| パガーニ以外にメルセデスAMGが「専用エンジン」を提供する例は他にない |
おそらくパガーニは当面このV12エンジンを継続して使用することになるだろう
さて、パガーニが製造を委託しているメルセデスAMGにて、そのV12エンジンが生産されてゆく様子を収めた動画を公開。
パガーニがメルセデスAMGのエンジンを使用するのは同郷(アルゼンチン)のレーシングドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオのアドバイスによるもので、ファン・マヌエル・ファンジオはアルファロメオ、マセラティ、フェラーリ、そしてもちろんメルセデス・ベンツのファクトリードライバーとして活躍し、F1においては(ミハエル・シューマッハに抜かれるまで)5度のワールドチャンピオン記録を46年間も保持していた人物です。
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パガーニのV12エンジンはこうやって作られる
今回公開された6リッターV12エンジンはユートピア、ウアイラR、イモラ ロードスターに積まれるツインターボM158型。※過去にはNAのM120、7.3リッターのM297が積まれたこともある
なお、現在このエンジンの組み立てが許される技術者はわずか2名だといい、今回動画に登場するのはメルセデスAMGでは最高のエンジンビルダーの1人とされるミハエル・キューブラー氏。
ミハエル・キューブラー氏は過去にS65、SL65、CL65向けの”65”AMG エンジンの製造を担当し、その後はより高い技術が要求される特別モデルやマイバッハ用エンジンの組み立てへと活躍のステージを上げた人物。
そしてついにパガーニ向けエンジン製造主任の役職をオファーされることとなったわけですが、動画ではその一連の工程を見ることが可能です。
文字通りこのエンジンは「手組み」となっていて、ミハエル・キューブラー氏は落ち着いた動作で、そして無駄なく確実にエンジンを組みた立ててゆきます(軽々とエンジンの各パーツを持ち上げており、凄いパワーである)。
こちらはピストンの組み込み。
12個全てを取り付けた後にクランクを回転させていますが、信じられないほど軽い力でスムーズに回っており、いかにフリクションが小さいかがわかります。
そしてエキゾーストマニホールドを取り付け・・・。
ボルトにはカッパーを用いているようにも。
最後はワン・マン、ワン・エンジンを証明するミハエル・キューブラー氏のプレートを取り付けて完成。
メルセデスAMGが「他社のために」エンジンを特別に製造する例はパガーニのみ
なお、メルセデスAMGはアストンマーティンにV8エンジンを供給していますが、これは資本関係があるためで、これを除くと同社が他社のために専用エンジンを供給する例はパガーニのみ。
パガーニ創業者、オラチオ・パガーニ氏はインスタグラムへの投稿にて、「イタリアには『スクアドラ・チェ・ヴィンス・ノン・シ・カンビア(Squadra che vince non si cambia)』ということわざがある。これは『勝ったチームを決して変えてはいけない』という意味です」とコメントしており、すなわちこれは「パガーニとメルセデスAMG」の関係性を指しています。
そしてこの言葉の通り、メルセデスAMG製のV12エンジンを(しばらく)搭載し続けることは間違いなく、実際のところパガーニはメルセデスAMGが提案した「V8ハイブリッド」システムの搭載を見送っているほか・・・。
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4年にわたる検討のうえでピュアエレクトリックカーを作らないと断言しており、つまりパガーニにとって「V12以外の選択肢はない」ということになりそうですね(パガーニにとって重要なのはパワーではなく軽量性とドライバビリティであり、それを実現できるパワーユニットがV12であると考えられる)。
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パガーニのV12エンジンが組み立てられてゆく様子を収めた動画はこちら
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