| 「テーラーメイド」では様々な提案を受けながら自分だけのフェラーリを作ることができる |
傍目には「どこをどうカスタムしたのかわからない」ほどの自己満足にコストを投じることができるだけの覚悟が必要
さて、フェラーリは自社のパーソナリゼーション部門「テーラーメイド」にて様々なカスタムを提供してくれますが、そこでは自分だけのボディカラーの調合や特別な(通常オプションにはない)フィニッシュや塗り分け、グラデーションなどの特殊なペイントのほか、インテリアだとこれもまた特別な素材の仕様や加工などを用いた仕上げを行ってくれるようですね。
そしてこれまでにも、フェラーリは自らテーラーメイドを通じてカスタムした車両を適宜公開していますが、今回はひときわ特別な仕様を持つフェラーリ812GTSをオフィシャルマガジンにて紹介しています。
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その名はブルージュエル
そして今回フェラーリが紹介するのは、エマ・ヘイグさんという女性オーナーの乗る812GTSで、そのボディカラーは「ブルージュエル」。
これはエマ・ヘイグさんが大切にしている指輪にはめ込まれたサファイアをイメージしているそうで、これは彼女専用のワンオフカラーであるようですね。
なお、エマ・ヘイグさんは17歳のとき、父の友人が乗ってきたフェラーリF40を見たときフェラーリに一目惚れしたといい、その後自身でビジネスを立ち上げ、ヘルスケア部門のデータ分析会社を成功させた後に458イタリアを購入したのだそう。
その後ディーラーから「テーラーメイドを利用して車両をオーダーしないか」と話をもらい、しかしその際にはピンとくるクルマがなく、しかし812GTSが発表された際に「このクルマしかない」と直感し、812GTSをテーラーメイドにて仕上げることにしたと語っています。
なお、ボディカラーは上述のとおり「お気に入りの宝石」にマッチさせることで比較的スムーズに決定したそうですが、インテリアについてはお気に入りのカラーをいくつか慎重に組み合わせており、彼女の好む「レッド、ネイビー、グレー」という3つのカラーがマッチングさせられています。
「小さく、上品なディティールを加えたかった」
エマ・ヘイグさんは「小さな、そして上品な」ディティールをインテリアに与えたかったと語っており、というのも812GTSそのものが上品かつクラシカルなクルマであるからだと説明していて、結果的にポルトローナ・フラウのレザーとロロ・ピアーナのカシミヤを組み合わせることとなっていますが、このグレーのカシミヤはシートサイド(上部)とセンターコンソールに用いられており、彼女いわく「ゴージャスなピン・ストライプをあしらったイブニング・スーツのようなもの」。
さらにポルトローナ・フラウのレザーシートには、「アマローネ・レッドのような」カラーを選んでいて、しかし傍目には通常の選択肢として提供されるレッドと大きく変わらないように見え、しかしこういった部分に(自己満足のために)お金を払える人でないとテーラーメイドを活用する資格はないのかもしれません。
なお、エマ・ヘイグさんは自身を指して「デザインの素養はない」といいますが、ここまで素晴らしいクルマに仕上げることができたのはテーラーメイドのスタッフの提案、そして「自分が、自分の好きなものを知っていたから」だと謙遜していて、つまりは明確に「こうしたい」というビジョンは当初持ち合わせていなかったものの、自分が好きなものをテーラーメイドのスタッフに伝えたところ、様々なフィードバックが返ってきたということになりそうです。
それらはつまり宝石のようなブルー、彼女が夏でも冬でも身につけることが多いというレッド、ネイビー、グレーという色であったりするのだと考えられ、しかしもうひとつこのフェラーリ812GTSで特筆すべきは一部のエンブレムやディティールに用いられる「マット仕上げ」。
フロントとリアに装着される「跳ね馬(プランシングホース)」エンブレムは通常のポリッシュ仕上げではなく「マット」を選択しているといい、車内に使用されている(本来はクロームの)パーツも全てマット。
これによって「ブラシ仕上げを行ったかのようなサテンフィニッシュ」を実現できたといい、いっそうエレガントなクルマとなっているようですね(ちなみにぼくのフェラーリ296GTBのリアにある”Ferrari”エンブレムにはマット仕上げを選んでいる)。
はたしてエマ・ヘイグさんは自分だけの、そして自分が好きな要素を視覚化したフェラーリ812GTSを手にすることになりますが、その際の感動は言葉に表すことが難しいほどで、ただただ「美しい」と感じ、そして涙を流すことしかできなかったと語っています。
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