| このオーナーは悔やんでも悔やみきれないだろう |
いかに面倒といえど、大事に繋がる可能性があるトラブルにはしっかり対処しておきたい
さて、ステランティスが「同グループにて、3件目のタカタ製エアバッグに起因する死亡事故が発生した」と発表。
ステランティスが発表した内容によれば、ステランティスはこのクルマのオーナーに対し、2018年にエアバッグのリコールに関して連絡を取ったものの、オーナーが交換を断り、しかしステランティスはそこから今までの7年間に渡り合計114回も緊急通知を送ったのだそう。
ただしこのオーナーは通知に応じず、7月に対象車両を家族に貸した際に不幸にも事故が発生してしまい、そこでエアバッグが破裂するという二重の不幸に見舞われた、とされています。
この事故の詳細は不明だが
なお、今回の死亡事故の詳細については不明ではあるものの、車種は旧FCA(フィアット・クライスラー)の製品だとされ、エアバッグが展開したときにドライバーの顔や首に破片が飛び散り、それが原因となって乗員が死亡した可能性が報じられています(インフレータ容器が劣化し、そのためエアバッグ展開時にその破片が飛び散る)。
今回の事故はステランティス(のうちの旧FCA車)における3件目のタカタ製エアバッグに起因する死亡事故だといい、ステランティスは遺族に対してお悔やみを述べているものの、交換に応じなかったのであればどうしようもなかったのかもしれません。
さらにはこの事故をきっかけとして、ステランティスは、特定の年式のダッジ・チャレンジャー / チャージャー、クライスラー300Cのオーナーに対し、直ちに使用を中止して修理の手配を行うように呼びかけており、修理の際にはレッカー車を手配する、とも(もちろん修理に係る費用は無料)。
まだエアバッグが交換されていない車両が276,000台も存在
なお、ステランティスによると、旧FCAの車両でエアバッグが交換されていないリコール対象車両(2005年〜2010年)が276,000台もあるといい、つまりはこれらの車両が万一(エアバッグが展開するような)事故を起こした場合、乗員が死亡する確立が非常に高いということを意味します。
ステランティス社の技術安全および規制コンプライアンス担当グローバルヘッドであるトム・マッカーシー氏によれば「エアバッグのインフレータが交換されないままだと、日ごとにリスクが高まるため、ここでは時間が重要な要素になります」としており、自動車メーカーにとってもこれは大きなリスクだということに(インフレータ容器が加水分解するため、時間が経てば経つほど容器が分解しやすくなる)。
エアバッグ問題は当時大きく報じられ、よって多くの人が潜在的な危険性を認識し、日本だと関係のない人までディーラーに問い合わせたりする例が多そうですが、アメリカだと自身のクルマがリコール対象だとわかっていたとしてもリコールに応じないという人々がこれだけいるということに驚かされます。
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