| たしかにロータス・エスプリは以前から「価格が上がる」と言われてきたが |
ロータス・エスプリにおける28年間での生産台数は10,675台
さて、ロータス・エスプリはぼくの中での永遠の憧れ(ついぞ購入の機会は訪れそうにない)のスーパーカーですが、1976年から2004年までという非常に長きに渡って製造されたクルマでもあります。
2リッター4気筒エンジン搭載のシリーズ1にはじまり、最終的にはV8モデルをラインナップするにまで至っており、今回は2003年モデルの「エスプリV8ラスト・エディション」が144,444ドルにて落札されてちょっとした話題に。
なお、この144,444ドルというと日本円にして約2450万円くらいなので、新車のロータス・エミーラ2台分、そしてフェラーリのV8モデル、ランボルギーニV10モデルの中古車も購入できる価格です。
ロータス・エスプリV8ラスト・エディションの製造は79台のみ
なお、このエスプリV8ラスト・エディションは2003年から2004年にかけて79台のみが製造されており、今回落札された個体の走行距離は15,000マイルだと表示されています。
エスプリV8ラスト・エディションはエスプリ最後のシリーズ4(1994年-2004年)をベースとしており、シリーズ1の持つシャープでシンプルなスタイルから、より有機的な曲線、そして多数のダクトを持つ姿へと変貌を遂げているものの、ポップアップ式ヘッドライトはその初期モデル(下の画像)から継続されるデザイン上の特徴でもありますね。
このポップアップ(リトラクタブル)ヘッドライトは当時のスーパーカーのお約束ではありましたが、現代では法規制、そして空気抵抗の観点からすでに絶滅してしまったテクノロジーです。
今回落札されたロータス・エスプリV8ラスト・エディションのボディカラーはマスタード・イエロー、そしてホイールはフロント17、リア18インチという仕様(ブレーキはAPレーシング)。
テールランプは最終型で導入されたエリーゼ同様のデザインとなり、しかしそれまでのエスプリにはトヨタ・レビン(ハチロク / AE86)のテールランプが装着されています。
搭載されるエンジンは3.5リッターV8ツインターボ、最高出力は355馬力、最大トルクは400Nm。
エンジンの後ろにはけっこう広いトランクスペースも。
フロントには収納スペースはなく、スペアやイヤや補機類がみっちり押し込まれています。
ロータス・エスプリのデザインはもともとジョルジエット・ジウジアーロが担当したもので、同氏は初代ゴルフやデロリアンなどを手掛けたことでも知られ、いずれの作品も「現代でも十分に通用する」新鮮さを持つことに改めて気付かされます。
このエスプリの最終モデルについては「ニュールック」と呼ばれるデザインへと変更が行われ(デザイナーはピーター・スティーブンス)、初期のジウジアーロによるデザインとは大きく雰囲気が変わっており、しかしそれでも「もともとのデザインが優れていたからこそ」ここまで生きながらえることができたのでしょうね。※このエスプリは「スティーブンス・モデル」、日本だと「ニューシェイプ」と呼ばれることも多い、とのこと。情報ありがとうございます。
ロータス・エスプリV8ラスト・エディションのインテリアはこうなっている
そしてこちらがロータス・エスプリV8ラスト・エディションのインテリア。
ドアは「サッシュあり」構造を採用しています。
製造から20年を経過しようという割にはけっこういい状態を保っているようですね。
アルミ製のシフトレバー(5速マニュアル・トランスミッション)、そしてやはりアルミ製のコントロールノブを持っており、けっこう高い質感を持つもよう。
シートにはパイピング、そしてブレックレザーにはダイヤモンドステッチ。
ボディカラー同色の「イエロー」はインテリアの随所に反映されているようですね。
エアコン、パワーウィンドウ、デュアルエアバッグ、アルパイン製オーディオシステム、チルト機構付きガラスルーフが装備されており、快適性にも注意が払われているという印象(アメリカ市場を重視したためだと思われる)。
144,444ドルというと、上述のとおり「かなりの額」ではありますが、新車のスポーツカーを買うよりは確実に値落ちが少なく、フェラーリV8モデル、ランボルギーニV10モデルに比較しても高い価値を維持できるものと思われ、悪い買い物ではないかもしれません。
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