| たしかにちょっと前からメルセデス・ベンツは大幅にラインアップを入れ替えると発言していたが |
今後のメルセデス・ベンツは高価格・高収益モデルに特化するようだ
さて、メルセデス・ベンツは昨年5月に「ラインナップを縮小させ、より利益率の高いトップエンドラグジュアリー車とコアラグジュアリー車に集中すること、エントリーラグジュアリー車については今後も存続するもののラインアップを半減させる」ことを目的とした新戦略を発表しています。
ただ、その後はこの戦略に沿った動きが見られなかったものの、今回やや具体的な報道がなされており、それを見ると「現在33あるボディスタイルのうち、生き残るのは14のみ」という衝撃的な内容に。
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今後、メルセデス・ベンツではこういったラインアップが消滅する
今回の報道はメルセデス・ベンツの「トップマネージャー」が語ったものだといい、消滅するのは「クーペとワゴン」がメインとなるもよう。
その根拠としては(おそらく全世界での販売効率を優先し)「欧州でしか人気のないようなモデルはもう必要ない」というもので、すでにSクラス・クーペとコンバーチブルが販売終了となり、CクラスとEクラスにおけるクーペとコンバーチブルを統合する形で「CLE」クラスが新設されるということもすでに報道済みですね。
ただ、これらは氷山の一角であり、今回新たに出てきた話だと「CLSが2024年に廃止される」「AMG GT 4ドアもその後に廃止される」というので、なんとAMG GT 4ドアは1世代のみしか存続できないということに。
そしてさらに驚くのは、人気のはずのSUVですら「整理」の対象になってしまうことで、GLEとGLCのクーペはいったん次世代モデルで登場するものの、GLE/GLC全体のモデルライフ終盤にはクーペの販売が終了となるもよう。
加えてCクラス・ステーションワゴンは2028年に廃止となり、Eクラス・ワゴンもいったんフルモデルチェンジで生きながらえつつも2030年にはこれも消えてしまい、相当な”死者”が出ることに。
メルセデス・ベンツは「台数稼ぎに走らない」
なお、メルセデス・ベンツは「我々は、単に販売台数を稼ぐためだけのステーションワゴン、パフォーマンスが低いハッチバックを必要としていない」とも語ったとされ、やはりアメリカ市場で人気のないワゴンそしてハッチバックは容赦なく削られるもよう。
ちなみにですが、現在自動車市場としてナンバーワンの中国とアメリカはよく似た嗜好を持っており(ただし完全一致ではない)、ステーションワゴンとハッチバックが売れず、セダンとSUVを好むというところに類似性が見られます。
よって、メルセデス・ベンツはこれら市場に特化する可能性が高く、他市場を切り捨てる可能性も見えてきそうですね。
一方、新たに追加されるのは2026年に登場するという新型4ドアクーペ(これがAMG GT4ドアの穴を埋めるのかも)、SLとVクラスのマイバッハバージョン、そしてやはり2026年にはGクラスよりもさらにハードなGLGで、まさに利益率の高い大型車、そして超高級車、超高性能車に特化すると発言したとおりの方向に進むことになりそうです。
そして注目すべきは少量生産シリーズのミトス(Mythos)であり、こちらからはGクラスベースのピックアップ、そしてガルウイングドアを持つSL300のオマージュモデルが登場する可能性が大。
さらに今回の報道だと、将来のモデルの多くは電気自動車となり、最大150kWhの容量を持つ強力なバッテリーのおかげで大きな(航続距離の)飛躍を見ることになるとされ、 WLTPサイクルで最大500マイル(805km)の航続距離を実現しつつ、270kWのDC急速充電機能によって充電時間も大幅に短縮される可能性が指摘されています。
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参照:Car & Driver