| やはり成功するのは「夢」を具体的に描き、それに向かって行動できる人であるようだ |
パガーニの成功は現代における「神話」と言っていい
さて、パガーニが最初の市販車を発売してからの25周年を記念し、「25th years of Pagani Automobili | 1998-2023」なる動画を公開。
ここでは、創業者であるオラチオ・パガーニ氏の幼少期から現在に至るまでの足跡を記していますが、同時に(パガーニ本社のある)イタリアはモデナにて「25 years - 25 Hypercars」なる展示イベントが行われており、ここではパガーニ・ゾンダ、ウアイラ、最新モデルであるユートピア、そしてオラチオ・パガーニの音楽への愛を含めた音楽活動についても紹介されている、とのこと。
パガーニはこうやってはじまった
そこで今回公開された動画の内容を紹介してみると、こちらは1967年(12歳)のオラチオ・パガーニ坊やの再現。
オラチオ・パガーニ氏は1955年にアルゼンチンにて生を受けていますが、幼少期よりスポーツカーに憧れており、街を走るスポーツカーを見つけては自転車で追いかけていた、と別の動画にて語っていますね。
この頃からエンジニアリングに強い興味を示し、現地の大学でもデザインとエンジニアリングを学ぶことになり、自身にてFRPを使用してレーシングカーのボディパネルを製作したり、F2マシンを自作したこともあるのだそう。
この動画の部屋は可能な限り当時の様子を再現したものだと思われ、雰囲気からするに比較的裕福な家庭にて生まれ育ったようですね。
イタリアではランボルギーニに職を求める
その後オラチオ・パガーニ氏は単身イタリアに渡り、スーパーカーの聖地であるモデナにて職を探し、なんとか潜り込んだのがランボルギーニだとされ、雑用係から始まり、最後は技術主任にまで上り詰めますが、カウンタック25thアニバーサリーを手掛けたことでも知られます。
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幼少期から技術志向であったためか先端技術にも強い関心を示しており、ランボルギーニではカーボンファイバーを多用したカウンタック・エボルツィオーネを製作したこともあり、しかしカーボンファイバーの大量採用はコストが掛かりすぎるということでランボルギーニでは正式にプロジェクトへのGOサインが出なかったということも。
そこでパガーニを辞し、(ロマーノ・アルティオリ時代の)ブガッティにてEB110の開発に携わり、そのメンバーらと設立したのが現在のアウトモビリ・パガーニです。
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アウトモビリ・パガーニにおいて、オラチオ・パガーニ氏は自身の夢を実現すべく「究極の」スーパーカーの製作に取り掛かり、1999年のジュネーブ・モーターショーで「ゾンダC12」をついに発表し、そこからパガーニの歴史がはじまることとなるわけですね。
その後、現在のブランドを形作るまでにはゾンダ「ラ・ノンナ」、ゾンダS、ゾンダSロードスター、ゾンダF、ゾンダFロードスター、ゾンダチンクエ、ゾンダR、ゾンダチンクエ・ロードスター、 ゾンダ・トリコロール、ゾンダ・レボルーション、ゾンダ760、ゾンダHPバルケッタ、ゾンダ・レボ・バルケッタ、ウアイラBC、ウアイラ・ロードスター、ロードスターBC、パガーニ・イモラ、ウアイラ・トリコロール、ウアイラR、ウアイラ・コーダルンガ・ロングテールスペシャルといったモデル、そして数しれないワンオフモデルたちがリリースされています。
昨年発表された最新のパガーニ「ユートピア」については、ゾンダやウアイラに比較してさらに芸術性が高められ、「ハイパワー、軽量性」を実現しつつ、より高い品質を持つ内外装、そしてレトロなデザインが与えられ、さらにタイムレスな魅力が増加しています。
これはオラチオ・パガーニ氏が「レオナルド・ダヴィンチが好きである」ということに起因しているのかもしれず、よってユートピアには「昔の人が夢想した未来」が感じられるようにも思います。
電気自動車(EV)の普及が進む中、パガーニは今後数年間、V12エンジンを搭載したスーパーカー(ハイパーカー)に集中することになるかと思われますが、年間販売台数が1,000台以下であることを考慮すると、EUが2035年に定めた新車からのCO2排出禁止措置の適用除外を受けることが可能です(同社は創業以来、500台も販売したことがない)。
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さらに、マーケティング責任者でありオラチオ・パガーニしの息子であるクリストファー・パガーニ氏によれば、「バッテリーの重量を考えると、EVスーパーカーはブランドのポートフォリオに合わない」とも語っており、よってパガーニはほか多くのスーパーカー/ハイパーカーメーカーとはやや異なる道を歩むことになるのかもしれませんね。
なお、動画には「珍しい」パガーニのオフィス風景や生産の様子も納められています。
パガーニ創業から今までの足跡をたどる動画はこちら
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