7速ギアボックスへと置き換えられているわけですね。※同じハイブリッドでも、フェラーリ296GTBにはバックギアが備わる
加えてサスペンションのセットアップも競技用に、そしてブレーキシステムもレーススペックへと変更されていますが、その冷却効率が向上しているほか、フロントではタイヤ幅を拡大するなど微妙な調整も行われています(グリップ向上が主目的だが、摩耗を遅らせることも考慮されているという)。
なお、ボディパネルの着脱が容易になり、メンテナンス性が(570S GT4に比較して)向上したこともカスタマーチームにとっては見逃せないポイントかもしれません。
ドライバーエイドとしてはモータースポーツ用ABS、アジャスタブルトラクションコントロール、オプションではタイヤ空気圧モニタリングシステム、V-boxテレメトリー、衝突回避システムも用意されており、安全性も向上しているようですね。
マクラーレン・アルトゥーラGT4のコクピットはこうなっている
そしてこちらはアルトゥーラGT4のコクピット。
もちろんFIAの規定に準拠しており、カーボン製バケットシート(オプションで助手席も用意される)、アジャスタブルペダルボックス、イルミネーションつきステアリングホイール、ボッシュ製デジタルメーター、オプションではドリンクシステムも選べるそうですが、最近のレーシングカーにおいて「標準化」が進むエアコンについては(標準装備としてアナウンスされていないので)備わっていないのかもしれません。
このマクラーレン・アルトゥーラGT4のパブリックデビューはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードとなりますが、そこではマクラーレンのワークスドライバー、ロブ・ベル氏がステアリングホイールを握ってヒルクライムに挑戦する、とのこと。
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