| ヒョンデのデザイナーはベントレーやランボルギーニで活躍したルク・ドンカーヴォルケ |
たしかにヒョンデのクルマにはVWグループの各ブランドっぽい雰囲気が感じられる
さて、先日よりティーザーキャンペーンが行われていたピュアエレクトリックセダン「ヒョンデ・アイオニック6(Hyundai Ioniq 6)」が公開。
ただし今回リリースされたのはその内外装のデザインのみにとどまり、バッテリーサイズや走行距離は追って(7月14日に)発表される予定となっています。
ちなみにヒョンデはこのアイオニック6について「エレクトリック・ストリームライナー」と表現しており、その流れるようなラインを強調するため、航空機と並んだオフィシャルフォトを公開したのだと思われます。
ヒョンデ・アイオニック6は「プロフェシー・コンセプト」の市販モデル
なお、このヒョンデ・アイオニック6は2020年3月に発表されたプロフェシー・コンセプトの市販モデルという位置づけです。
このプロフェシー・コンセプトの発表時、ヒョンデにてグローバル・デザインセンターを管理するサンヤップ・リー氏は「このプロフェシー・コンセプトはヒュンダイのデザイン的ヴィジョンを示すもので、未来に対する悲観、そして反対に楽観を表している。まさにプロフェシー=予言なのだ」とコメントし、同時に市販の予定はない、とも。
ただしその後何らかの変化があり、急遽これを発売することになったのだと思われます。
ただ、このプロフェシー・コンセプトを市販するにしても、そのデザインは大きくアップデートされることになり、その方向性は「プロポーションを維持しながらディティールを変更する」という例を見ないもの。
ウナギイヌのようなヌルっとしたスタイルが近代的でクリーンなデザインへと変わったわけですが、その最も大きな理由は「おそらくはヒョンデ史上、もっとも高いデザイン的評価を得た」と思われるアイオニック5のイメージを活かそうと考えたためだと思われます。
このアイオニック5は2019年に発表された「45EVコンセプト」の市販バージョンで、この45コンセプトは、当時から数えてヒョンデが「45年前(1974年)に発表した」ヒュンダイ・ポニー・コンセプトへのオマージュとなっており、「45」を視覚的にあらわすため、45度の傾斜を持つラインが多用されています。
そしてこの市販モデルがアイオニック5ですが、ヒュンダイ45コンセプトの評価が非常に高かったことから、アイオニック5では可能な限りそのデザインを引き継ぐことに。
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ちなみにこのアイオニック5では「ピクセル」ランプが採用されていることが特徴で、とくにこの受けが良かったのか、その後ヒョンデは別のコンセプトカーでもこのピクセルを採用しています。※ミニバンのスターリアにも採用されている
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そのスタイリングがなんとなくポルシェ的だと言われるが
そして今回発表されたアイオニック6にも(プロフェシー・コンセプトでは存在しなかった)ピクセルランプが採用されていますが、ヒュンダイはこれまで「メルセデス・ベンツやBMW、アウディのように、同じデザインのクルマを連発するのは退屈だしやりたくない」とコメントしていて、モデルごとに異なるデザインを採用する”ヒョンデ・ルック”を主張していたものの、アイオニック5の強烈な反響によってアッサリとその方針を翻し、他のクルマもアイオニック5に近づけることにしたのだと考えられます。
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なお、このアイオニック6のデザインは「なんとなくポルシェ的」だとも言われており、たしかにプロフェシー・コンセプトの頃からもそう言われてはいたものの、具体的に「そっくりな部分はない」にもかかわらず雰囲気が似ているという奇妙なクルマでもありますね。
なお、ぼく的な見解を述べるならば、ダックテールやライトバー、後ろ下がりのリアエンドなどが「ポルシェ的」だとは捉えていますが、もっともポルシェ的なのはフロントフェンダーからサイドウインドウの下部、そしてリアフェンダーまでもが1本の線で結ばれていること。
この「前から後ろまで1本のライン」というのは356から続くポルシェの特徴であり、たとえばタイカンだとこう。
そんなん普通やん?と思うかもしれませんが、ほとんどのクルマはボンネットやフロントフェンダーから「一段下がった」ところにサイドウインドウの下辺があり、この連続性が絶たれていることがわかります(ドアミラーの付け根あたりを見るとわかりやすい)。
そしてこういった細かい部分の積み重ねが「アイオニック6がポルシェに似ているという印象」を与えるのかもしれません。
ちなみにこちらはアイオニック6のインテリア。
ヒョンデ アイオニック6を紹介する動画はこちら
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