| たぶん量産車で一番高価なのはポルシェ911のテールランプなんじゃないかと思う |
そしておそらくメルセデス・ベンツも負けてない
さて、近年自動車の価格がどんどん高くなっていますが、それはインフレのみではなく、構造そのものが複雑になったり、どんどん厳しくなる安全基準や環境規制に対応するための装備(触媒など)、さらにはインフォテイメントシステムのように消費者が求める機能など高価な素材やパーツが使用されるようになったことも原因のひとつで、つまりは「必然」といえるものも多々あります。
一方で、規制や消費者側ではなく、自動車メーカー側の事情にてコストが高くなっているパーツもあり、その例の一つがヘッドライトやテールランプ。
ヘッドライトだと「マトリクスヘッドライト」「レーザーヘッドライト」、テールランプだと「OLEDヘッドライト」など、消費者が「そこまではいらんわ・・・」というモノであっても、自動車メーカーがその技術をアピールしたり、他社との差別化を行うために導入する例も存在しているわけですね。
ハマーEVのテールランプは1つ45万円
そこで今回話題となっているのが「ハマーEVのテールランプの価格が1つ45万円(3,045.48ドル)」ということ。
これは正式にGMが公開したパーツ価格だそうですが、ちょっと当てて外側のレンズを割ってしまうと45万円が飛んでゆき(内部まで一体化していてレンズだけの交換ができないので)、仮にバックしていて後ろを当てて2つを割ってしまうと90万円が瞬時に消え去るということを意味します。
これだけその価格が高額である理由はわかりませんが、もちろんフルLEDであることや、高度な制御がなされていることに関連しているのだと思われ、とにかく「破損しないよう」に注意したいもの。
なお、EVn修理費用はガソリンなど内燃機関を積むクルマに比較して高額になりがちだと言われていますが、このハマーEVについては、仮に車体を破損するようなことがあれば、その修理費用も「とんでもない額」になるのかもしれませんね。
加えて、ヘッドライトや、ヘッドライトの間にある「光るグリル」もかなり高額であることは間違いなく、フロントも「当てないよう」細心の注意が必要なのは間違いないものと思われます。
その他にはこんな高そうなテールランプも
なお、上述のとおり各自動車メーカーともヘッドライト、テールランプを複雑化させていますが、とくにアウディやメルセデス・ベンツはその傾向が強く、たとえばEQSに採用される、「内側に螺旋状の発光エレメントが入っている」テールランプはかなり高そう(ハマーEVのテールランプよりも高そうだ)。
Sクラスのテールランプもけっこう高いだろうな・・・という感じ。
最近のアウディもかなり複雑な構造を持つテールランプを持っていて、こちらもけっこうな価格になりそうですね。
なお、現行ポルシェ911のテールランプは幅が140センチあり、これはなんと「1本モノ」。
マカンやタイカンなども横一文字のテールランプを採用していますが、これらはテールゲートによって分割されているので部分的に交換ができ、しかし911の場合は分割構成となっておらず、右から左までのテールランプが「1本」なので、もし片側の橋の方だけでも破損すると全部交換する必要があり、おそらくは自動車業界(ブガッティなどを除く量産車)でもっとも高価なテールランプなんじゃないか、と考えています。
-
新型911の外装デザインに関わったポルシェ唯一の日本人デザイナー「テールランプの長さは1.4メートル。私はそれを日本刀と呼んでいる」
| 新型911のデザインは過去の解釈からはじまった | OPNERSにて、ポルシェ唯一の日本人デザイナー、山下周一氏へのインタビューが掲載に。同氏は以前にも「パナメーラ・スポーツツーリスモのデザイナー ...
続きを見る
あわせて読みたい、ハマーEV関連投稿
-
ついにハマー復活!「HUMMER EV」としてフル電動に。1000馬力とスーパーカー並みの加速を持ち、お値段1190万円
| 正直、この性能と機能でこの価格であれば「安い」? | さて、アメリカ人にとっては大きな関心ごとである「ハマーEV」がついに正式発表。ハマーブランドは2010年に一旦廃止となっており、今回の復活は独 ...
続きを見る
-
ハマーEVは「環境に優しい」クルマとなるはずだったが・・・。実際はガソリンエンジン搭載セダンよりも多くのCO2を排出し、環境に負荷をかけるという試算結果
| ハマーEVはあまりに大量の電力を消費し、その分の電力の発電に際して発生するCO2はガソリン車よりも多い | このまま「パワフルで重い」EVを多くの自動車メーカーが作り続ければ、CO2削減からは大き ...
続きを見る
-
GMCハマーEVは1日わずか12台しか生産できていなかった・・・。このままだと納車にかかるのは17.5年、しかしGMは「それでも我々の顧客は喜んで納車を待つ」
| 今後、どこまで生産台数を増やすことができるかがカギとなってくる | かつてテスラが直面した問題に対し大手自動車メーカーも直面することに さて、GMは2020年10月にGMCハマーEVを発表していま ...
続きを見る
参照:The Drive