| それでもポルシェ・タイカンの航続距離はライバルに対して優位に立っているとは言えないようだ |
今後のアップデートにてどこまで伸ばせるかに期待したい
さて、ポルシェが2023年モデルのタイカンシリーズについて、航続距離を大幅に向上させたと発表。
ただしこの向上は物理的な変更を加えたわけではなく、ソフトウエアの改良によってもたらされたものだといい、よって2020年モデル〜2022年モデルのオーナーについてもアップデートにて2023年モデルのタイカンと同じレベルにまで航続距離を引き上げることができるようですね(ありがたい)。
なお、この改良内容の詳細については公表されていないものの、「パワートレイン効率の大幅な向上が」含まれていて、これによってWLTPサイクルで約50kmの航続距離延長につながっているといい、この効率化はAWDモデルにおいて、フロントのエレクトリックモーターをほぼ完全に切り離して非通電状態とし、フリーホイールの摩擦抵抗損失を低減しつつ最適化したエネルギー回生を実現することで成し遂げたとされています。
もっとも航続距離が伸びたのはタイカン・ターボ・クロスツーリスモ
さらにポルシェは、外気温が低い場合に行うバッテリーのコンディショニングを見直して熱管理を向上させたといい、とにかく「地道な努力」が今回の航続距離伸長に繋がったと考えていいのかも。
なお、モデルごとの航続距離改善率は下記の通りで、もっとも走行距離が伸びたのはタイカン・ターボ・クロスツーリスモの14.2%で、当然ながら4WDもでるのほうが改善効果が高くなっています。
メモ
- タイカン・・・4%
- タイカン(パフォーマンスバッテリー・プラス)・・・7.5%
- タイカン4S・・・3.5%
- タイカン4S(パフォーマンスバッテリー・プラス)・・・4%
- タイカン・ターボ・・・12.2%
- タイカン・ターボS・・・10.4%
- タイカン4 クロスツーリスモ・・・9.3%
- タイカン4S クロスツーリスモ・・・6.9%
- タイカン4S(パフォーマンスバッテリー・プラス)・・・4%
- タイカン・ターボ クロスツーリスモ・・・14.2%
- タイカン・ターボS クロスツーリスモ・・・9.9%
まだまだポルシェ・タイカンの航続可能距離は改善の余地がある
なお、今回の大幅な改善にもかかわらず、タイカンシリーズの平均的な航続可能距離は優位性を持っているとは言えず、たとえばタイカンでもっとも長い航続距離を持つのはタイカンGTSの246マイル。
しかしテスラ・モデルSでもっとも長い航続距離を持つグレードだと375マイル(推定)、メルセデス・ベンツEQS 450+は350マイル、そしてルシード・エアーだとベースモデルでも406マイル。
これまでタイカンは「数少ない(発売時だとテスラ・モデルSを除くと唯一の)エレクトリックサルーンの選択肢」ということでテスラからシェアを奪ってきたものの、今回は”追われる立場”となってしまい、他社からの追い上げに苦しむことになるのかもしれません。
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