| やはりEVの修理費用は様々な理由において高額になりがち |
これを考慮するとハマーEVの保険はとんでもなく高いのかもしれない
さて、つい先週、納車されて20分後、距離にしてわずか30kmのみの走行でハマーEVを壊してしまったユーチューバー。
その理由としては、ちょっとした溝に突っ込んでしまったからで、それが原因でサスアーム等を破損することとなってしまったわけですね。
そしてこの話には続報があり、結局このハマーEVは修理せずに売却してしまったそうですが、GMCから出てきた見積もりはなんと78,000ドル(日本円で1083万円)だったのだそう(このハマーEVは10万9000ドル=1513万円で購入している)。
-
納車後わずか20分、走行30kmの走行でハマーEVをクラッシュさせてしまったユーチューバー。「今までアップした動画の中でもっとも高くついた・・・」
| 見た目は軽微な破損に見えても、EVだけにどこにどう影響が出るかわからない | もしかするとこれでも廃車になる可能性が出てきそう さて、現在GMCハマーEVはもっとも手に入りにくいクルマのひとつであ ...
続きを見る
見た目よりもその破損度合いは大きかった
この事故によってフロントのラジエター、アンダーガード、リアサスペンションが破損していることは目視にてわかっていましたが、事故後にGMC正規ディーラーへと持ち込んで破損状況をチェックし見積もりを出してもらったところ、フロントサブフレームが曲り、ショックが破損し、フロントスキッドプレートは引破壊され、エアコンコンデンサー、バッテリー冷却システム(ラジエーター)、リアタイロッドにもダメージが及んでいたほか、「リアフレームの左側より右側のほうが2.5インチ高くなっていた」といい、ボデイ全体が歪んでいたのだそう。
そしてこの問題を修復するには78,000ドルが必要となり、もっと大きな問題としては「修理のための部品が手に入らないこと」。
よってこのユーチューバーはこのハマーEVの修理を断念し売却することに決めたと語っています。
さらに状況を悪くしたのは、ユーチューバー氏が保険に加入していなかったことで、そのため購入金額から売却金額を差し引くと8万ドル(1110万ドル)の損失が出たもよう。
-
ハマーEVのテールランプの価格はひとつ45万円だった・・・!おそらくはこれに限らず、最近のクルマのランプ類は高度化かつ複雑化し、かなり高くなっていそう
| たぶん量産車で一番高価なのはポルシェ911のテールランプなんじゃないかと思う | そしておそらくメルセデス・ベンツも負けてない さて、近年自動車の価格がどんどん高くなっていますが、それはインフレの ...
続きを見る
やはり車重の重さが一因か
ユーチューバー氏によれば、今回の事故の被害の大きさは「車体重量の重さ」に起因しているのではと語っており、事故発生当時はダートにて車体をスライドさせようと考えたためにトラクションコントロールをオフにしており、それによってサスペンションがボトムしきってしまい、よってサスペンションが動かなくなってダメージが最大化したのではと推測しています。※ハマーEVの重量は4,103–4,282kgもある
-
ハマーEVは「環境に優しい」クルマとなるはずだったが・・・。実際はガソリンエンジン搭載セダンよりも多くのCO2を排出し、環境に負荷をかけるという試算結果
| ハマーEVはあまりに大量の電力を消費し、その分の電力の発電に際して発生するCO2はガソリン車よりも多い | このまま「パワフルで重い」EVを多くの自動車メーカーが作り続ければ、CO2削減からは大き ...
続きを見る
それでもこのユーチューバー氏は驚くべきことに「後悔していない」といい、というのもこれまで常に「5年に1台」を処分する(入れ替える)というサイクルを実施していて(ノルマのようなものらしい)、しかし今回ハマーEVが1台廃車になったことでそのノルマが達成され、そのぶん別の1台を処分せずに済んだからだと語っています。
ちなみに現在同氏が他に所有しているのはスーパーカーばかりで、スーパーカーを処分するよりはハマーEV1台を失ったほうがマシだったと自分を納得させているようですが、もしかすると、そうでもしないと「やってられない」のかもしれませんね。
-
「フェラーリF40を購入して1日で後悔することになった・・・」給油時には20分エンジンを冷やさねばならないなど、人気ユーチューバーが語るその理由とは?【動画】
| 色々と細かいところは気になるものの、全般的には満足しているように思える | ただし古いスーパーカーだけあって相当に気を使う場面も多いようだ さて、フェラーリF40を買って「1日で後悔した」という動 ...
続きを見る
あわせて読みたい、関連投稿
-
保険会社「EVの事故はEVの特殊性に起因して修理費用が高額になる傾向がある。なおEVの事故は加速時に多く、ガソリン車に比較して50%多い」
| このままではEV普及のツケはそのユーザーに回ってきそう | これもまた急速にEVを普及させようとした副作用なのかもしれない さて、保険会社アクサ(AXA)がEV(電気自動車)の事故に関する特殊性を ...
続きを見る
-
「ちょっとした事故でも車両購入金額の2倍の修理費用を請求された」。中国にてEVオーナーから苦情が噴出。いったいなぜこんなことに?
| EVのコストの40~60%がバッテリーパックによって占められ、これを損傷すると「全交換」に | 加えてEVは販売台数がまだ少なく、パーツ価格が割高だとも指摘されている さて、現在「EV先進国」とい ...
続きを見る
-
カナダでもEVの高額な修理コストが話題に。450万円のEVのバッテリー交換費用が250万円、そのほかPHEVのバッテリー交換に220万円を要した例も
|日本だとそれほど多く走る人が少ないせいか、あまり問題とはなっていないようだが | EVは維持費は安いものの、購入時は「高価」、売るときは「安価」、そして保険料やもしもの際のコストが高く、トータルで見 ...
続きを見る
参照:Road & Track