| 北米ではこの不具合が「後方確認ができず危険」だと判断されたようだ |
インフォテイメントシステム全般が使えなくなると、ちょっと困るかも
さて、ランボルギーニ・ウルスが米国とカナダにてリコール(日本だとまだ届け出られていないようだ)。
NHTSA(米国道路交通安全局)によると、その不具合の内容としては「2022年モデルのランボルギーニ・ウルスの一部モデルにつき、インフォテインメント・システムの潜在的欠陥により、ディスプレイとリアビューカメラが操作不能になる」。
その原因はインフォテインメント・システムの電圧レギュレーターの欠陥だとされ、ランボルギーニのサプライヤーであるAptiv社がメインコントロールユニットの組み立てに使用した電圧レギュレーターの中に「高すぎる電圧入力を許容してしまうものがあった」からだと説明されています。
車両に搭載されるシステムが複雑になるにつれ、発生する問題もどんどん複雑化
具体的には、電子システムに想定以上の高電圧がかかり、ドライバーがシステムを停止(クルマを駐車する)際にインフォテイメントシステムが損傷する可能性があるとされ、そしてシステムが損傷すると次にクルマに乗ろうとしたときにインフォテイメントシステムの使用ができない状態になっているといい、そしてこれによっていくつかの機能が使用できなくなるほか、バックカメラが使えなくなるので、(走行性能に影響はないものの)安全性に不安が生じるということに。
なお、現時点でリコール対象となっているのは48台のランボルギーニ・ウルスのみですが、ほかのウルスにも潜在的な欠陥の可能性があるといい、おそらくランボルギーニは「欠陥の範囲」について現在調査しているところだと思われます。
アメリカではこの問題は「後方視認性」に関する規制に抵触するとされ、具体的にはFMVSS 111に準拠していないため、ランボルギーニがこの問題を修正するまでは車両を販売できないとも報じられています。
そしてこの問題の修正に関してはプログラムのみのでは解決できず、「インフォテイメントシステムの交換が必要になる」とされ、ランボルギーニにとってはけっこうな負担となるのかもしれません(もちろん、サプライヤーが責任を持つ契約になっているものと思われる)。
北米では販売店には12月9日からリコールの案内がなされ、顧客には12月16日に通知が郵送されるといいますが、ランボルギーニはオーナー向けの公式アプリ「NUICA」を通じてオーナーに通知する予定だともアナウンスしています(たしかに、ウラカンEVO RWDのアップデートなどはアプリ経由でお知らせが届く)。
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自動車メーカー側には「予測できない」問題も
現在の自動車は非常に高いレベルで電子化されており、毛細血管のように端から端までケーブルによって通信されているわけですが、その制御プログラムや電子デバイスについてはサプライヤーに依存するケースがほとんどであり、よって自動車メーカーとしては「予見できない」問題も多く、そして今後はさらにそれが増加する可能性があるのかも。
ランボルギーニはまだ物理的なスイッチや操作の分散が行われているので万一の際にも問題が最小限に抑えられるかもしれませんが、物理スイッチを排除してエアコン含む車両の多くのシステムをインフォテイメントシステムにて操作する場合、これがダウンしてしまうと「なにもできない」ということにもなりそうですね(そういえば、ウラカンEVO RWDはエアコン操作をインフォテイメントシステムに依存している)。
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