| どう考えても物理的な故障と思えるケースでも無線アップデートで解決できるのは非常に不思議 |
テスラは無線アップデートで解決できる問題は「リコールと呼ぶべきではない」と主張
さて、テスラが米国と中国にて大規模リコールを発表。
まず米国については、テールライトが点灯しない可能性があることを巡り、モデルYおよびモデル3あわせて32万1000台以上のリコールを発令しています。
米国道路交通安全局(NHTSA)に届け出た内容だと、10月19日から2022年11月5日の間に製造された特定の2023年モデル3と、2020年5月24日から2022年11月9日の間に製造されたモデルYが対象となっており、これら対象車両では、片方または両方のテールライトが断続的に点灯しなくなるおそれがある、とのこと。
加えてテスラは、リコール報告書の中で、潜在的な対象車両は321,628台であり、車両の製造、構成、ファームウェアの記録に基づいて対象車両を特定したと述べていて、実際に米国で走行中の車両の1%未満がこの不具合を抱えていると推定しているようですね。※主に海外市場から、車両のテールランプが点灯しないというクレームがあったもよう
またしても問題はオンラインで解決
さらに詳しくその内容を見てみると、「まれに、対象車両の片側または両側のテールランプが、ファームウェアの異常により断続的に点灯し、車両起動時に誤った故障検出をすることがあり、ブレーキランプ、バックアップランプ、ターンシグナルランプはこの症状の影響を受けず、設計通りに動作し続けます」という記載が見られます。
テールランプが点灯しない場合、もちろん後続車からは、先行するテスラが「ブレーキペダルを踏んだ」ことがわからないので、そのぶん追突するリスクが増えるということですが、この修正については例によって「オンライン(OTA=Over-The-Air)」にて修正ができるといい、先日の「パワーウインドウの挟み込み検知機能」といい、こんな不具合までソフトウエアの修正、そしてオンラインで修理できてしまうのか・・・と驚かされます。
なお、こういった「なんでもオンラインで修正可能」なテスラの特徴につき、他社は(修理コストを引き下げることができるので)非常に羨ましく思っているという話もありますが、なかなかここまでは真似できないようですね。
ちなみにテスラは自社のクルマを「タイヤのついたコンピューター」と表現していますが、まさにコンピューター(のOSやソフト)の不具合が修正アップデートにて是正されるがごとく、テスラのクルマも修正アップデートで簡単に不具合が(物理的なものまで)直ってしまうということですね。
今回修正するのは車両起動時の誤検知の原因となるファームウェアだといい、この改善策により、すべてのテールランプが設計通りに動作するようになるともレポートに記載されています。
参考までに、生産中または納車前の格納庫にある車両には、2022年11月6日の時点でこの問題を修正する最新のファームウェアが提供されている、とのこと。
中国では「シートベルト」に問題が
そして中国からは、テスラが80,561台のリコールを届け出たという報道があり、これによると問題が「電気系統およびシートベルト」。
中国国家市場監督管理総局の発表によれば、「電気系統」に問題のある対象車として、モデルSとモデルXで67,698台が指定され、これはバッテリーの管理システムに問題があるのだそう。
シートベルトに関する問題はモデル3のみ(アメリカから輸入された2736台と、中国で生産された10,127台)で、ベルトが固定されていない可能性があるそうですが、ちょっと理解し難いことに、これもまた無線アップデートによって不具合を改善できると報じられています。
なお、テスラについては、こういったリコール問題が大きく報じられることが多々あるものの、イーロン・マスクCEOは、米国市場においてNHTSA(米国道路交通安全局)は時代に合わせて進化すべきであり、これらのOTAソフトウェアアップデートを「リコール」と呼ぶのをやめるべきだと主張しているようですね。※実際のところ、物理的な修理を伴わないものは(定義上)リコールと呼ばないらしい
あわせて読みたい、テスラ関連投稿
-
テスラに対する消費者の興味が「急落」?調査によるとテスラを購入しようと考える人の関心はプレミアムカーセグメントでもっとも下がっているそうだ
| ただしその調査内容は見る角度によっては異なる結論も見いだせる | 数字は捉えようによってはどう解釈することも可能なので恐ろしい さて、様々な報道がなされるテスラですが、今回は「米国においてテスラの ...
続きを見る
-
修理工場を持たないテスラの代わりにGMがテスラを修理していた!GM「これは新しいビジネスになると言わざるを得ない。収益源として成長中」
| すでにGMは11,000台以上のテスラを修理済み、同時にノウハウも蓄積しているようだ | テスラも整備拠点不足の問題を解決でき、顧客としても利便性が向上するという、まさに「Win-Win」 さて、 ...
続きを見る
-
ハイパワーEVが走る凶器に!とんでもない速度でテスラが加速し周囲のクルマや自転車を跳ね飛ばして暴走、2名が死亡して3名が重傷を負う【中国動画】
| ここまでの速度で暴走するクルマは今までに見たことがない | しかも相当な長距離を走り続けているようだ さて、中国にてテスラ・モデルYが信じられないようなスピードにて暴走して次々とクルマや自転車など ...
続きを見る
参照:NHTSA