| 発表されている数字だけを見ると、かなり優れているクルマのようにも見えるが |
この価格帯と性能で世界展開すればけっこうなインパクトがあるんじゃないかと思う
さて、「EV計画の見直しを検討し、クラウンEVやコンパクトクルーザー開発を中止した」という報道が出たトヨタですが、お隣の中国では第二のbZとなる「bZ3」を発表。
これは中国におけるトヨタの電動化パートナー、BYDそして車体製造パートナーである一汽トヨタとの共同にて開発された電気自動車ですが、中国市場では「トヨタ初」のピュアエレクトリックセダンでもあり、しかしすでに多数のEVメーカーから星の数ほど登場しているエレクトリックセダンがひしめく中、現地では「まだトヨタはエレクトリックセダンを発売していなかったのか・・・」と驚く声が多いもよう。
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トヨタbZ3のコストパフォーマンスはなかなかに魅力的だが
このbZ3のスタイリングは、一足先に発表されたbZ4Xとよく似たもので、つまりはハンマーヘッドスタイルの「bZ顔」を持っています。
そしてBYD製の「ブレード」バッテリーを搭載することでルーフを低く抑えることにも成功しており、スタイリッシュな外観を持つといってよく、一回の満充電あたり航続可能距離はなんと600km以上。
ただし中国の「航続距離」表記はかなり甘いので現実はこれよりもかなり低いと考えられ、加えて現時点ではバッテリーサイズについても非公開。
なお、(こちらも驚くべきことに)10年後のバッテリー残存率が90%だと述べていますが、さすがにこれは現時点で実現できているとは信じがたく、航続距離とあわせて中国市場向けの「サバ読み」なのかもしれません。※プレスリリースにおいては、「目標」にとどまること、使用状況によってバッテリー残存率が異なり、この数値を保証するものではないという注意書きがある
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bZ3のボディサイズは全長4,725ミリ、全幅1,835ミリ、全高1,475ミリ、そして乗車定員は5名、そしてCd 値は0.218とかなり低い数字を持っています。
トヨタbZ3のインテリアはこうなっている
そしてこちらはトヨタbZ3のインテリアですが、bZ4Xとパーツ的にはよく似ているものの、雰囲気的にはやや異なる構成を持っており、ステアリングホイールのセンターは両者とも共通ながらもグリップ部のトップがbZ3では「フラット(この上を通してドライバーはダッシュボード上のディスプレイを見ることになる)」。
ダッシュボードはbZ3では直線基調、しかしbZ4ではラウウンド型を採用しており、センターコンソールはbZ3ではすり鉢型、bZ4Xでは直線と平面を採用しています。
なお、センターのモニターはbZ3では縦、bZ4Xでは「横」。
ホイールベースは2,880ミリなのでさほど長いわけではありませんが、画像を見ると比較的余裕のあるレッグスペースを持っているようですね。
このbZ3の価格は中国では20万元(約400万円)に設定されており、その性能を考えるとかなり割安だと考えてよく、直接のライバルであるテスラ・モデル3の27万9000元よりも約160万円ほど安価な設定です。
現時点では中国国内向けのみにとどまっていますが、プラットフォームにe-TNGAを使用していることから他の国の工場でも生産することができるものと思われ、反響次第では中国以外にも輸出されるかもしれませんね。
なお、トヨタによると、bZシリーズは「You & Other:sヒトとヒト」「You & Your Car:ヒトとクルマ」「You & the Environment:ヒトと地球」「You & Society:ヒトと社会」の4つを目標価値としているといい、これからも「続々と」bZシリーズが登場するとしています。
そして今回、bZ3の発表に際して「第3の」bZを予告する画像を公開していますが、これは見たところ5ドアハッチバックのように見え、次期プリウスとなんらかの関係性があるのかもしれません。
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参照:TOYOTA