軍用車両であっても脱炭素化は不可欠！英国防省が軍用ランドローバーのエレクトロモッドを開始、2030年には全車両電動化、2050年にはカーボンフリーへ

｜　すでにエレクトロモッドの実績がある民間企業と契約済み、まずはテスト用車両4台を電動化　｜

今後、内燃機関からエレクトリックパワートレーンへのコンバートはひとつの大きなビジネスになるのかも

さて、現在さまざまな自動車メーカー、そしてサードパーティーが「（ガソリン車から）EVへのコンバート」を行っており、カリフォルニア州だとこれを推進するため、内燃機関からエレクトリックパワートレーンへの換装を行う消費者に対して補助金を出す、という報道も見られます。

そして今回あたらに報じられたのが「英国陸軍が、ランドローバーの軍用モデルをEVへとコンバートし、エレクトリックモビリティへの移行を開始する」というニュース。

すでにこのランドローバーのEVコンバートに際しては英国国防省と民間企業が契約済み

そしてこの「ランドローバーのEVコンバート」については防衛企業のバブコック・インターナショナルと英国国防省（MOD）との間で契約が締結されているといい、まずは4台のランドローバーのエレクトロモッドを皮切りにエレクトリック化を推進するもよう。

さらにこのバブコック・インターナショナルは、EV化の専門企業であるエレクトロジェニック社と提携してランドローバーのディーゼルエンジン搭載車を改造することになるそうですが、エレクトロジェニック車はすでにポルシェのいくつかの（911含む）モデルをピュアエレクトリック化するパッケージを発売しており、それなりの実績を持つ会社でもあります。※過去にはランドローバー・ディフェンダーをEV化したこともある

今回のランドローバー4台は、ドロップインキットと改良型バッテリーシステムを使って改造されることになるそうですが、そのコンバートが終了した後には装甲試験開発ユニット（ATDU）に引き渡され、いくつかの軍事・戦場シナリオに実際に投入されるといい、その中にはウェーディングや牽引能力のテスト、険しい地形への対応、さまざまな過酷な気候での性能のテストも含まれる予定だとされています。

今回のプロジェクト開始に際し、バブコック社のクリス・スパイサー氏は「これは、代替エンジン技術を調査する絶好の機会であり、英国陸軍がディーゼルの廃止に伴いランドローバーの寿命を延ばすことを可能にします。私は、改造されたランドローバーが、ディーゼルやハイブリッド車と同等のテスト環境でどのように機能するかを見るのが楽しみでなりません」とコメント。

なお、英国では軍用車とて「脱炭素」が必須だとされており、国防省は2030年に（軍用車すべてを）電気自動車に移行し、2050年までに炭素排出量を正味ゼロにするという大きな目標にを持っており、今回の4台のランドーバーは「その第一歩」。※電動化が可能となれば、現在のランドローバーも退役しなくていい

ただ、いかに2050年であっても航空機や船舶を「CO2排出量ゼロ」とすることは難しいものと思われ、この国防省の目標は「車両」に限ってのことなのだと思われます。

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参照：CARBUZZ